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勇者召還の無双魔王  作者: 織田 伊央華
第一章「帰還の魔王」
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第3話「新たな生活の場所」

いやいや、遅くなりました。途中で昼寝ならぬ夕寝をしてしまい気が付いたら22時・・・慌てて書き始めましたww

2016年12月28日修正-行間の修正-

2017年1月17日修正-誤字脱字-



 翌朝午前7時30分丁度に約束通り勇者召還管理機構からの迎えが来た。運転手は一人で、昨日来た二人の姿はない。お見送りを含めて一同は今門の外にいた。


 黒色の高級車で、タクシーというよりもリムジンと言っても過言ではないほどの充実した内装とスーツを着込んだ運転手はさわやかな挨拶をすると叶斗と紅華の二人を車の中へと案内する。


「お兄ちゃん!」


 すると先ほどまで美咲の後ろに隠れていた叶斗の妹である柚葵が飛び出してきた。小さな背中は思った以上に素早い動作で、平日の為かきちんと着こなした制服のスカートが風で僅かに揺れる。


 乗り込もうとする叶斗の腰に抱き付き、腹部に顔をうずめる柚葵。それを受け止めた叶斗は苦笑いする。


「もう戻って来ないわけじゃないだ。毎日でも電話できるし、最近ではネットでビデオ電話も出来るからな」


 まるで仕事に行こうとする親を我儘で邪魔する幼い子供のように柚葵は回した手に力を入れる。その力は年相応のものであり、叶斗には実際の痛みや圧迫感などはない。しかし、別の場所が締め付けられるのはしょうがない事だった。


「ほら、もう時間だろ?学校行かなくちゃ・・・」


 気まずい雰囲気をどうにかしようと声を掛けるが、なおさら抱き付く力が強まるばかりだ。しかしそんな中一人だけ行動に出る者がいた。


「柚葵よ、おぬしの兄は妾が責任をもって面倒をみよう、だから安心するのじゃ」


 張るほどない胸を叩きながら柚葵に視線を飛ばす。


「・・・だから心配なのよ・・・」


 小さく呟かれた声はくぐもっており、誰も聞こえたものはいない。


 そんな状況に仕方がないとばかりに出てきた美咲によって剝がされた柚葵の瞳には涙が見える。


「ごめんなユズ、まぁすぐに帰ってくるさ。今回は異世界じゃないからな」


 そう苦笑ぎみに言葉を漏らす叶斗はもう一度自分の妹に視線を飛ばすと右手を挙げた。その姿は暫しの別れを家族に告げるそれだ。


「じゃ、行ってくる」


 そういい車へと乗り込んだ。







「あそこまでとは思わなんだ」


 車が動き出し、叶斗の隣にちょこんと座る紅華は困ったような表情で言った。その言葉は驚きと共に幼い子供を見るような大人の目でもある。


「昔はあそこまではなかったんだが・・・」


「恐らくはおぬしが消えていた半年があの娘の心を変えたのじゃな」


「もうそんなに長期間離れることはないさ。少なくとももう少しユズが成長するまでは」


 その言葉はスピードを上げ、流れるように移り変わる景色によって消えて行った。







 車はしばらく市街地を走り、近くの高速道路に入る。すると暇になったのか、しばらく叶斗と話してした紅華がおもむろに窓から見える景色を見つめる。


「こちらの世界はえらい発展しておるようじゃの?」


 そういい向ける視線の先には複数の並走する車、そしてその先には立ち並ぶ高層とまでは言えないが10階建てほどのビルが立ち並ぶ商業区画だった。


「まあこの国の首都はこんなもんじゃないが。すくなくとも向こうよりは科学技術は発達しているな。まぁ魔法や魔力などの概念が全くないからな、力を持たない人は知恵を使い技術によってその身を守る。当たり前の事だろう」


