表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勘違い少女と主人公達のSTORY  作者: 沙由梨
第2章 狂い始めた物語
17/31

16 モンブランはお好きですか?

私が買ったモンブランをモグモグと食べいる時、皆は無言で私を見ていた。


その視線に気づいたので首を傾げつつも、やっぱりモンブランをモグモグと食べていた。


そんな空気に我慢出来なくなったのか、静悟は自分の頭を掻いてから私に話しかけた。


「お前、モンブランが好きなのか?」


「うん」


「……………あっそ」


ん? 今の返事、私らしくなかったか? 普段は『はい』とかだし。


それに香里奈と拓磨と静悟と真沙斗と蓮は顔を若干赤くしてるけど、どうしたんだろうか?


再び私が首を傾げると、それを見ていた龍次が溜め息をついた。


「佐渡山は鈍感なんだな……」


「拓磨達、大変だねぇ。頑張ってねぇ♪」


「???」


鈍感? 私が? どうして?


私はその理由を聞こうと思って龍次に話しかけようと身を乗り出すが、モンブランが視界に入ったので後で聞くことにした。


私は笑顔を隠さずにモンブランを口に含んだ。ん、美味しい。


すると拓磨が財布を持って席から立ち上がった。それと一緒に私に微笑む。


「そんなに美味しいなら、俺も買ってみようかな。愛留奈さんの顔、すごい綻んでるし」


「……もしかして、藍原君も好きなんですか? モンブランが」


「ん、好きな方ではあるよ」


「本当!? モンブランって、すごく美味しいよね♪」


拓磨の『モンブランが好き』という言葉を聞いて、私は思わず拓磨の手を握ってしまった。


その行動に驚いた拓磨は、目をパチクリさせている。


周りでそれを見ていた六人のうちの香里奈と静悟と真沙斗と蓮は動作が停止し、手に何かを持っていた人はそれを落としていた。


そこから更に遠くから視線を送るように見ていた龍次と幸宏は、溜め息をついたりこれから起こることを楽しみに待っていたりしていた。


そこから時が進んだかのようにして、香里奈と静悟と真沙斗と蓮が立ち上がった。


「わ、わわわ私も買ってみようかな! ほら、すごく美味しいみたいだしね!」


「お、俺は甘い物は苦手だけど、モンブランは平気だしな!」


「俺は最初からモンブランが好きですから」


「ぼ、僕も大好きですよ! も、モンブランが! 今買おうか悩んでたところだったんです!」


「私だって悩んでたもん!」


何故か取り繕うかのように次々と言葉を紡いでいく四人。


しかし紡いでいるうちにどんどんヒートアップしていき、最終的には拓磨も加わって言い争いへと発展した。


どうしてそんなことをしているのかわからなかったので、とりあえず首を傾げた。すると龍次が


「佐渡山、あいつらの気持ちを理解してやってくれ……」


と言い、私の知っている中では本日三度目の溜め息をついた。



しばらくして落ち着いたのか、最後は私と香里奈と拓磨と静悟と真沙斗と蓮でモンブランを買った。



うん、やっぱりモンブランは美味しいなぁ♪



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