エルフの秘密?
「これは…15だいめのゆーしゃがエルフのためにつくった…らしい?」
「らしいとは?僕もエルフの情報は知らないから少しお話しようか」
「ルー、ユーにぃとおはなし…おはなし」
どうやらチェルシーのにぃ様と僕の名前を一緒にしたみたいだけど少し感動してしまっている。
いや、エルフの女の子に兄と慕われている気がしてついつい嬉しくなっただけです。
話を纏めるとこうらしい。
15代目勇者は魔法の才が完全に無かったらしい。
魔王は魔法の民の王で魔力が凄く、勇者は物理が強く勇敢に立ち向かう者と言うのが特徴だが魔王にも武力派なのもいるし勇者も魔法しか使わなかったのもいる。呼ばれた時の個体差があるらしい。
15代目勇者の1人は歴代の中でもトップを争う、武力派だ。
中でも魔王との戦争の時に知り合いを殺され、ブチ切れて大地を殴り半径20キロメートルが半壊し、敵も味方も戦闘離脱にして、魔王と一騎討ちになり、殴り殺した勇敢な方だったらしい。
なので、スポーツマンか何かと僕は踏んでいたがルーチェの話を聞いていたら違うらしい。歴史を伝えるのって難しいと思った。
話を戻すがこの世界は科学に疎い。15代目勇者はそれを嘆いた。好きなゲームが出来ないと…
そこで目を付けたのがエルフ族だ。
エルフの魔法は独特なモノが多く、中には幻術や投影や作成の魔法を使える者がいる。
それであらゆる知識をだしにして、エルフにゲームを作成してもらった。
彼は喜んだ。これで念願のゲームが出来る!…しかし絶望でしかないと彼は気づいてしまった。
あ、元の世界の積みゲーをやりたいけど内容を知らない。
サクッと魔王倒してお家に帰ろう。
当時の勇者は4人いたが皆協調性に乏しく、1人では恐い、仲間が欲しいけどココの人間は難しい。なら自分は呼ばれる事は無かっただろう。
エルフに頼もう。しかし、エルフは魔力は強いが魔王よりは遥かに劣る。なら物理は期待出来ない。
武力なら自分で足りているから魔力を高めて戦力にするかと…しかし、彼は魔力の上げ方を知らない。
当時のエルフの長と話した結果、一つの仮説が生まれ、ゲーム機を使った訓練の結果がこの箱の生まれらしい。
魔力をコントロールしながら魔法を使い続けるゲーム。
名前をスー○ァミと…
アレ?名前アウトじゃない?
15代目勇者よ、もっと名前を変えてくれよ。
見た目、D○みたいなのに初期のゲーム機の名前を使う辺り時代の違いだね!
ジェネレーションギャップだよ!
…まぁ、僕が言うのは違うけど勇者に伝えたいね!安易な名前で今後、コレを知った異世界人の微妙な反応を!
しかし、魔力とは使い使い続ける事で力は増幅する。
本来は戦いの中などで上がるのをエルフはこのゲーム機を活かして魔力の長けた民として名を轟かせたらしい。
15代目以降からはエルフとの交流は盛んだったと聞く。
しかし、エルフは一千年前前後より交流が少なくなった。
原因は不明だがエルフが人間を嫌っていると伝えられている。
ルーチェに聞いたのはゲーム機だけだけどコレで少しは辻褄が合う部分も出てきた。
屋敷に閉じこもり本で得た知識と実際に聞く知識とでは違うね。
「面白いね。遊び感覚で上級魔法を使える様になるって聞いたらヒューマンは泣いちゃうな」
思わず苦笑する。
「これはー25だいめのゆーしゃさまがエルフだけのひみつにするようにいわれたの」
「なるほどね、それが一番だよ」
そりゃそうだ。遊び感覚で強くなったなんて聞いたら誰もがやってらんないよね!
