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家族の形

初戦闘シーンです。

書くのが難しいものです(´・ω・`)


ウチはリーサが嫌いやった。

生まれも育ちも才能も容姿も全て何もかもが与えられて、ウチが100年かけて鍛えた魔力値も10歳の頃のリーサにあっさり抜かれて嫉妬するなってゆう方が無理な話や。

基本のスペックは初めから決まっている。

分かっていた事や。

ウチの限界も理解していたし、新たに力を手に入れるしかない。だから、剣技を高めた。ただの剣技では男共に勝てへん。だから、素早さと手数で勝ちを取る双剣を選び独学で強さを手に入れた。

そんな事を知らへんリーサは何故かウチに懐いた。

初めは邪険に扱っていたけど中々離れなかった。

だからかな、たまに何処かに行く事あったんやけど、その日に限って気になって付けたん。そこで見た一生懸命に剣を振っているリーサを目の前にした時、自分の小ささに腹が立った。

本当は知っていたんよ。

リーサは人知れず、魔法書を読んだり、剣技の稽古も周りの人より倍以上努力していた事なんて、だけど、認めきれずに自分を守る為にリーサに酷い仕打ちをしてしまった。

リーサが稽古の途中で倒れた時、無意識に駆け寄ってしまって、ウチの顔見るなりイタズラを失敗したって顔したのを覚えてる。

「少しはナタリーや皆に認めて貰える為にやったのですがわたくしはダメみたいですね」

違う、ウチらは経験と日々の鍛錬での動き、対戦相手の未来予測で勝っているだけでリーサは十分だ。

…そうか、リーサはウチらと仲良くしたくて、早くウチらに近づこうとしていたんか。

嫉妬が勝り、ウチは何も気がつかず本当に情けないわ。

「リーサ、あんたは剣を持つのは辞めといた方がええ」

リーサは悔しそうに俯く。

「今日からは弓を覚えや。ウチが剣を扱ってるんや。そのサポート役で弓を使うパートナーが欲しんや。ダメか?」

リーサは嬉しそうに頷いた。


その日を境にウチはリーサを好きになった。大切な妹が出来たんや。だから、この子の為なら何でもするって決めたんや。

だからな、泣かんといてや。

あんたが泣くとウチも悲しい。あんたが笑うとウチも笑顔になれる。だからリーサ、最後位は笑って欲しいんや。

アレ?

声がもう出ぇへん。

身体が感じない。

あぁ、コレが死って奴か。

目の前で泣きじゃくるリーサの涙をもう止めてあげられへんとは無力やな。

心残りがあるとしたらリーサが無事に生きて逃げれるかやな。ウチが最後に言った通り逃げてくれたら嬉しいな。

もう、目が開かん。リーサが見えないや。

もう、耳が聞こえん。リーサの声が分からないや。

もう、身体が動かん。リーサを感じれないや。

何だかんだ言って、リーサは特別でウチの大切な妹やったんやな。

リーサ、元気でな…バイバイ…








「ナタリー!聞いてますの?」


ギルドから出たウチらはヒューマンが迷いの森と呼んでいる森に辿り着きエルフの里へ戻る途中。


「あぁ、聞いとるで」


「全く、ギルドの方々は良い方ばかりでしたが王は出会った事ありませぬが悪い方でしたね」


「なんかあるんやろうな。ギルドの奴等も王には不満があるような節が見えたんやけど間違いや無さそうや」


「悪い方ばかりではなくて良かったわ。ヒューマンに会えて良かったですわ」


嬉しいそうにしているけどあの顔はメスの顔や⁉︎

…ちょっと探りいれてみよう。


「そうやな。ユーリって少年はウチは好印象やったな」


「ナタリーもですか⁉︎やはり、困った時に助けに来てくれるのは運命でしょうか?」


…あらら、運命とか言っちゃってるよこの子。

まぁ、エルフの男共なんて童貞を拗らせて紳士ぶってるタダのヘタレが多いから仕方ないか。

ウチは里からそんな出てへんから100年単位で彼氏出来ないのはおまえらが悪い!

ウチやて女やって言うのに口説かれた事はないし、と言うよりエルフの女から寄らないと出来へんって今考えるとヘタレしかおらへんな。

あかん!話がズレてしまう。


「だだ、リーサみたいに恋愛として見てはいないけどな」


ニヤニヤして追撃しよう。


「はぁっ⁉︎ち、違いますの!抗議しますわ!わたくしはたった1日程度の知り合いに恋慕いたしません‼︎」


ヤバイ、ニヤニヤが止まりませんな!


