ポレナに投げられたせい
連載版です。
更新が不定期ですが、できるだけ早く頑張ります。
良ければ、他の作品も見ていってくださいね!
「1日だけ旅しませんか?報酬は金貨1枚で、プラチナランクのみです。お願いします。」
ララナは毎日ギルドへ来ていた。そして誰かが通りすがるとその言葉をかけた。物凄く強いプラチナギルドメンバーを募集するためだ。
「は?プラチナランク?ブロンズの間違えじゃね笑。」
そう言われても、私はめげず、声を掛けた。
その理由は10年前にあった。
◇
「いやーーーーーー!」
「逃げろ!!!」
きっかけは、ララナが8歳の時、ダンジョンが崩れ、モンスターが飛び出して来る非常に危険なダンジョン崩れが起こったからである。
「ママ、どこ行ったの?」
ララナは衝撃で来た煙に巻き込まれて迷子になってしまった。
普通は有毒性のあるダンジョンの煙で生き残れる8歳は居ないが、幸いララナの驚異的な体質により生き残ることができた。
しかし、たまたまモンスターと遭遇してしまった。
「ぐぐぐぐぐぐるるっふるるるるる」
「ええええええええええええええええ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――んんんんんんん!」
「グルルル!?」
ララナはモンスターが驚いている隙に逃げた。
だが、このままでは命が危ない。ララナはなにも持っていないからだ。そのことを本能で悟ったララナは立ち尽くすことしかできなかった。
その時、声がした。
「大丈夫!?えっと…迷子届を提出するしかないな。よいしょっと!」
そう言って、その声の主はララナを運んだ。
◇
3日後、ララナは無事に保護された。
「ララナ!!!!!!!!ぶ、無事で良かったっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ママ、あの人だれなの?」
「冒険者さん。」
「ママ私ね、ぼうけんしゃさんになりたい!」
「……………え?」
◇
「ママ!私、ギルド登録したい!強い冒険者になって役に立ちたいの!お願い!」
ララナは12歳になっても毎日のようにそう言った。
なかなか収まらないララナの話に見かねた母が口を開いた。
「いいわよ。でも18歳にならないと登録できないの。それまで待っててね。」
「分かった!」
それからララナは1度も冒険者について触れなかった。
◇
あれから何も言わないままララナは18歳の誕生日を迎えた。
「お母さん、いつギルド登録しにいく?」
ララナは急に話し始めた。
「結構早めがいいかな。だってずっと楽しみにしてたからさー。できたら、今日がいいな、お母さんはいつがいい?あとさ、18歳以上20未満は親と一緒に登録しないと居ないってやつね笑。ちょっと恥ず」
「ふざけないで!なんでそんなこと言うの!?危険なのよ!命が無くなる可能性だってあるのに!ようやく忘れてくれると思ったのに!なんて子!」
母は反射的にララナを殴った。
「いたっ!…忘れるわけない!助けがなければ私はここに居なかった!命を助けてもらったの!わたしはどうしても行きたいの!酷いよ!」
「なら!ギルド登録していいけど、条件があるわ!プラチナランク以上の人を集めなさい!期限はないわ!それができたら、1日だけダンジョンの旅に出ていいわ!」
「プラチナ!?そんな……しかも1日だなんて!」
それが始まりだった。
ララナはギルド登録をした後考えた。どうすれば登録して何もしれいない小娘が、入れてくれるようになるのかと。ギルドで魔法を練習した。本を見て口調も変えた。手伝いをしてお金もためた。みんなが喜ぶような言葉を身に着けた。上辺の余裕を身に付けた。1年かけて、できることを何でもしたのだ。
そして、余裕を身に着けたララナはギルドへ行った。
「こんにちは、ギルド登録を1年前のしたララナ・フォーレンです。依頼を提示しても宜しいでしょうか。」
