表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

王女の侍女と国王の侍女~悪魔の微笑みの巻~

「あの(バカオウジ)は、いつになったら帰ってくるんだーーー!!!」


王子の侍女が、馬鹿にでかい声で城外に向かって叫んだ。

「ユリアン!またそんな事やって…。城の評判が落ちたらどうするの?貴女の責任になるよ。王子(あいつ)の身勝手な行動には、王女の召使の私達も呆れるわ。その行動については、国王も許してないよね。でも確か…、貴女とシュウについては許してたよね。良かったじゃない!死なずに済んで」

「ミカ…。嫌味を言いにきたのか、励ましにきたのかはっきりさせてよね~。はぁ」

開いた窓から離れ、長い廊下をとぼとぼ歩こうとしたユリアンを、ミカはガシッと捕まえ「貴女、今主人は居ないから暇…、だよねぇ?」と耳元で囁いた…。

「暇じゃないよ。今は、国王の侍女になったんだ」

「あら。じゃあ、あの王子には誰も召使がいないんじゃない…!?うふふ。これは…」

「何か悪巧みを考えるのなら、私を巻き込まないでよ。じゃあね。応接間に戻るわ」

そういうと、ユリアンはふっと消えた。


「そっかあー。貴女、魔法使いだたわねえ。私は、元剣士だけどー。さあって!悪巧み、開始しますか~。でも、その前に主人にこの計画を言わないと…ね~!」


うふふ~っと、ミカは不気味に笑って廊下をスキップしながら歩いて行った。


ーーー


「はあぁぁーー!!??」


「ひい。だから、僕は何もできないんだって!ずっと城に籠ってたし…。そういうのは、侍女たちがやってくれたし…」

「ぼんぼんも、好い加減にしとけよ?ああ?商売もできないとか、王様泣いちゃうよ」

「父上は…。僕の事なんて視界に入ってないよ」

「長男のクセに?」

「うん…」

「ふーん。ま、仕方ないわね。(オレ)の肩を掴んで…」

今私は、目の前の青年に対して心底うんざりした。

何で王子のくせに、商売できないわけよ。王子だからって…私は許さない。


「貴方に、一般教育をしてあげる。掴んだね」


ふっと視界が白くなるが、瞬時、街のど真ん中に着く。

「い、今のは【瞬間移動】…?僕の侍女も、魔法使いだよ。確か、“天女”っていうランキングだった気がする。最高ランキングの一つ下だったな。一番上は…」


「“神”…。でしょ?」


鋭い矢のような声が、彼の隣から聞こえ、王子はぶるるっと身震いした。

「そ、そうだったな。魔法使いはこの世で十人ぐらいしかいないから、珍しいね、君。でも何でそんなこと、一般人以下の君が知ってるの?」

「一昨日言った、【魔女】っていうの、訂正してくれるよね?それと、今の発言…」

「は、はいー!もちろんです!」


素直なのに、バカなんだよなあ~。


ーーー


「国王陛下のおなりだっ!静粛に、静粛にっっ!」


私はできる限り、大声で会場に響き渡るほどの声をだす。

「ユリアン。ありがとうね…」

王は耳元で囁いた。


王って、ミカみたいだな…。


「きょ、恐縮です…」

「ふふ。そんなに硬くならなくて、良いのに…。後で、私の部屋に来てね」

隣に立っている、王はこそりと言う。

「はっ!?何で?」

と言って、しまった!と私は思った。目の前にいる、貴族や大富豪たちはじろりと私を睨んできた…。


やばい。殺される。


王の命令は絶対なのに、それを愚弄する発言をしたからだろう。

「ぷっ。あはははっっ!全く、君ってやつは本当に面白いね…」

王が、爆笑しました。久しぶりな気がします…。


ああ、恥かしいっ!


顔を真っ赤にする私から彼は離れ、玉座にすとんと座る。


「さて、本題に入りますか~。私の王子を見かけたものはいるか?


あの王子のせいで、私の可愛い側近になった者が、困っているのだ。


見つけたものには賞金、及び私と友人になることを許そうか」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