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アクア

「ココがエルフが守護する迷宮内じゃよ」


…リーサの父らしいのだが彼氏の間違いじゃないのかな?

だってイケメンだし、お父さんには見えない。

喋り方に違和感しかないのだけど突っ込んじゃダメだよね?


「そう言えば紹介を遅れたの。ワシはガルバと言う。年齢は3500歳前後じゃ」


3500歳前後⁉︎爺ちゃんって歳のレベル超えてるよね?


「何、エルフの寿命が8000年近いと言われておるのでやっとワシも寿命の半分位しか生きとらん。ヒューマンにしては長すぎるかもしれんがの」


「そうですね。流石に年齢を聞いた時はびっくりしました。それと私達を連れてきて良かったのですか?」


「ほっほ、むしろ、付いてきてくれなければワシらが困るのでのぉ〜、大丈夫じゃ」


「分かりました。ついて行けます」


エルフの皆さんは黙ってるし、正直、リーサのおっちゃんと話すのは何か気まずい。

リーサがエルフの中でも立場が上ってのがびっくりした。

まぁ、ナタリーと気まずくなった辺りに声をかけてきたのは助け船を出してくれたと思いたい。

…接して、楽しんでタイミングを計った訳じゃないはず。


迷宮内に入り、言われた道を歩いているが魔物など見ないな。


「ほっほ、警戒は無用じゃ、ここの迷宮はワシらが知り尽くしておる。それにワシらの狩り場でもあるし若者の育成も兼ねてここを活用しておる。それにこの中で大切なモノを守っているからの」


「パパ⁉︎そんな重要な事を言っても良いの?」


「よいよい、寧ろあの方から連れてくるように頼まれたのじゃからの」


「一つ良いですか?」


チェルシーが意外にも発言するとは。


「ん?なんじゃの?」


「気になったのですがガルバ様は若い外見ですが役作りでその喋り方に変えたのですか?」


おっと、セリオン達も固まったじゃないか。

…ウチの妹は思った事をちゃんと言える良い子です。




しばらく歩いて行くとワープポイントがあった。

このまま飛び越えるとエルフの里の住民達が避難しているらしい。どうやら、外で仏様になっていたのはエルフの戦士がメインで初めに攻撃されたエルフの民も多少いるらしいがちゃんと避難できていたらしい。

セリオン達、別の里組はそのまま避難しているエルフの人々に会いに行きたいらしく、別行動になった。

僕を含め、ガルバ、リーサ、ナタリー、チェルシーとルーチェまでついて行くメンバーだった。


「さて、もうろそろそ着くがびっくりする事はないからの。ナタリーも良い機会じゃから知ると良い」


「うるさいロリコン」


…へぇ〜、異世界でもその言葉が伝わるんだ。


「ワシ、一応長老じゃよ?」


「ナタリーさん?ガルバ様にきついけどどうしたの?」


「こいつ、年甲斐もなく一目惚れして結婚したんやけどその相手がウチの姉ちゃんなんや」


「…お、おぅ」


何とも言えない。

世間が狭い!

ウチの妹も何とも言えない顔をしてしまっている。

ナタリーがルーチェより年上だとして外見からしたら14歳辺りだろうしまだまだ納得の出来ないお年頃って事だな。


「このロリコンと出来婚なんや」


…思ったより、エルフの里の内情はドロドロでした。






「ココが主らを連れて来たかった場所じゃ、ワシと巫女殿しか入れない神聖な場所だから気にすることはない」


そう言われたら気にせず入るしか無いけどリーサもナタリーも複雑そうな緊張している感じが伝わるので気にするなって言われても気になる。


(本当に気にしなくて良いのよ」


「⁉︎」


突如聞こえた声に周りを見るとルーチェと目が合った。

ニコっと笑いかけてくれたのでちょっと落ち着いた。

…周りに聞こえてない?


(当たり♪私があなた方を呼んだ本人なのよ)


直接語りかけている?


(そうそう、あなたにだけだけどね)


僕だけじゃなく皆に話せばいいんじゃない?