 自らの世界を客観的にそう評価した叶斗はだがと話を続ける。


「この世界よりも発展した科学技術を持つ世界もあるかもしれない。まあ、次はそんな世界にも行ってみたいな」


「また始まったか・・・・それほどに機械が好きなのか?」


 あきれたように叶斗に視線を飛ばす紅華。その瞳はあきれたとでも言うような文字が見える。


「・・・男のロマンだろ?」


「妾は女じゃ」


「刀って無せ・・」


 叶斗の言葉は最後まで続くことが出来ず、その直後に車自体が地震にでもあったかのように一瞬だけ揺れたのは気のせいだろう。


「まあ、その時は妾も行くからの、一緒に」


「しょうがない奴だ」


 苦笑する叶斗はそう言い紅華の頭に片手を乗せる。


「ふん、それは妾のセリフじゃ。妾がおらんと何も出来んじゃろうに・・」


「それは俺のセリフだ」


 そう軽口を叩いているうちに車は徐々に走行距離を伸ばしていった。







 車が走り始めてからすでに一時間以上。ようやくその動きを止めた車はあるビルの地下駐車場に入って行った。


 入庫する際に入り口の無人機械を通し、駐車場内に入った車はしばらく走り、とある通路の前で動きを止める。


「ん?」


 最初に反応したのは叶斗だった。


「どうしたのじゃ?」


 叶斗な怪訝な表情を敏感に察知した紅華は叶斗の向いている視線の先を見つめる。しかしその先にはただ壁があるのみ。地面にはこの先行き止まりであり、右折するように壁にも書いてある。


 そんな壁に向かって停車した車は両サイドにある駐車スペースに停める素振りを見せない。


「この先、まだ空間がある」


 運転手の意味不明な行動に訝しむような視線を浴びせていた紅華はそんな言葉を呟いた叶斗に向きなおる。


「先って、おぬし。見るからに行きどまりじゃろうに」 


 しかしその言葉の否定はすぐに行動によって示される。


 完全に停車していた車、しかし次の瞬間に動き出したのだ。


「なっ、おい運転手!正気か?目の前は壁じゃぞ?」


 ぎょっと驚きの表情と声を上げた紅華はすぐに隣に座る叶斗に視線を送る。しかし叶斗には焦るどころか余裕すら感じる雰囲気が流れている。


「・・・そうか。だから・・・」


 などと感心するような言葉を吐き出しながらも視線はフロントガラス越しに迫る壁に集中している。


 徐々に近づく壁。車のスピードはやけにゆっくりだが止まる素振りを一切見せない。


 次の瞬間に車は壁にぶつかり、めり込んだ。否、壁の中に溶け込むように入り込んだのだ。


「なっ」


 またもや絶句する紅華。そんな彼女を面白そうに観察しながら叶斗はちらりと横を見る。


 すでに車その車体の半分以上を壁に埋めている。そんな状態でも車の内部は何の変化も訪れない。


「ホログラム、しかも何かの術式を織り交ぜた物理結界か・・・」


「さようでございます」


 感心するように叶斗から漏れた言葉にいままで無言だった運転手の男が言葉だけを放った。


「関係ない者を巻き込まない事と情報の隠蔽などのセキュリティの対策か」


「他にも多様な種類の入り口がございますが車両が入ることのできる入り口は限られますゆえ」


 そう言う運転手はそう言うとポケットから何かカードのようなものを取り出した。


「それが通行許可書か」


「はい、車にも特殊な加工が施されております」


 どおりで、とつぶやく叶斗の表情は興味一色に染められている。


 男は取り出したカードに親指を乗せた。次の瞬間一瞬だけ輝いたカード、その直後黒一色を映し出していた窓ガラスが外の世界を映しだした。


「申し訳ございませんがシートベルトをお締めください」


 そう言うとカードに今度は人差し指を乗せる。すると先ほどと同じく一瞬だけ輝き、その直後体を軽めの浮遊感が襲った。まるでエレベーターに乗っているかのような感覚。しかしその感覚は通常のそれとは違い高速エレベーターよりもその感覚が強い。


