プロローグ1
初投稿です。至らぬ点ばかりと思いますが暖かく見守って頂けたら嬉しいです。
あの日の選択は間違いではなかった。地位も名誉も栄光も手に入るレールだったのを迷いなく棄てて、僕は大切なモノを手に入れたのだ。
転生、生れ変わり、色々言い方があるのだろうが僕は風早ゆうきは一度死んだ。
何故、死んだかは曖昧で思い出せない。しかし、死んだ事は事実である。ただ、意識をたゆたうだけで消えていく中に問いかけられた。
「貴方はこのままで良いのでしょうか?」
だから僕は声の主の問いかけに答え、気がついたらチートとも言える能力をいただき、地位も名誉もそれからその世界の英雄になれる環境まで用意してくれて、転生してくれるとの事だから捨てる神あれば拾う神とはこう言う事かと思う。
どうやら、王さまの重鎮の貴族の長男として生まれた。
物心がついた頃から周りに期待を受けて育っていた。
それもそのはず、見るもの全てが未知に溢れていて、僕は楽しくて仕方なかった。
特に魔法なんて元の世界では関わりがないので没頭してしまい、お腹空いて良く倒れたりしたのは愛嬌かな?
7才で入った魔法専攻の学校も10才で卒業してしまった。
だいたいの知識を手に入れて窮屈な貴族生活も慣れた頃、新しい出会いがあった。
父の愛人だった方の子が屋敷に来たのだ。
この世界では一夫多妻が認めているのだが妻同士のいざこざなど色々あるし、僕から見てもこの世界の自分の母親の気難しさを分かっている。
だから、父親は愛人は作るが妻は母一人である。
しかし、愛人に子供を作っていたのかー
ん?
そうしたら、異母兄妹って事になるのか。
いきなり妹が出来るとは思わなかった。
でも、前の世界で妹は居なかったから純粋に嬉しい。
父親は家族に紹介する前に僕に声をかけてきた。
「これから、この子は私の子になる。ユーリは兄としてチェルシーを頼みたい」
目の前にはまだ小さく小動物の様に震えてるチェルシー。
身長は130cm位かな?小さくて可愛いな。お人気さんみたいとはこの事かな?
チェルシーに宜しくと微笑み、頭を撫でて上げると震えが止まったようだ、よかった。
その後、母、弟にもチェルシーを紹介し、その日は終わった。
僕は魔法の実験ばかりして、チェルシーと関わりはなかった。と言うより家族とも過ごす時間は少ない。母や弟からしたら畏怖されてるように見らてるように感じてる。
しばらくしてから、たまたまチェルシーと会った。だが、元気がない。
父親が頼っていたからではなく、純粋に悲しそうなチェルシーを笑顔にしまいと言う気持ち、部屋に招いた。
チェルシーは部屋に入るなり沢山の本にびっくりしているようだ。
だから僕は手から移転の魔法を使い、一輪の花を出して見せた。
チェルシーは驚き、そして笑顔になった。
「コレは兄である私からプレゼントだよ。貰ってくれるかな?」
チェルシーははにかみ大きく頷いた。
そして、たわいない事を話し、ゆっくりと時間が過ぎって行き、僕は妹っていいなって思った。
その日を境にチェルシーはちょくちょく部屋に遊びに来るようになった。
以前より、笑顔が増えて良かった。
弟と母親には陰で釘を刺したので陰湿な事はされてないはず。
コレからもこの様な日々が続くと思っていたが現実は違った。
屋敷に従者の悲鳴が響いた。
屋敷にいた者は慌てて駆け寄ったり、母親や弟の護衛に回ったり慌ただしかった。
僕は何事かなっと思い、悲鳴の元に行ったのだがそこにいたのが獣の耳を付けたチェルシーであった。
顔が青ざめており、呆然と立ち尽くしていた。
手探りでこの物語を作っていきますのでよろしくお願いします。