第095話 ギルマスからの依頼
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ギルドへの報告を終える。
結局は俺達が行ったことは何もないが、エイジオと遭遇してリザードマンの討伐を見届けたことを伝えておいた。
ギルド職員は、なぜ討伐に参加しなかったのかと聞いてくる。
俺達の身に起こった状況を知らないからこそ聞いて来たのだろうが、タイミングは悪いな。
誰かが心を乱す前に適当な言い訳をしておく。
「あの皆様方にギルドマスターからお話があるそうです。」
こちら側としたら、今は帰って心身ともに休息を取りたいところではあるが、ギルドマスターからの指示であるなら逃れられないだろう。
仮に断ったとしたら、何かしらの処罰でも受けることになるのだろうかとも考えながら全員で職員の案内に従う。
「こちらが応接室になります。こちらでお待ちください。」
案内されたソファーはふかふかだ。
それに俺達は全員で7人いるが問題なく座れるほどの数が用意されている。
少なくとも10人が座ることは想定されていそうだ。
「待たせて済まない。君達と話がしたいと思い、お時間をいただいている。既に会ったことのある人もいるようだが、私の名前はグランガ。ここのギルドマスターだ。」
こちらの方を少しだけ見るグランガ。
俺がいることを確認しているから、既に会ったことのある人がいると強調しているのだろう。
けれど、俺からしたらまともに言葉に交わしたわけではないので会ったことになるかも怪しいと思うけどな。
「それで要件はなんですか?何か僕達がギルドの規約違反を犯したとかですか?心当たりはないですけど。」
「君達はアロットの国王から召喚陣で呼ばれたみたいですね。内容は魔王を討伐するためにでお間違いないですか?」
「それがどうした。他の国だって似たようなことをやっているんだろ。」
「えぇ、もちろんですよ。こちらと他の世界を繋ぐ召喚陣はどこの国だって行ってきています。元々魔王が誕生したのだってそれが原因と言われているぐらいですからね。」
魔王の誕生が召喚陣によるものだと。
ということは、元々はこの世界にいなかったはずの魔物や魔族を呼び出してしまった奴がいるのか。
それが本当であるならそいつは即刻死刑にでもなっただろうな。
「話の道筋が逸れてしまいましたね。魔王というのは人間の生活を脅かす悪しき存在になっているのはご存知かと思います。なので、私ギルドとしてもその活動を全面的にバックアップできればなと思いまして。」
なんとも上手い話があった物だ。
俺達が勇者という肩書きを持っているからという理由でギルド側からの支援があるなんてな。
完全に何か裏があると思ってしまうのは悪い癖だ。
「つきましては、こちらから勇者様方にあって依頼を見繕わせていただこうかと。」
「それが目的ならそういえばいいだろ。」
「こちらも一応ギルドマスターの身分でありますので、強制はできませんから。」
「好意だと言えば受け取るとでも?」
「えぇ、何せ秘宝に関する依頼なので。これで興味が湧いてきたでしょ?」
こちらが秘宝を探しているのは調査済み、いや周知の事実だったのかもしれない。
それが本当に秘宝が入手できる依頼なら喜んで受けただろう。
しかし、グランガは言葉を濁して関連のと言った。
「近辺にあるはずのエルフの村を探して欲しいのです。」
エルフの村探しか。
前回、意地でもエルフの奴隷を欲しがっていたのを見ると、これがギルドとしての正式な依頼なのか、個人的なグランガとしての依頼なのか判断できない。
「これはあくまでもギルドとしての依頼ですよ、イチノセさん。」
「俺はまだ何も言っていないが、確かにグラガスの個人的な依頼だとは思っているな。エルフの奴隷を欲しがっているのを見ていたんだ、仕方がないだろ。」
「まぁ、ここから少し遠くにある森に行ってもらえれば分かります。ちょっと行方不明者も増えてきているので注意してくださいね。」
さらっと危険なことを言っていたが、秘宝のことが本当ならいく以外の選択肢しかないだろう。
詳細を聞いて、応接室を後にする。
どうやら、エルフの村までの安全なルートの確保が出来ればいいらしい。
秘宝のことに関しては、自由に調べてもらって構わないが報酬は出ないようだ。
「秘宝のことに関しては俺達にとっても大事な情報だ。しかし、エルフの村までのルートを完成されてしまえば、間違いなく悪用してくる者もいるだろうな。」
「1人あたり3億ゴールドはくだらないって言ってましたからね。稼ぐにはとっておきでしょう。」
「その森って冒険者が行っても帰ってきてない人が続出しているんですよね。だったら、私達だって無事に帰れる保証なんてどこにもないんじゃ。」
冒険者がどれほどのレベルだったのかは分からないが半端な奴らではないだろう。
それでも行方不明になるのは、エルフ達が何かをしているってことだ。
「対策が必須のようだ。明日、ギルドに行って際に情報収集をしよう。」
「分かりました。でも、本当に悪用されてしまうなら。」
「それはあったエルフに直接聞けばいい。まともに話をしてくれるかは別だけどな。」
エルフが人間を見たら迷わず攻撃をしてくるはずだ。
そこから対話までに持っていくのはかなり苦労するだろう。
「では、今日はここで解散しましょう。」
その一言で俺達は各々散っていく。
俺も少しだけ外の空気を吸ってから寝るとしよう。
宿屋の外に出ると1人の人物がそこにはいた。。
「やっぱりここの宿に泊まっていたのか。」
「フウライか。こんな時間にどうしたんだ。」
「忠告しに来た。エルフの村に行く依頼は受けるな。罠だからな。」
「どうしてその情報を知っているのか聞きたいが、今はやめておく。それでなぜ依頼が罠だと言い切れる。」
「俺はギルドのことで知らないことはないからな。」
親切な忠告をわざわざこんな時間に、自らの足で宿に来てまでしに来たと言うのか。
「それが本当だったとしても、行かないといけない理由がある。」
「なら、俺も連れて行け。」
「依頼が俺達を陥れる罠だとすれば、A級冒険者のお前を巻き込むような真似をギルド側が許すとは思えないな。」
なぜ、こんなにも取り乱しているのかが分からない。
何か隠しているようにも思える。
「説得は俺からしておく。それで同行に許可が出たら一緒にエルフのいる森へ行っていいんだな。」
「むしろ、歓迎だ。A級の冒険者が1人でもいれば大幅に戦力強化に繋がるし、攻略できる確率も増えるな。」
戦力になるのは本当の話だからな。
こちらの依頼を妨害してくる可能性も十分に考えられるが、もしも秘宝の情報が入手できないと判断したらすぐさま撤退すればいい。
俺達の第一優先はギルドの依頼を達成することではないからな。
「隣いいか?」
まだ何も返事をしていないのに、俺の横に座るフウライ。
そして、ポケットから取り出したタバコに火をつける。
「イチノセも吸うか?」
「いや、遠慮しておく。タバコは健康に悪いからな。」
「それは耳が痛い話だ。」
タバコを吸い終わる数分はなんの言葉もない時間が続いた。
今までの情報を整理して、どれが本当でどれが嘘か見極めるのは大変そうだ。
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