「そうやな〜、好きや無いならそんな慌てんでええのにな」


「ナタリーのイジワル…」


あっ、拗ねちゃった。

ちょっとやり過ぎたかな?

反省はするが自重はせんで!


「さて、そろそろガールズトークを止めて、目の前に潜んでいる相手に気を配ろうか」


「えぇ、向こうもわたくし達に気づいてますね」


「あぁ、戦ったら面倒な感じやぁ、どないすっかな〜」


近づいて来ると気配で同族だと分かったけど向こうさんは警戒を緩めてくれへんからこっちも緩めへんな。


「アレ?この気配は敵じゃない?」


リーサが相手の正体に気づき、動揺する。


「そやな、増援やと思うけどかなり警戒されてるな」


「ですね、でも、まだ里まで距離はありますし、敵はいないようですね…」


色々、リーサは考えこみ、ブツブツと漏らし、大きく息を吸った。


わたくしはアルダの里のリーサであります!貴方方は同種族であり、味方であるなら警戒を解いていただきたい」


リーサが大声を出し、無害である事を伝える。


「こちらはノールの里のセリオンだ!そちらの里の者に頼まれ救援として来た」


ん?セリオン…

あのセリオンなのか⁉︎


「あんたは火焔かえんのセリオンか?」


「いかにも、そう呼ばれている」


「こりゃ、凄い大物が助っ人やな」


「ナタリー、彼の方はやはり、エルフ族で最強と言われているあのセリオン様ですの?」


「やな、コレで何とか戦いが出来そうやな」





里に入る前にみんなで集まり、作戦を聞く。


「今、我らノールの里より、集まった戦力は8名だ。本来なら人数も集めたかったが数で勝てるなら既にそちらの里の者が仕留めているであろう。なので里の中でも戦いに特化している我々8人の少数で攻める事にした。本来なら他の里の者を集めたエルフの陣でやりたいところだが時間をかければ、それ程の邪神であればあの聖域が落とされる可能性が上がるので我々で叩く。異論はあるか?」


「異論では無いが情報提供や。昨日、ウチらはヒューマンと接触、ギルドに救援をお願いしたが失敗してもうた。中心で動いていた、黄昏旅団のリーダーとエトワールのリーダーは重症になった為に今回の依頼は白紙に戻ったんや」


「ほぅ、あの二人がヤられるとは余程の大物だな」


「ん?セリオンは知っているんか?」


「あぁ、ヒューマンの中でまた一緒に戦ってもいいと思った奴らだ」


「そっか、すまんな、話をズラしてしまうて」


「いや、その情報はありがたい。そうなると我々が考えていた策は変更だ」


セリオンは深く息を吐き、周りの仲間を見る。


「まぁ、倒す事に変わりはない。殺るには皆が生き残らなければ我々の勝利ではない。死なない為の作戦だ。相手は未知数だ。情報を集めれば集めるほど不確定な相手は早々いない。だから、今回は良い経験を積める。生きて帰るぞ!では策を言うぞ」








成る程、迷宮前にあの邪神バケモノが居座っているんか。

それにしても気持ちが悪い。

2本足で立っては居るが不自然に体がくっ付いている。

腕が4本あるし、羽もついてる。腰からツルのようなモノを伸ばし攻撃してくる。

顔は山羊をベースにしているみたいだがオークみたいに醜悪である。

そんな相手にエルフの里が潰されたのだ。

しかも見晴らしが良くなっている。近づくには30メートル先まで近づかないといけない。

不意打ちは本来なら厳しいな。本来なら…



「礼装展開、出現『デネソールの銀弓』わたくしは放つ者」


リーサの服が変わる。ロープが無くなり、白と青を強調した袴になり、胸当てもいつの間にか当てている。両腕に金色のブレスレットが現れ主張するがリーサの手元にある弦のない弓が全てを奪う。ほんの数秒でエルフの戦闘準備が完了した。


ハイエルフのみが扱える魔術・・である。


この中で使えるのはリーサと簡易であるがセリオンの2人だけだ。


これで準備が整った。これからが森の為の狩りの時間や!