「地下、か」


 またもや一言呟く叶斗。その言葉で紅華は自分たちが何らかの機械によって車ごと高速で地下に潜って行っていることに気が付いた。


「な、なんじゃこの何ともゆえぬ感覚は!」


 あまり浮遊感を感じたことがない紅華にとって初体験とも言えるエレベーター。しかしそれはあまり長く続かなかった。


 静かに開かれてゆく正面の壁、扉が開いた先からは微かな光が差し込んでいる。


 ゆっくりと進みだした車。その車内から外の光景を目にした叶斗と紅華の二人は驚嘆の言葉を呟いた。


「ありえん」


 第一声は紅華。これまでにないほどに驚いた表情と態度を体で示している。


「ほう、これは・・・」


 紅華とは違う驚きかたをした叶斗。それはまるで予想していたような言葉だった。


「なんじゃおぬし、予想していたのか?」


 すぐさまそれに気づいた紅華が問う。その瞳には明らかに教えておいてほしいとの願いの色も表示されている。


「いや、昔見たアニメの中にこういうジオフロント、俗にいう巨大な地下空間に小規模な都市を建設していたことを思い出してな。地下に潜り始めた地点でまさか、とは思っていたがここまでとはな」


 そう言って向ける視線の先には太陽(・・)の光を受け、燦々と照らされた巨大な地下空間が広がっていた。見える天井は先ほどのホログラムと似たような装置なのか、または魔法なのか青空が広がっている。またその中央にはどう見ても太陽としか思えないような疑似光源が熱と共に光を振りまいていた。


 数キロ四方の土地内部には中央にそびえる巨大な建造物を中心に城下町のように広がり、小規模な都市を広げている。技術レベルは日本とそん色なく、また外縁部には森林群が広げられている。


「これは、すごいな」


 異世界の技術なしには恐らく机上の空論になっただろうがここまで完璧な疑似太陽と空調。試しに開けてみた窓からはさわやかな風が入り込んできた。


 しばらく外縁部の森林区画を走った車は年の入り口であるゲートにて一度停車した。


 先ほどのパスを警備員に見せ、都市の内部に入る。


「普通の人々も生活しておるのじゃな」


 見るからに一般人な人々を車の中から観察していた紅華がふと呟く。


「はい。我々機関の者が大半を占めますが、一部の帰還者の関係者の方々。また異世界技術の研修者の方々が生活されております」


 いつの間に話を聞いていたのか運転手の男が介入してくる。紅華はその返事で満足したのかうんうんと頷くと再度観察し始めた。


 日本の都市のように入り乱れた区画ではなく、綺麗に設計されて作られたのか碁盤の目のように並べられた道路と建物。さまざまな雑貨屋や飲食店。地上で見たことがあるようなファストフード店の全国チェーンなども見受けられる。


「世界規模の機関、あながちその資金力は侮れんかもしれんな」


 目の前に広がるまるで異世界のような空間に素直に感想を述べる叶斗はふと思いだしたように運転手の男に尋ねる。


「最初にどこに向かうんだ?」


 昨日、香から説明を受けた中では迎えに来ることとその車で学園に向かってもらうことなど大まかな説明しか聞いていない。ここまで大きな施設だとは思っていなかったのだ。


「はい。まずはバベル入学にあたりまして試験を受けていただきます。その為バベル内部に向かっております」


 聞いていた入学試験。いつ帰ってくるか判らない帰還者のために一年中受けることが出来、その結果で配属されるクラスが決まるという試験。


「そうか」


 まだいくらか聞きたいことがあったが運転手という職業からしてあまり内部の事を聞くのもはばかられた。その為試験の時にでももっと詳しい説明がされるだろうと自分の中で自己完結した叶斗はそれ以上続けなかった。




