夏休み…事件は起こった!!
「…これで、一学期の終業式を終わります」
気を付け、礼。
夏休みに突入することとなったひいらぎ高校。
他の学校の吹奏楽部は、きっと今頃コンクールの練習で忙しいだろう。
そして、一人、いつもの帰り道を歩いていた。
後ろから、
「ヤッホー浩介」
にこにこしながら声をかけてきたこの少女。
城崎奏という。
彼女こそが、俺が心を寄せる恋のお相手である。
彼女は一人暮らしだ。
俺の隣の家に暮らしている。
窓からはいつでも見えてしまうために、着替えているときとかはどうしようもできない。
別に悪気があって覗くとか、そんなことはしていないのだが。
「奏、今日練習あったっけ」
「ないよ。なんで?」
「いや…なんでもない」
話すきっかけを作ろうと思って必死だが、どうにも無理らしい。
「あ、明日は?」
「あれ?聞いてないの?明日からずっと休みだよ」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?????」
「…なんでそんなに驚くの!?」
「ないのかよぉ…チックショ」
俺は家に鞄をどさりとおいて、学校へ行き、楽器を持って帰ってきた。
宿題を少しやった後、昼寝した。
次起きたら、もう朝だった。
でも、誰かに呼ばれた気がして目が覚めて…
「浩介」
「はっ、はいぃ!」
そこにいたのは、奏なのだが…。
「なんでここにいるんだよ」
「…それが…私、お化けになっちゃったみたいで…」
つーか奏お前は全くどういう格好で寝てるんだよ。
ちょっと下着の見えている、夏用♡柄パジャマだ。
ズボンがすごく短い。
「つーか、お化けって…どういうことだ?」
奏が俺に抱き着いてきた。
しかし、感覚がない。
温かみはうっすら感じるものの、触られているとかそういうのが全くない。
俺にははっきり見えてるんだけど…
どうして、奏はお化けになったんだろう…