距離的には30メートル、気付かれても反応させなきゃええねん!

ウチは地面を蹴り、最速で駆け出す。邪神もウチが現れたのに気がついたのはあと3歩で攻撃態勢に入り当てるタイミングの時や。

気がついて防御の姿勢に入ろうとすると邪神はバランスをクジし前のめりになる。後方で3人の魔法使いが土魔法でチャンスを作ってくれた。

このチャンスは逃がさへん!

バングルに魔力を込め、いつでも発動できるようにして、邪神に踏み込み、スキル発動!


「エアークロス!」


魔法と剣技の融合技でウチのスキルの一つ。

風を纏い、素早く斬り伏せる。今回はそれに邪神を風で浮かせ、首を狙うが浅かった。


「なんちゅう硬さやねん!」


ウチは離れ、後ろに周り、エアーでコッチに集中させる。

邪神は誘いにのってきた!

だが、背後にウチらの切り札が居る。

無防備な背中にセリオンの炎を纏った剣が左羽を切り裂く。

邪神の叫び声が途端に響く。

邪神が振り向こうとするとウチが切りつける。

残念やが、ウチの武器や技量で持ってしてもこいつにダメを与えるしか出来ない。

致命傷を与えれるのはセリオン位だ。

その間に四方に潜むリーサを含めた弓使い達が攻撃をする。剣は切れないし、矢は弾くし、魔法は効かない。

情報を聞けば勝てる気しなかったがギルドのリーダーの攻撃は聞いていたらしいからウチとセリオンで削るスタイルで邪神を倒す事にした。

最初の奇襲を除いて致命的なダメを与えれてないまま何分、いや、十何分が経過したんだろう。

後方に居たノールの弓使いの叫びが聞こえた。

振り向くと大きなエアウルフが迫ってくる。

ノールの弓使いは何とか生きているようだが片腕が無くなっていた。


「皆!策を変更だ!俺はこの邪神を引き止める!だからエアウルフを任せるぞ!」


「了解や」


エーテルを飲み、呼吸を整えエアウルフに向かい踏み込んだ。

向こうも同じスピードについてこれるだけの強さを持っている。

右左左右右と追撃をかけるが決定打が当たらない。

まだだ。

周りの弓使いや魔法使いは当てにならないな。

このスピードだとうちに当たる可能性も高いし、合わせきれないはずや、リーサ以外はな。

だから、ウチはチャンスを作る為にただ、ひたすら攻める。相手は避ける、受けるしか出来ない位にして、より当たりやすく。

エアウルフは泥濘に入り、バランスを少し崩した。

これを待ってたんや!

ウチはそのまましゃがみ込み後ろに飛ぶ。

エアウルフはバランスを崩しても勝てるとふんでるのか食いつきに来た。

その食いつきにきた頭の真ん中に雷が走る。

バチバチバチって青白い光が激しくなり消えると共にエアウルフは絶滅していた。


「ぐうぁぁぁっ⁉︎」


声の方へ向けるとセリオンが攻撃を受けていたダメージを蓄積している様子だ。

アレはあかんな。


「セリオンへ展開、魔力注ぐで!」


セリオンの目の前に透明な壁が現れる。

セリオンへ鋭利なツタみたいなので攻撃が来ていたので防御魔法で防ぐ。


「すまない!助かった!」


「礼はイイって!それより、もう魔力が残っとらん、ポーションもエーテルもないで!どないするん?」


「仕方ない、一時、撤退するか」


その時だ、ノールの弓使いの牽制攻撃が眼に当たり潰した。

邪神は大きく叫ぶと倍の魔力を放出させる。


「おぃおぃ、こりゃ洒落にならへんで!まだまだ余力と言うより強くなるんか!」


「皆、撤退だ!」


あかん、皆の場所は把握した!間に合うか?


「全て展開や!ウチらを守ったらんかぃ!」


強い爆風が襲い、目の前で何が起こったか分からんかったけど煙が無くなり、周りを確認出来ると10人共倒れていた。ノールの奴らも強いが今のは不味かった。

何とか防御魔法でダメージを減らしてもウチとセリオン以外は難しいか?


「まだまだですの!」


見ると1番に起きたのがリーサだった。

ウチの防御魔法と自分の礼装のおかげか?