「マホウのしぎょうにきたゆーしゃさまもこのスー○ァミをしってた…?」
「だろうね、異世界でも有名なモノだからね。ただ、この世界ではまだ浸透してないし、使い方が違うからヒューマンには分からないよ。僕は知識だけならたくさん知っていたから別だけどね」
とりあえず釘をさしておく。
転生者を無闇に知られても面倒になったら大変だからね。
話の途中でゲーム機が消えていった。
「どうしたの?」
「じかんがきた…ながくやったら、からだに…ダメ?」
1時間位か、まんまゲームだね!1日1時間ってこの世界でもそうなるんだ。
「きゅーけい、してから…またしゅぎょーする」
…まぁ、確かに魔力強化になるみたいだけどほどほどにね。
「聞いてもいいかな?」
首を傾げるルーチェ。
「逃げたって聞いたけどどうしたのかな?」
ルーチェは暗い顔になり、ぽつりと呟く。
「…じゃしん」
じゃしん…邪神
上級悪魔のまたの呼び名を邪神と呼ぶ。
彼らは魔獣と同じく人々にしか与えない。
例外もいるらしいが邪神は危険すぎるのだ。
ギルドでも邪神は危険なのでランクBは必ずなってないといけない。
「エルフの里に邪神が現れたのかい?他のエルフ達は大丈夫かな?エルフは強いから心配いらないのかもしれないけど」
「ムラはダメ…みんなにげた、ルーはさらににげるようにいわれた。だけどリーもナーもいなくなった…」
エルフの里が壊滅する位の邪神か…
こっちに来なければ良いのだけど来た場合の対処も考えなきゃいけないかな。
「そっか、ならリーさんもナーさんも僕が見つけるから笑顔だよ」
泣きそうなルーチェの髪をわしゃわしゃと撫でてあげる。
「…ん」
少し、微笑んでくれた。
「ルーチェちゃんはちょっと待っていてね?今日はやる事あるからチェルシーと一緒に行動出来るかな?」
「だぃじょーぶ、ユーにぃ…ルーはできる」
今度はにっこりはにかんでくれた。
可愛かったので頭を撫で続けてあげよう。
「…いいなぁ」
ボソッと背後から聞こえたがぞくっとした。
うしろを向くとチェルシーがニコってしたが目が笑ってない。
チェルシーにおいでと呼び頭を撫でてあげたらようやく場の雰囲気が戻った。
…恐ろしい。
さて、今日はギルドに行きランクアップをしよう。
そう思い、ワープの所に行くと整備中。
ギルド行きのワープが使えない。
困った。まぁ、王城付近からの経由で行けば20分位で着くので王城付近のワープ場へ行き飛んだ。
「だから、お願いしますといってます!一刻も王へ会わせて頂きたい」
「私という達には時間がありませんの。どうか王に話を、盟約を今こそ果たして頂けるようにお願いします」
どんだ矢先に目に映ったのはフードを被ったの二人組の女性だ。
「ダメだダメだ!得体の知れないエルフを王へ会わせる事は出来ぬ!帰れ」
門番が鬱陶しそうに追い払っている。
「どうしてですか?いつも貴方方ヒューマンはそうなのですか!困った時に助けを呼び、我々が困った時は放置をする。それでも貴方は人か!」
流石に門番もイラつきが達したようだ。
どの位言い合って居たのかは知らないけどバットタイミングで会ったらしい。
ココはスルーが一番だけどルーチェの件でエルフに大変な事が起こっているのは分かったから助け船を出すか。
門番がアクションを起こす前に僕は動いた。
「すみませ〜ん、お二方にちょっとお話が…」
そう言って力づくでこの場から連れ出す。
「おい!」
門番が怒鳴ったのでとりあえず睨みを利かせ、そのまま何も言わせず、連れ出すのに成功した。
設定が甘いと思われた方も居ると思いますが思いつきで始めたので見逃して下さい(T ^ T)
もしくは一緒に提案して頂けたら嬉しいです。
まだまだ話がころころ変わるかもですがよろしくお願いします。