 しばらく走り続けた車は再度検問所のようなところで一時停車する。見えてくるのは先ほどとは違う重武装の警備員。都市の入り口には見た目武装していない警備員であったがバベルの入り口でもあるこのゲートには肩からライフルを下げた警備員が複数人立っていた。それらの立ち姿や表情、雰囲気から軍や警察などでの実戦経験があるとすぐに感じ取った叶斗はバベルの評価を多少ではあるが上方修正した。


 先ほどと同じようにカードを取り出した運転手は窓を開けると向けられた簡易型の手のひらサイズの端末にICカードのように翳し、それを警備員が確認、目の前のバーが上がってゆく。


「軍の施設並に厳重な警備だな」


「最先端の技術も研究しておりますゆえ」


「企業や産業スパイ、果てには国家間のスパイも確かにいないとは言えないからな」


 男のフォローで納得した叶斗はさいど車の外に視線を向ける。


 勇者召還管理機構が建設した学園“バベル”は一言で言うと巨大な建物だった。現実世界の日本や諸外国で見られる巨大な建造物の比ではなく、すべての施設が一体型となっており、中央にそびえる真っ白な塔から螺旋状にまるでヨーロッパの城のような感じで建物が建造されている。その一番端に到達すると、玄関の目の前に停車する叶斗達。


 ゆっくりと降り立ち、見え気た先には恐らく天井にまで到達しているであろう白亜の塔。バベル、という名称の所以であることがすぐにでも受け取れる。


「そうか、これはエレベーターなのか」


 まるで内部を見透かす(・・・・)かのように紡がれる言葉。しかしその言葉聞いたこともないような声によって返される。


「へえ、見ただけで理解したのか?それが君の能力なのかな」


 紡がれる言葉の端々に気品差が見える優雅な口調。話している言葉は普通なのに対して叶斗の聴覚に届いたのは心地よいほどの音色だった。


 玄関から現れたのは見慣れない制服に身を包む一人の少年。年齢はおそらく叶斗とさほど変わらないだろう。身長は高く、しかしガッチリとしたものではなく細身であり、その風に流されるブロンズの髪の下には非常に整った顔をさらしている。


「イケメンにお出迎え頂くとは恐悦至極だな」


 心にもない悪態のような言葉。それは叶斗が自身の事をさほど整った顔でないという自覚と、イケメンに対する何かしらの偏見でもある可能ような口調だった。


 しかし現れたイケメンはそんな言葉に対して抹消面から受け取ったようににこやかな笑みを浮かべる。


「イケメンだなんて、男性に褒められるとは思ってもいなかったよ。まあ僕はそちらの気はないから残念ながら答えてあげることはできないが」


 さらりと危険なことを匂わせながら返答するイケメン。しかしその言葉に反論する人物が現れた。


「安心せい、叶斗は妾の伴侶じゃ。であるからにしておぬしに対しての感情は好意以上には発展することはあり得ぬ」


 そう言葉を上げるのは紅華だ。いつの間にか叶斗の後から車を降り、横に並んでいた一振りの妖刀は怪訝な表情をしながらイケメンを睨んでる。


「おっと、すでに伴侶の方がいましたか。これは失礼した。お嬢さん、今後ともお見知りおきを」


 そういい軽く会釈する。


 紅華はお嬢さんと呼ばれたことに眉をピクリと動かしたがそれ以上言葉を続けることは無かった。


「改めまして僕はバベル生徒会直属の試験機関を預かる者で名を“檜垣(かがき) 祐樹(ゆうき)”という。学年は4年だ。これからの学園生活で困った事が有ったら遠慮なく相談してくれ」


 見るからに優等生のオーラを振りまきながらそう自己紹介したイケメン、檜垣 祐樹は一歩進みでると右手を差し出した。


「葛城 叶斗だ」


 短い返答と一応の握手を軽く済ませ、一行は建物内部に入った。


「そう言えば荷物等は一切持ってきていないようだね?着替えなどはどのようにするのかな?」


 二人が手ぶらであることが気になったのか先導しながら祐樹は首だけ後ろに振り返りながら問う。


「ああ、それはこっちで買おうかと」


 もともと異世界に召還されていて元々の服はすでには要らなくなっていた。買に行くにしても時間がなく、こちらでの普段着を用意することが出来なかったのだ。また紅華が全く自分の服を持っていないことからもこちらで買いそろえることを決めていた。