リーサは膝間付き、弓を天に向けた。


「天かける龍の如しいかづちよ!わたくしの全てを捧げます。だから、目の前の敵を滅せよ!」


アレは初めて見る。

精霊魔法って奴か。

天に向けて、弓を引くと龍の形をした龍が駆け登り、大きな雷が邪神に当たる。

だが、ダメージは受けた様だが邪神を仕留めることは出来なかった。

詰んだな。

そう意識の中に芽生えてしまった。

邪神はリーサを捉えている。

ダメや、はよ、逃げろ!

防御魔法を展開しようにも魔力が足りん!

逃げへん?いや、アレだけの力や、反動で動けない可能性がある!

魔力も残っとらん、邪神に攻撃して逸らすより、リーサの元へ行って守った方がリーサが生き残る可能性が上がる。

ウチは最後の余力を振り絞り、地面を踏み込み、リーサの前へ駆け寄る。

鋭利なツタの様なモノでリーサを貫こうとしとるが無駄や!

ウチはソレを弾き、その勢いで態勢を回転させ、リーサを庇うように邪神へ向く。腰のツタの様なモノが4本くる。

ココで防がなリーサが、リーサが!

弾き、切り落とし、邪神へ近づく。

近づきながら、リーサの方向をずらすのに成功。

また、ツタが来る。

弾いたが2段目が来る。右剣で弾くが次のツタが間に合わない!左剣で防ぐしか…アレ?

左腕が動かない?

強い衝撃が下半身を襲う。

そして、腹部にツタが刺さり、投げ飛ばされた。

…痛い。痛すぎて痛みが分からない。

目を開けるとリーサを探した。リーサは無事だったが凄い見た事ない表情や。

なんでそんな顔するん?

下半身が動かないから下を見ようとすると左剣を持った自分の左腕が落ちているのを見て理解する。

あぁ、自分は死にかけてるんや。だから、リーサはあんなこの世の終わりみたいに表情になっているんや。

リーサが叫んでいるのは解るけど聞こえない。

リーサが駆け寄ってくる。

邪神とまだセリオンは戦い始めたか。

リーサがウチを抱えてくれる。

やはり、下半身が無いみたいやな。

そんな泣かんで欲しい。

謝ってるのかな?

リーサは悪くない。ウチがもっと強かったらリーサを悲しませずにすんだのかな?

あかん、リーサから貰い泣きしてしもうやないか。

だけど、伝えなあかん。


「りー、サ…聞いて…ほしい。リーサは…ウチの、ゴホッ、大切な、家族や…ハァハァ。だから、あんたは……な、何があっても、生きてて…ほし…い。リーサが…悲しいとゴホッゴホッ、ウチも悲しいやん…か」


目が開かんくなってきた。


「だから…ウチの為に…笑って…ハァ…ほしいな」


あぁ、何も感じん。

何も考えたくない。


















「………………タリー!」


ん?せっかくゆっくりと薄れていく中で声が聞こえた。


「ナタリー!もう大丈夫だから目を開けてみろ!」


急に意識が覚醒する。

アレ?ウチは何してるん?

目をゆっくり開けると真っ白な世界に氷の塊にユーリ?

あぁ、夢か?冥府で真っ先にイメージしたのがユーリだなんてウチも人の事言えたもんじゃないね。


「ナタリー!本当に良かったわ」


リーサもいる。

死んだ後はご都合主義な世界なんか?

それやったらウチに後押しさせてくれや。

前世ではそのまま、恋愛も何もせず、里と戦いに生きてきたんや。

だから、ウチは死んで里の誰でも無く、一回しか会ってない不思議な少年ユーリに惹かれていたんかな?

コレがウチだけの世界なら構わへんよな?

死んでから真っ先にユーリに会うとは思わなかったけどコレからココのユーリを知っていけば良いんや。

だから、ウチは目の前で抱えてくれているユーリを抱きしめてびっくりしているユーリを見たらウチは照れくさくてちょっとイタズラが成功したような気分になり笑った。

ユーリが困ったような笑みを浮かべた時、あぁ、ウチはこの笑み好きや。

だから、この気持ち受け取ってな!

そのまま首に手を回し、ウチはユーリに自分の口付けた。

どうでしょう(´・ω・`)

戦いを初めて書いたのと自分の気に入っている登場人物を痛めつけるのに迷いました。

ユーリが早くチートを使って解決してくれたら傷つくシーンを書かなくて良かったのに(´・ω・`)

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