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episode6 きみとダンスを

今朝、起きたら珍しくワトソン君が僕の上で寝ていたんだ。


制服のシャツを新調したんだ、糊が剥がれるパリッとした感触が好きだ。


千津子さんに教わってエスプレッソを淹れてみたのだけど、分量が間違えていたのか少し苦すぎた。コーヒーメーカーの調子が悪くて代わりの手作りだったのだが、案外楽しかった。


読んでいた小説をやっと読み終えたんだ。推理もので、なかなか面白い内容だった。君も読んでみたらいい。僕が持っているものを貸してもいいんだが、意味の分からない単語を調べてメモ書きしてしまったから汚くなってしまっている。図書館に同じものがあるか確認しておこう。


学校祭の準備は運営側は順調だ。今年は協賛になってくれる企業の方々が多くて、君たちにも多く還元できると思う。それに、実行委員の猿河君という生徒がとても沢山の意見を出してくれたり、協力的に学校祭に参加してくれるので助かっている。学内では有名な生徒らしいが君は知っているか?



出会ってから、何かあるために報告したいと思う事が多くなった。

そう言ったらどんな風に反応するのかと想像するのが楽しかった。

彼女に確実に会えるわけではないし、会えても最近は見かけるだけか軽く挨拶するだけなので思いついた殆どはそのまま忘れて消えて行ってしまう。

そうしたくないと思うのは傲慢だ。無理やり時間を奪って話すほどの必要性もないのに。


同じものを共有したいと願ってはいけないのだ。分かりあいたいとまでは思ってはいけない。

せっかくできた友達を困らせてはいけない。


理解、はしている。

分かっていても身を任せるしかないほどの強い感情の起伏があるのだと気付いた。

そして、今までそれを知らなかった過去の自分はひどく無感動な世界で生活していたのだと思い知った。

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