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勘違い少女と主人公達のSTORY  作者: 沙由梨
第2章 狂い始めた物語
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08 香里奈の質問


「愛留奈は生徒会に興味ある?」



ある日の休み時間、いきなり香里奈がそんなことを聞いてきた。


香里奈の言う興味とは、『生徒会役員』についてなのだろうか。

それとも『入る気があるか』の興味なのだろうか。


私はどっちの意味でも興味は無いが。


しかしどちらかわからなかったので、とりあえず聞いてみることにした。


「別に無いけど……どうして?」


「ほら、この前食堂で会った先輩いたでしょ? 最近あの人が生徒会の話ばっかりしてきてさ。生徒会って面白いのかなって疑問をもったから。愛留奈の様子を見ると面白くなさそうだねぇ…」


そう言って溜め息をつく香里奈。


食堂で会った先輩って……ああ、風間幸宏のことか。すっかり香里奈にベタ惚れだな。


しかしこのままいけば、香里奈を生徒会に入れることが可能になるんじゃないか?


もしも今入れてしまったら物語が変わってしまうかもしれない。だけど上手くいけば早くフラグをたてられるんじゃないか?


そうと決まれば話は早い。


「でも、それは私からの観点だからあまり参考にしない方が良いと思う。それに気になるなら行ってみれば?」


「じゃあ愛留奈も来て!」


「………………………………………」



うん、そう言われるんじゃないかと何となく予想はしていた。



いつも思うが、香里奈は愛留奈に対してこんなに人懐こかったか?


ゲームの香里奈はもう少し自重していて、私に依存していなかったはずだけど……。


気になるけど、とりあえず今は香里奈を生徒会に連れて行くのが優先だな。


そう思った私は、香里奈と一緒に隣のクラスの藍原拓磨に会いに行くことにした。







「あれ、愛留奈さんに香里奈ちゃん。どうしたの?」


「ァン? テメェら何か用かよ?」


クラスの人に拓磨を呼んでもらうと、何故か一緒に静悟も来た。どうでも良いけど。


というかやっぱりこの二人は正反対だなといつも思う。


「実は香里奈が生徒会を見学したいらしいので、身近な藍原君に許可をもらいに来ました」


ちなみに私と香里奈はお互いを呼び捨てにしている。


香里奈曰く「親友なのに呼び捨てじゃないって……なんか嫌!」らしい。だから香里奈は呼び捨てにすることにした。


私がそう言うと拓磨は困ったような顔になり、静悟は何故か私を睨みながら聞いてきた。


「見学するのは三宅だけか?」


「は「愛留奈もに決まってるじゃない!」……………」


わざとか? これはわざとなのか!?


私が思わず顔をしかめると、静悟はニヤリと笑って拓磨を見た。



あ、なんだか嫌な予感。



「拓磨、別にいんじゃね? 見学するだけで入る訳でもねーんだしな」


「うーん……それもそうだね。わかった。話はこっちでつけておくから、放課後にまた来てくれる?」


「わかった! 楽しみだね、愛留奈♪」


私は楽しみじゃないです。



ああもう、何で私が生徒会を見学しなきゃならないんだ。



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