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勘違い少女と主人公達のSTORY  作者: 沙由梨
第2章 狂い始めた物語
18/31

17 テストの結果発表

時は過ぎて次の日の放課後、廊下の掲示板に今回のテスト順位が貼られていた。


この学園では学年ごとに一位から十位の人の名前と点数が書いてある紙が貼られ、クラスや学年など関係なしに見ることが可能になっている。


結果を見るために人々が集まる中、私と香里奈は三年生の廊下へと来ていた。


正確に言うと、私と香里奈と生徒会役員が一緒にいる、というのが正しいだろう。


「どうして私達がいなければならないのか」と聞けば、「生徒会役員の頭脳がどれくらいなのかを知っている必要がある」と言われた。


それこそ意味がわからないと思ったが、これ以上聞いても無意味だと察し、おとなしく見ることにした。


そんなこんなで最初は三年生の順位を見ることになった。


「お、あった」


「やっぱりって結果だねぇ♪」


一緒に順位を見ていると、龍次と幸宏が声をあげた。


その方向を見てみると、一位、二位と続いて二人の名前が載っていた。


しかも点数は龍次が485点、幸宏が481点という高得点だった。


横では香里奈が叫んでおり、真沙斗と蓮は呆然としていた。拓磨と静悟はやっぱりという目で紙を見ていた。


そういえば、ゲームでもこの二人……というか、生徒会役員は全員頭が良かった気がする。


そんなことを考えているうちに、私は香里奈に引っ張られて一年生の結果が貼ってある廊下へと移動した。







「あ……」


「ん、どうした真沙斗……って、見つけたのか」


紙を見てみると、蓮は478点という高得点で堂々と一位をとっていた。


しかし真沙斗の名前は最初の方になく、一から順に見ていった。


すると真沙斗が声をあげたのでその方向を見てみると、そこには確かに真沙斗の名前があった。


しかし順位は七位という、生徒会内では低めの順位だった。


チラリと横を見てみると、俯いて手を握りしめている真沙斗がいた。


(……仕方ない、よね)


私はゆっくりと真沙斗に近づき、優しく真沙斗の頭を撫でた。


「え、あ、あの、先輩!? い、いきなりどうしたんですか!?」


「約束だったでしょ? 忘れたの?」


「で、でもそれは一番をとったらで」


「一番をとるために頑張ったでしょ? だから良いの。お疲れ真沙斗君」


「……あ、ありがとう、ございます……」


あれ、真沙斗の顔が真っ赤になってる。本当に大丈夫なのかな?


しかも横では香里奈が微笑んでて、拓磨と静悟は若干顔をひきつらせてるし。


そう思っていると、いきなり蓮が制服の裾を引っ張ってきた。


「先輩、俺には?」


「え、ああ、蓮君もお疲れ様」


そう言って私は蓮の頭を真沙斗と同じように撫でた。


蓮は撫でられている間、目を細めて気持ち良さそうにしていた。あ、なんか猫みたいで可愛い。


「さて、そろそろ二年の廊下に行こうか」


すると、そう言いながら拓磨がいきなり私達の間に入り込んできて、私の手をとって歩き始めた。


私は反論しようとも思わなかったので、引っ張られるようについていった。







私達は二年の廊下へと来ていた。


そして順位を確認するために紙を見て、私達は呆然とすることしか出来なかった。



 一位 三宅香里奈  498点

 二位 佐渡山愛留奈 492点

 三位 美野原静悟  486点

 四位 藍原拓磨   480点



「さすがと言うか、何と言うか……」


「先輩方全員、点数が高いですね……」


「これは……正直、驚いたな」


「さすが自慢の後輩だね♪」


「くっそ、あと少しだったってのに」


「仕方ないよ、静悟」


生徒会役員の六人が何か言っているけど、私はそんなの耳に入っていなかった。


(おかしい、いくら私が勉強したとしても、二位になるなんて有り得ない筈なのに……)


すると突然肩を掴まれたので振り返ってみると、そこには笑顔の香里奈がいた。


「とりあえず、高得点をとれたお祝いしよー♪」


「あ、うん…」


香里奈に引っ張られ、私は引き寄せられるかのように生徒会室へと入った。



心の中に、ムヤムヤとした何かを残したまま――――。



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