表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者召還の無双魔王  作者: 織田 伊央華
第二章「召還の魔王」
8/37

第2話「スキルと能力」

この話は短いです。先に言っておきますよー

2016年12月28日修正-行間の修正-


「では、お腹も溜まったところで御一つよろしいでしょうか?」


 テーブルの上に並べられている皿のほとんどを空にした一同。並べられた料理の数々は見た目もよく、地球でこそ見たことが無い料理ばかりだったがその味はとてもよく、叶斗の舌に合うものだった。その為なぜか空いていた腹を満たすために食べ、胃の中身を満たしていった。


 そんな食事がひと段落したところでイレーネが声を上げる。それは先ほどまでの司会役であり進行役を担っているイレーネの言葉。その言葉に従わない者はいないだろう。


「ん、なんだ?」


 食事中の軽い談話で大分俺様口調に慣れてきた叶斗は再び自分の中で確認しながら言葉を紡ぐ。


「まずお話を進める前に、カナト様のスキル等に関してお話しておこうかと」


 イレーネの説明はこうだった。


 叶斗を召還する際に用いた魔力はここにいる10人から毎日注がれ、それが50年というとてつもなく長い年月注がれ、蓄えられた純粋な魔力を使用して召還されたこと。


 召還魔術とはその際に用いられた魔力の総量と質によって結果が左右され、またそれによって召喚された者に力、スキルが付与されるという事。


 それらを確認できるのは持っている自身だけであり、他人では確認することが出来ない、という事だった。


「そう言う事か」


 あらかた説明を聞いた叶斗はイレーネから教えられた通りに自分のステータスを確認する。


―えーっと、スキルオープンだっけか―


 そう頭の中で念じることで開かれる説明。それはスキル持ちには共通する当たり前ではあるが叶斗には初めての体験だった。


 言葉が頭の中で念じられた瞬間、叶斗の脳内に浮かび上がるかのように複数の言葉が浮かんできた。


―おー、すごいな。まるで電脳みたいだ―


 某機動隊アニメの中で表現されていたような感覚で脳内に浮かび上がった言葉に次々と目を通していく。そこにはこう表示されていた。




個体名:葛城 叶斗

年齢:17

職業:召還魔王

スキル:身体強化Ⅴ、思考加速Ⅴ、全耐性強化Ⅴ

エクストラスキル:魔王化、魂魄再生、空間収納



―なんだこりゃ、聞いたこともないスキルがあるぞ?まあ身体強化とかならわかるが、魔王化ってのはなんだ?それに魂魄再生?全くわからん―


 自分で考えてもわからん。とりあえず能力の説明をイレーネに求めてみる。


 次々と告げていく叶斗のスキルに一同が驚きの声を上げる中、一人叶斗だけがそのすごさに気づいてなかった。


 結局のところ、イレーネだけでは説明できず、カイルやほかの者に補足させながらも叶斗のスキルの全容が見えてきた。


まず職業だが、これはすべての生き物に配当される職業名であり、例えばイレーネの場合、魔王配下と表示される。生まれたばかりの生き物はすべて空欄だが何かしらの仕事や立場に就いた時点でそれが更新されるそうだ。


次にスキルについて。これは能力が他人よりも突出した者に現れ、その能力を訓練等によって鍛えることにより強化することが出来る。その度合いは数字で表示され、一段階ごとに倍加以上の上昇値がある。イレーネたちが知っている範囲ではⅣが最高であり、すべてのスキルが未踏のⅤを記録している叶斗はチートもいいところだろう。


内訳としてまず身体強化。これはその他の通り身体能力を強化するスキルだ。元々ある肉体能力を昇華させ、スキルは常時展開される。強化されるのはほとんどであり、特に肉体がメインである。筋力や動体視力、反射神経など神経に至るまで強化される。


次に思考加速だが、これも言葉通り、思考を加速させるものだ。通常の人間や生き物では脳が不可に耐えきれないため、自然にリミッターが働いている。これはスポーツなど運動や仕事をすることである程度加速させることが出来るがそれは知れた程度だ。だがこのスキル“思考加速”は文字通り思考を加速させる。まずⅠでは通常の2倍Ⅱでは10倍Ⅲでは100倍、Ⅳでは1000倍に到達し、叶斗が保有するⅤでは10000倍にまで加速する。その際の脳の負荷はなく、通常と変わらない思考で使用することが出来きる。


そして最後の全耐性強化だが、イレーネたち曰くこれは稀なレアスキルだそうだ。基本的に属性は全部で5つありそれぞれ火、土、水、闇、光とありそれぞれが弱点の属性を持っている。その為そのすべての属性に対して均等な耐性を持つというのは希少だという事だ。


そして次に叶斗の口から告げられたのはエクストラスキルについて。


この世界には複数の魔王が存在している。それは長い間生存し、かつ戦闘などであまたの敵を葬って来たことによりリーダーとして君臨している魔物の事だ。基本的に魔王になれる存在はエクストラスキルを所有している。そのことをイレーネたちは知っていたため所有していると分かっていてもそのことで安堵することになった。


しかし叶斗の口から告げられたのは魔王化という誰もが聞いたことが無いエクストラスキルであり、元々エクストラスキルというものがその者特有のスキルであるため情報が少ない。


「少なくとも魔王に関係があるスキルであることは間違いないかと思います」


 そう言ったのは一番長生きである樹木妖精(ドライアド)のルグルだった。他の一同の見解も物知りルグル以上に知っている者がいないという判断なのか、頷くばかりだった。


 次に明かされたエクストラスキル“魂魄再生”。その言葉を聞いた瞬間一番に反応したのが吸血鬼族(ヴァンパイア)であるエルシアだった。


「私が保有しているエクストラスキル“無限再生”と似ていますね。恐らくはその上位版かと思います。たとえ塵になってしまっても魂から再生するスキルだと思います」


 その答えに一同は驚きを隠せないようだった。エルシアはさすがに私はそこから復活する自身はありませんが、などと苦笑している。


 そして最後のエクストラスキル“空間収納”。これはその名の通り虚数空間にものを収納できるというスキルだった。収納できるものはすべてであり、収納した時点でそのモノの時間が凍結される。その為生き物から食料に至るまで収納でき、その容量も無限大という破格のスキルだ。これは古い文献で読んだことがあるとまたしても物知りのルグルの説明だった。


 それらの説明を一通り聞いた叶斗は改めて思った。


―チートもチートだな―


 召還ものにはありきたりであり、当たり前の設定。それを自らが呼んでいた時には理不尽さやチートさが笑えたが現実に自分がその位置にいると笑えないようだ。それは額からこぼれる冷や汗からうかがえる。


「こちらに召還された時から思っていましたが改めて聞くと流石カナト様ですね」


 イレーネはなぜか熱い眼差しをキアと共に向けていた。


「うん、スキルはすごいな。それじゃ、さっき言ってたこの世界の事について聞こうか」


 それは先ほどイレーネが言っていたこの世界を救うという事。そしてその方法があるのか、またはまだ無いのか。それを叶斗は聞いた。



2話はこれで終了ですが、続いて3話を本日投稿しますので少々お待ちください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