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少女とマッチ~祖母の巻き~

どんよりとした寒い冬のある日。


その少女は、薄手のワンピースと使い古して、ぺらっぺらになってしまったマフラーを羽織っていた。彼女の手には、ボロボロで小さな穴が空いたカゴを持っていた。カゴの中には、十数個のマッチ箱が入っていた。



うぃー。寒っ!死んじゅあうよ。あ、寒すぎて噛んだ……。



私は、そう思いながら「マッチ売ってますー。買ってくださいー」と言いながら、マッチを売っていた。


「おい、小娘。マッチを一箱くれ」

「へい、毎度ありー」と言いそうになるのを堪え、おr…私は「ありがとうございます!」と、とびっきりの笑顔でタバコが好きそうな紳士に箱を渡し、お金をもらった。




(オレ)は、前世の記憶を持っている転生者だ。よく、ライトノベルとかで書かれているアレだ。

神様に会った時、(オレ)はビビって『いや、転生したくないです…』と言っていたが、強制的に転生させられた。しかも、女子だったし。前世、男だったのに。

それでも最初の頃は、

『まあ、魔法や剣などのファンタジーな世界だから良しとするかー(女子だけど)』

なんて呑気に思っていた。しかし、(オレ)は気付いてしまった。



これ、マッチ売りの少女の話の主人公じゃないか……!?



バットエンドにならぬ様、私は魔法や商売の仕方などをばあちゃんから教えてもらった。

なぜか、(オレ)のばあちゃんはこの世界でも数十人しかいない魔法使いらしい。(隠していたけど、(オレ)が納戸から掘り出して、賞状らしきものを見つけたので、仕方なさそうに話してくれた)



しかし、運命は決まっているのだろうか。



ばあちゃんは(オレ)が若い頃に、死んでしまった。そして、その日が境かのようにマッチが売れなくなってきた。


「ま、マッチはいらないですかー!?美少女が売っている、マッチはどうですかー?」


大声をだして、頑張る。数人のおっさんが、こっちに歩いてきて一箱買ってくれた。


寒い。…!そうだ。【密着暖房】(自分の周りだけ、暖かくなる魔法)を使えば、寒くないな!

そう思いつくと、(オレ)は魔法を発動させた。



発動させた時に思ったが、この世界にマッチなんて必要なのだろうか?ま、まあ細かいことは考えずにマッチを売ろう!



彼女は今日も、寒空の中元気にマッチを売っている。



「マッチ、どうですかー!美少女が売っているマッチはいかがですかー」



そして、「美少女」という単語につられたおっさん少年、青年が買いにくるのだ。その中に、ある一国の王子が紛れ込んでいた。



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