(でも、これはあなたに直接話さないといけないと思ったから話したのよ、異世界の因子を持つ子よ)


…なるほど、頭の中に直接話せるから警戒していたけどそこまでバレている。


(警戒しないでいいのよ。私は世界にちょっと詳しいの。だからあなたの事も理解したわ。妹さんの為にも悪い取引じゃ無いわよ)


そうであって欲しいね。心まで読めては無さそうだね。


(それなら大丈夫よ。あなたが私に伝えたい事だけ伝わって会話出来るの。あなたの記憶とか読み取ってないから安心してね)


なら分かった。


(ふふ、では言うわ。私の条件は私をあなたの側に置かせて欲しい。見返りにあなたの妹さんの護衛と妹さんの獣付きについての説明でどうかしら)


…乗った。


まさか、ココで知りたかった獣付きの情報を入手出来るとは思わなかった。


(私はアクアとでも名乗りましょう。では、またお会いしましょう)


ん?プツンと何かが切れた感じがした。どうやら、お話は終わったようだ。


「さっきから考えこんでいたようじゃが大丈夫かの?」


「えぇ、もう纏まったので大丈夫です」


「そうかぃ、ならココをワープしたら目的の場所じゃからの。皆、準備は良いかの?」


「「「いいとも!!」」」


「「⁉︎」」


エルフ達の返事にびっくりした僕とチェルシー。

…多分、十中八九勇者だな。

びっくりしたじゃないか!

異世界で仕込むなよ!






ワープを潜ると周りは木に囲まれており目の前に湖が広がっていた。

良く見ると空中に丸いモノ…球体が浮かんでいる。

ふわふわと球体は近づき、僕たちの前で止まった。


「初めまして、私はあなた達に精霊と呼ばれるモノのオリジナル体よ。よろしくね」


さっきの声と同じだし、ふわふわ近いてきた時にはアクアだろうと予想出来たがオリジナル体とは思わずびっくりした。

ナタリーとリーサは恐縮してしまっている。

ルーチェとチェルシーは何も分かっていないので水の塊位にしか思ってないかも。


炎はサラマンダー、風はシルフィー、土はノーム、水はウンディーネと4大精霊と言われ、上位精霊だ。更に龍だったり、動物だったりハッキリしたモノが精霊で上位にあたるものだがそれを作り出したモノも居てもおかしくないと魔法使いでは伝説として話されている。

その存在は不明でソレを明かしたら間違いなく歴史に名を残すだろう。


「僕たちを呼んだのは貴方ですか?」


「えぇ、そうよ。ちょっとお願いがあったのでね」


なるほど、ソレでさっきの取引ね。


「それはそれは、精霊王に当たる方からのお願いとはちょっと怖いですね」


「そうでもないわ。私をあなたの側に置かせて欲しいの。ダメかしら?」


さっき聞かれた内容通りか。

ちょっと聞きたい事も聞かないといけない。


「あなたが近くにいる事でチェルシーが危険な目に遭うかもしれないのだが…」


「それは大丈夫だわ。それ位の危険な目なら私でも対処出来るもの。私でも対処出来ない事が起こったらチェルシーちゃんだけじゃなく全てが危険だわ」


「ソレに僕を頼られてもあなたを守れるとは思えませんが」


「謙遜は良くないわ。あなたが出来ない事なら私や神にだって出来ない事だからソレも気にしなくて良いわ」


あれ?評価が凄くない?


「さっきの上にいた邪神と呼んで居たけどアレは本物の神よ。神が壊れ、世界のシステムの中核である私達を始末しに来たの」


…え?うそ、神を殺してしまったのか。


「ソレに私達を始末したらあなたの妹、チェルシーが狙われるわよ」


「それはどう言う事ですか?」


「獣付き」


周りの雰囲気が変わった気がする。


「僕の妹は確かに獣付きと呼ばれてますがいずれ治します」


「それは無理ね。獣付きの考えが違うわ」


「何故です?あなたは何を知っている?」


「獣付きとは神達が恐れて付けた名で本来は聖獣付きと言われ、裁きの使徒となど様々な呼び名があるわ、要するに世界の中立者という事よ。治ると言うより扱える様にするが正しいわ」