ララナは上辺全開で話しかけた。
「……、確認しました。随分雰囲気が変わりましたね。では、依頼をどうぞ。」
受付嬢にも怪しまれてしまった。まあ、仕方ないか。
「プラチナランクの冒険者を1名募集しています。…1日限りで、金貨1枚です。」
プラチナランクは誰もが憧れる最強の役職だ。規制はないが、金貨でも値段は釣り合わない。
「本当に宜しいのでしょうか?」
訝しげに受付嬢はこちらを見た。
「はい。」
だが、ララナは平然と返した。
発行はされたが、見るのはランクの低いブロンズ以下の人だけだ。
プラチナの文字を見ると驚いて去っていく。
その反応を見て誰も近寄らなくなってしまった。
理由はよく分かる。値段も釣り合わないし、そもそもプラチナすらあまり見たことがない。
ララナが俯くと、女の子が声をかけてきた。だいたい同年代ぐらいに見える。
「大丈夫?」
女の子のプレートはプラチナだった。
あまりの驚きにララナは固まってしまった。
でも、これはチャンスだ。
「あの。1日、冒険一緒にしませんか?」
ララナはつい反射的に声を出した。
「いいよ」
即答だった。
「え、ありがとうございます。」
分かりにくいが、あまりの驚きに少し上辺が剥がれた。
「敬語使わなくていいから。私はポレナ。」
淡々とポレナは言葉を紡ぐ。
「はい。……うん。なんて呼べばいい?」
ララナは夢心地のまま返事をし、冒険証に目を向けた。
(いや、21歳なの!?プラチナなんて凄い!)
「ポレナで」
こうしてララナとポレナは出会ったのである。
そして、ララナたちが旅に出たすぐのことだった。二人がのんびりと歩いていると、街の人々の顔が一斉に引きつった。うっかり街のシンボルである銅像をポレナが割ってしまったからだ。
「あ、あれ……ま、間違えた?」
ポレナは慌て出した。
ララナはとても困惑した。
「……いや、大丈夫だよ、こんぐらいは」
ポレナは適当に流した。
「そう?じゃあ……だいじょうぶ、だ……よ……………ね?」
ララナは思わず固まった。
「ま、いいよね。そんじゃ、帰ろ。ほら!」
「うん」
ララナは取り繕った。
(え?うあ、い、いやいや、体掴まないでっ!いやだめっ、だめだからぁあっぁぁぁぁぁぁ!!)
うん、あー靴、靴がぁ!!待って引きずらないで靴が取れるマジやめてお願いします!!!怖い!
「靴、取れちゃうから。」
「あーうんわかった。じゃあこうしよう」
ララナは宙に浮いた。否、今にも飛びそうだ。
「よいしょっと、ていや」
(やめてえええええええええっぇぇっつつつつぇぇっぇ!)
ぽーん、あ、飛んでいくなぁ、自分の身体が……。
「ごめん!靴片方落ちてる。適当に投げとこ。」
痛い!靴にぶつかった!背中が!え、これ落ちるよね?まずい、ここ海!
ここで魔法使ったら生態系が崩れる!!でも使うしかない!助けてぇぇぇぇぇぇ!えい!飛行魔法!でも風の圧力で砂地に…………!あれ、誰も居ない?そうだ、ここ誰も住めない危険区域だった!え、なんか意識が……あ、そうか。
住めなくても…………狩り場と…………している、
最強モンスターが…………………………いるんだった…………………………
目が覚めると声が聞こえた。
「ようこそ!!!美味しくなぁれ!いただきま〜す!」
待って、ここ何処!?
しかも詠唱しないと倒せないのに、なんで私食われそうになってんの!?
魔法は詠唱するほどに威力が上がるのだ。
私ほどでも絶対倒せない。
(はぁ……死ぬ前に、あの気になってた人に、一度だけ、会っておきたかったな……)
もういいや……、最後に私はララナ。これから死にゆくもの……。
よし、魔物が油断したぞ!
私は杖を振り上げる、そして投げつける!
魔物は消し飛んだ。
倒せた〜。
……………………!?なんで!?
「ララナ!大丈夫!?」
ポレナの声が聞こえた。
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