「そうか。一応制服は3セット貸与され、それ以上は購入になる。また普段着などの衣類は町に複数の量販店やブランドショップもあるから自由時間で買いに行くといい。最初の生活資金もある程度支給されるから後で行って来たらいいよ」


 そういい進んでいく祐樹。その後ろを二人でついて行きながら今後の予定を頭の中で組み立てようとする叶斗。


「一つ聞くが、今後の予定はその入学試験とやらを受けるのかの?」


 先ほどからそわそわしている紅華はふと思いだしたように尋ねた。


「ああ、今から説明しようと思ってたんだけど今日のこの後の予定だね」


 そう言うと懐から小さな手のひらサイズの端末を取り出す。


「とりあえずこれから入学試験を行ってもらう。これは今後のこの学園での生活に必要な最低限の情報をバベルが保有するためのものだ。君たち一人ひとりの能力を把握し、その能力に応じてクラスを分ける。試験自体はいくつか種類があるが一番受験者が多いのが模擬戦闘試験だ。試験官と摸擬戦を行いその技量と力などを判断する。異世界に召還された勇者はその殆どが戦闘職を身に着けているからね、これが一番手っ取り早い。二つ目にペーパーテスト方式だ。これは召還されたが戦闘職でない勇者の為に行われる試験だ。そして最後にあるのが試験を受けない。これはあまりお勧めしないがどうしても自分の力を教えたくない、または試験を受けたくないという帰還者のために設けられている。また年齢が低く、両方の試験を受けることが出来ない者も同様に試験を受ける必要がない」 


 そう言うと一度叶斗達の方に向き直る。


「君たちの能力がどれほどのものかはわからないがどうする?」


「「戦闘試験で(じゃ)」」


 一瞬の間もなく即答。その反応速度に苦笑しながらも祐樹は話を続ける。


「わかった。では摸擬戦闘試験で行こう。では説明するよ」


 そういうと再び歩き出した。


「模擬戦闘試験は単純だ。個人での戦闘能力を把握するため試験官と一対一で摸擬戦を行ってもらう。戦闘スタイルは各個人で違うから始める前に試験官に聞かれるよ。近接戦闘系なのか遠距離なのか。または魔法職や魔術職、または超能力系統なのか様々だからね。そしてその試験の結果によってクラス分けを行う。バベルの学年は年齢制ではなく、入学した順に昇級していくシステムだ。まあ大学と同じだね。そのシステムだがクラスは上からABCDEの5クラスに分けられる。各クラスは少人数のクラスだが一斉授業ではなく個人のカリキュラムを組み、またクラスでの合同授業もある。まあ君がどのクラスに所属することになってもみんないい子だから仲良くなれると思うよ。おや、着いたようだね」


 そう言葉を止めた祐樹は廊下の行き止まりで立ち止まった。目の前に見えるのは大きめの扉。


「さて、もう少し話していたいが生憎僕も忙しい身でね。ここから先は試験官に変わるとしよう。なにか質問がある場合は中にいる試験官に遠慮なく尋ねると言い。ではここで失礼するよ」


 まるで本当に案内だけが役目だったかのように再度すがすがしいほどの笑顔を叶斗に向け祐樹は去って行った。


「何というか、なかなか強烈な性格じゃのう」


 去ってゆく祐樹の背中を見ながら紅華がポツリとつぶやく。


「お前程じゃないと思うけど」


 その言葉の直後に廊下に小さな鈍い音が響いたのは言うまでもない。


さて、明日は夜に用事があるので更新は午前中を目指したいと思います。まあできなくても日付を越えるまでにはなんとか・・・・


では第4話の更新まで今しばらくお待ちください。

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