君がいうのなら書き続けるよ (俳句七句)
七つの歌になります。
一. いつか書く
思いをためた
言葉つむ
二. 路傍の花
ひとり眺めて
ほくそ笑み
三. 張りさける
のせた気持ちと
ながる雲
四. 似ているね
詩的に泣いた
秋のゆめ
五. ほらあった
一度は捨てた
かみのやま
六. 変化する
春芽の鼓動
枯れたまま
七. 時がたち
物書き連ね
悲憤やむ
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公式企画「俳人・歌人になろう!2023」参加作品です。
▼小説家になろう 公式企画サイト
https://syosetu.com/event/haikutanka2023/
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一の句
『言葉つむ』 思い浮かんだ話しのメモや書いた原稿を積む、紡ぐ作家の姿を表しています。二の句、六の句と連想して、摘むや、四の句、五の句から詰むと想像されるように、『つむ』を平仮名にしました。
二の句
今は見向きもされない道端の春の花。計画通り進んでいると、ひとり笑いする有り様です。詩人のタイトルにも使われてますね。現実にいると、危ない人に見えますが。
三の句
期待に胸いっぱい膨らませた思い。流れる雲を読む人々の流行りと、移り変わる気持ちを表しています。『ながる雲』は六の句の『変化する』 に結びつけようと思いました。
四の句
詩的には指摘に泣かされた、私的に泣いたという意味を含めています。作家らしくあえて『詩的に』として、落ち込む様子が浮かべば······と思います。
五の句
捨て切れなかった夢として、一の句と繋がっています。四の句に『ゆめ』を使い一度は捨てた宝物としたくて、『かみのやま』にしました。紙、神ですね。
六の句
『春芽』は才能や春の青臭い草花の勢いと枯れた才能を対比したくて、新芽ではなく春芽にしてみました。流行りの変化で出る芽もあると、枯れたままではない事の意味を含ませました。
七の句
締めの句となります。色々と考えるのを止め、物語を書き連ねるうちに嘆くのをやめた作家の姿を詠んでいます。
七つの句のはじまりをいろはにほへとにする事で、咲き誇る花と、移ろいゆく世の中、散ってゆく様が暗喩出来たかなと思います。
またこの七つの句は、先に投稿した読み手側への作家の返歌になります。恋愛の歌ではないので、本来の意味の返歌と違と思いますが。
紙媒体とインターネット媒体とでは、時代背景が合わないのですが、そういう野暮は言わないであげてください。
せっかくの機会なので俳句にも挑戦してみました。
いろは歌だけに、終わりの文字に魔業ならぬマ行が潜んでいます。
読んでお楽しみいただければいいね! と思います。