1-9. 数のグラフによる表し方:The graphical method of representing numbers
夕食のあとの静かな時間、私は透のノートに一つの点を打ち、そこから右へと伸びる矢印を描きました。
「ねえ、透。さっきまでは『数』そのものを考えてきたけれど、今度はその数を『目に見える形』にしてみましょう。それが今回のテーマ、『数の図的表現(The graphical method of representing numbers)』よ。」
私は、直線の真ん中に「O」と書き、そこを「原点」と呼びました。
「まず、直線を一本引いて、どこかに基準となる点『O』を決めるの。そして、どちらの方向がプラスかを決める。普通は右側をプラスにするわね。こうしてできた線を『数軸(axis)』と呼ぶのよ。」
「この線の上では、どんな数も一つの『場所』として表せるの。例えば『3』という数は、原点Oから右に3ユニット進んだところにある点A。逆に『-3』なら、左に3ユニット進んだところにある点B。こうすれば、数字がただの記号じゃなくて、目に見える『位置』になるでしょう?」
透は興味深そうに、定規で目盛りを書き込み始めました。
「お母さん、これなら数の大きさが一目でわかるね。右にあるほど大きいんだ。」
「その通り! そして、この考え方の素晴らしいところはね、どんな実数にも必ずこの線の上に『住所』があるということなの。整数や分数だけじゃないわ。あの終わりがない無理数だって、この線の上にちゃんと自分の場所を持っているのよ。数軸は、数という目に見えない世界を映し出す鏡のようなものね。」
私はさらに、二つの点の間の距離について教えました。
「もし点 A_1 の住所(座標)が x_1 で、点 A_2 の住所が x_2 だったら、その二つの点の間の長さは | x_2 - x_1 | という引き算で計算できるの。例えば -3 と 7 の間の距離は、7 - (-3) で 10 になる。図で見ると当たり前だけど、数式でもちゃんと説明できるのよ。」
透はノートの数直線をじっと見つめ、指でその上をなぞりました。
「数が線になった……。じゃあ、平面になったらどうなるの?」
「ふふ、それは次のお話ね。世界は線から面へ、そしてもっと広い空間へと広がっていくのよ。」
私はランプを少し明るくして、次のページの準備を始めました。