「…だから、教会や神殿の者達は必死になっていたのですね」


「そうね、だけど違うわ、彼らの神は1000年前に死んだわ」


「どう言う事です?」


「勇者召喚は知っているよね?アレはもはや、システムの管理者が居ない、もしくは暴走しているのよ。管理していた神を15代目勇者が神を聖獣付きとエルフの民と共に倒したからね」


…今さらっと大事な事をいったよね。


「それに勇者召喚と魔王召喚は神々が武力と魔力はどちらが優秀かなんて理由で始めた喧嘩なのよ。それだけなら良いわ。魔王を倒したからって実は元の世界に帰れないの。魂を保管され、管理されるのよ。だから15代目勇者はそのシステムの管理者である神を殺して異世界へ戻ったわ。しかし、システムはまだ稼働していて、いつも間にか魔王が現れたら勇者も現れると言う現状になっているの」


「何とも言えないですね」


その事実を知っているからエルフは人を避けるようになったのか。


「話を戻すわ。ヒューマンは獣付きと評し、あなたの妹をこの先殺すわ。神が死んだと知ってなお獣付きを殺し続けているのが証拠よ。でも、彼らは精霊も崇めているのよ。精霊は神と同等の存在だもの。だから、チェルシーちゃんには精霊の加護をあげる。その代わり、私をユーリ君の側にいさせて欲しい。悪くはしないわ」


別に断る理由が無いから構わないけど大丈夫かな。


「では、なるべく精霊としてではなく、人間らしく出来ますか?精霊とバレても良いですがややこしくなりそうなので」


「そうね、ルーチェちゃんにはウンディーネが付いているし、チェルシーちゃんにはこの子を付けてあげるから私はひそひそとしとくわ」


そう言って急に湖から水柱が上がったと思ったら動いた。

そのまま近づいてきたモノに唖然としてしまった。


「我をお呼びか?主人よ」


ウンディーネと同等の上位精霊の水龍である。

綺麗な水の龍を見て、驚くなと言うのは無理だと思う。


「今日からあなたはこのチェルシーちゃんを守りなさい。良いかしら」


「聖獣付きの娘か、承知致しました。娘よ、我はヒューマンからは水神と呼ばれる水龍である。名はアスピディスケと言う。好きに呼ぶと良い」


チェルシーは考える素振りを見せる。


「私はチェルシーと申します。名前は長いからあだ名であーちゃんで良いですか?」


水龍は固まったと思ったら笑い出した。


「中々、肝の据わった娘よのぉ!気に入った!精霊や龍に臆さないとは流石、聖獣付きと言ったところだ。我は主をチェルシーと呼ぶとする。末長くよろしく」


龍相手にあだ名で呼ぼうたするとはちょっとお兄ちゃん怖かったよ。

多分らあの球体も笑っているみたいだ。

プルプル動いているもん。


「さて、私はなるべく隠れているわ。あなたのペンダントのアクアマリンの中にいるわ。それで良いかしら」


「構わないよ」


「ガルバよ、今までありがとう」


「いえ、ワシらエルフの民はアクア様をお守り出来る使命を頂き光栄でした。ただ、守り続ける事が出来ず申し訳ないとの思いがありますがのぉ」


「いつまでもエルフの民に迷惑かけるのもと思っていた時にユーリ君が来てくれたのは良かったよ。この先、君には期待しているよ」


「期待はほどほどでお願いします」


こうして、エルフの里でアクアと出会い、チェルシーの護衛にアスピデー…えっと、あーちゃんが加わった。




「ところであーちゃんは20メートル近くあるように見えるけどどうやって連れて行こう」


そう、水神って事あってデカい。


「そうだな、チェルシーに合わせて見るか」


水神だった水が湖に落ちていった。

そして、18センチ位のミニサイズの水神が出来上がり。

…ベビみたいだ。


「コレで良かろう」


「あーちゃんかわいい♪」


…今回の出来事は妹の肝が座っているのを知る良い機会だった。


次は日常を挟みます。

そして、やっとネタ回を書こうかと思います。まだ、登場させたいキャラが居ますがネタをやらなければ(使命感)と思い考えました。

ネタ回と言わず、スルー回にならない事を願いたいです_| ̄|○

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