2026年1月15日(木曜日)
4時40分に目が覚める
『少しも、綺麗な愛じゃない』
第5章 魔物
ep.47を書き始めたのだが、
水谷誠司が、プロットに反して
勝手に動き出した。
イタタ。
えー。
この話どうなるんだ?
ep.47思い出の爪痕
水谷誠司は、明日人に向かって
「出かけるぞ」
無表情に話しかけた。
「やっぱり公園行くの?」
水谷は、嫌悪で眉間にシワを寄せた。
「あんな場所、行くわけないだろ」
「えー。ケーチ! さっきは、公園行くって言ったじゃん!」
「もっと良い所へ連れてく」
「どこ?」
「博物館」
水谷は、明日人と二人きりにならないよう、外出することにした。
明日人は博物館と聞き、飛び跳ねた。
「ヤッター! 準備するね!」
弟は、泥の中に沈みニヤニヤしている。
水谷は、明日人が出かける準備をしてる間に、トイレにこもって、欲望を吐き出した。
――明日人の周りの大人は、俺も含めてクソしかいねぇ……。
それでも、明晩までは明日人と一緒にいなければならない。
水谷が明日人を拾った日と比べ、いくぶん身なりはマシになったものの、明日人が、ほぼ一人で生活しているのは変わらない。
――明日人は、確実にどこかで俺のように歪む。
笑顔が消え、悪意に気が付き、大人に対して、憎悪や不信感を持つ。そして、悪意による痛みにすら、鈍い化物に変わっていくのか? 電車に揺られながら、水谷は暗澹たる気持ちで、明日人を見つめていた。
時計を見ると、午前九時を指していた。
昼になったら、青葉森林公園に『保護者会』のメンバー達が集まってくる。
物理的距離を離したことで、明日人が獲物になることは回避できた。
だが、明日人を離したことで、別の誰かが、あの公園で犠牲になる。
――明日人さえ、守れれば良い……。
汚泥の中から、嘲笑う声が聞こえたが、水谷は気が付かないふりをした。
国立科学博物館は、夏休みの家族連れで賑わっていた。水谷は居心地悪かったが、明日人は目を輝かせて、特別展示を見て回った。
「アーシュ!」
突然、館内にいた女児が、明日人に向かって駆けよってきた。
「咲希ちゃ……水谷さんも、来てたんだ……」
「うん。今日は、家族できたの」
小学校高学年くらいの男児が、咲希に追い付いた。
「アーシュと、話したら駄目だって言われただろ?」
「学校で話したら駄目だって言われたけど、博物館だから、いいでしょ? 私、ずっとお話したかったのよ」
水谷はどういう状況なのか飲み込めず、明日人の顔色を伺った。
「優真くん、お久しぶり」
明日人が挨拶した優真という子は、無言で立ち尽くし、両親とおぼしき夫婦を見つめた。
「一緒に見て回りましょ? お婆ちゃまを偲んで来たの」
「そうだね。みーやんはよく、ここに連れてきてくれたもんね」
咲希は明日人の手を引いて歩きだした。
こんな話、書く予定なかったのにな。




