第092話 冒険者の心得
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「どうやら、この街に1ヶ月前までベルゼはいた見たいだ。しかし、その後の消息は途絶えてしまったから探すにしても手掛かりがないな。」
「どうするんだ。せっかくここまで追ってきたのに諦めるのか?」
「俺達が持っている秘宝の数は2個。魔王討伐に必要なのは後1つだから、時間的には余裕がある。しかし、ベルゼに会って知れるのはここに飛ばされた時のことや前の世界での記憶ぐらいだしな。」
「ベルゼの行動は何か意味を持っているのではないでしょうか。それなら、この街と関係する何かが理由で次の街へ移動した可能性も高いですね。」
上野の提示した可能性が1番高い。
それに子供達をここで奴隷として売り飛ばしたとも考えにくいので、遠くまで移動するのは難しいのではないか。
そうなると地図で周辺の地域に絞り、ここの街と関連性を考えば答えが出るかもしれない。
仮にそうでなかったとしても秘宝探しに切り替えればいい話だ。
どちらにせよ、秘宝もベルゼも情報が少ない。
この街ではまだ動かないといけない理由が多いな。
「で、一ノ瀬さんは何をしていたんですか?」
「地図にローと記載されている地域に行った後に少し奴隷オークションを見に行った。」
「地図には書いてあったけどよく近づこうと思ったわね。明らかに危険そうだったでしょ。」
「別にしたことがあった訳じゃないし、それに何事もこの目で見ないと信じない立ちだからな。」
呆れた顔でこちらを見てくる宮武。
言われた情報をそのまま信じれるほど心が綺麗ではないからな。
「それでどうだったのよ。」
「どうって何がだ?」
「ローに指定されていた区域と奴隷オークションの様子に決まってるじゃない。情報共有の場なんだからしっかりしてよね。」
「ローの区域は奴隷寸前の奴らが沢山いたな。そして、人が来たら一斉に群がってくる。金や食事を要求してくるからまともな生活を遅れていないのは言うまでもないな。奴隷オークションの方は酷い有様だったな。男性の奴隷は戦闘用が多かったが、女性は用途が多すぎて金額もその分高い印象だ。それにオークション利用者の多くが男性だったこともあって売れるのはほとんど女性だったな。」
「想像するだけで吐き気がするわね。気持ち悪い奴らだわ。」
嫌悪感を示す宮武だったが、俺はあの異様な光景に何も思わなかったと言うことは黙っておこう。
原因はこの世界に慣れすぎたことか、それとも何か他のことか。
自分でも異様と思えなかった自分が恐い。
俺達はいずれ記憶と取り戻し覚醒者になる可能性がある。
その時の俺は果たして今までの俺と同じと言えるのだろうか。
これ以上はどれだけ頑張って想像もできない未来だから、考えるのはやめておこう。
「そういえば、そこでギルドマスターとA級冒険者に出会った。」
「ギルド関係者が奴隷オークションですか。この国なら違法じゃないからと言って褒められた行為ではないですね。」
「戦闘用の奴隷でも探したんじゃないの?どうせ、実力も金に任せた大したことない奴よ。」
「それはないだろうな。奴隷を買うのだけで4億を簡単に出してきていたからな。ギルドマスターも似たような額だったし、儲けがあるんだろう。」
「よ、4億ですか。そんな大金あったら一生遊んで暮らせますよ。」
「わぁー!4億あったら何に使おう!」
あまりに現実味のない金額に驚愕する小原と清水。
確か1日でその額を使えるということは総資産で考えればもっとあるということだろう。
いつかのタイミングで探りを入れてみたいところだ。
「で、その奴隷はどんな人だったの?その人達が4億出すくらいだから元冒険者とかかな?」
「井村の予想は外れだ。そもそも人間じゃない。エルフだエルフ。」
「エルフですか。この世界にも存在していたんですね。」
「滅多に見られるものじゃないと言っていたな。」
奴隷について聞かれたことを説明していたが、俺も詳しいわけではないので詰まる部分が多い。
それにこれ以上その話をしても今後に繋がることはないだろう。
誰かが明日以降のことを話合おうと提案したことによって、ようやく話が進展する。
「ギルドにA級が2人以上いるとなるとそっちも気になるな。」
「戦闘訓練も兼ねてギルドに行ってみますか?この街なら報酬もそれなりに期待できそうですし。」
「まずはA級冒険者との接触か。他に気になることはあるか?」
「この国だけ奴隷制度が採用されているのも気になりますね。何か裏があるとしか思えないですから、僕が個人的にでもいいので調べようと思います。」
「後は次の目的地を決めるための情報収集をすることも忘れないでね。」
少しではあるがタスクが生まれたので次の目的地が決まるまでは、ここに滞在することになりそうだ。
その間に何もないことを祈りつつ今日は解散となった。
夜の街は明かりが途絶えることがない。
どこかで必ず笑い声が聞こえてくる。
下品なものから、上品なものまで金を持っている奴らの種類は様々なようだ。
もちろん横には奴隷が当たり前のように待機している。
これでは奴隷の自慢合戦だな。
身なりを綺麗にさせるのも、丁寧な礼儀作法を教えているのも自分の見栄を張るためのもの。
「これでもまだマシな方だな。あっちの冒険者の奴隷は地獄のような扱いを受けている。」
「それもそうですよ。僕は今日一日やることもなかったので先に依頼を受けてきましたが、彼らの奴隷が魔物にやられてましたからね。相当怒りが溜まっているんじゃないですかね。」
当たり前のように俺の横に座っている上野。
俺が1人で夜にしっぽり飲み直すついでに街の様子でも探っておこうと思ったが、上野がいるとしっぽりと言う訳には行かなそうだ。
「気にせず呑まれていいんですよ。僕はもちろんソフトドリンクを飲みますから。」
「いや、気分が変わった。軽く食べて俺も宿屋に戻ることにする。」
「次の覚醒者が誰か気にならないんですか?」
挑発的な発言をいきなり畳み掛けてくる上野。
その発言は誰が記憶を取り戻すのか分かっているような口ぶり。
自分がその境遇に立ったからこそ分かるものなのだろうか。
「なぜ、今それを言うんだ?」
「本当に知っているのか。とは聞かないんですね。」
「それを聞いてもお前じゃ答えてくれそうにないからな。」
「次は、井村茂範。彼がこの街で記憶を取り戻しますよ。」
「根拠はどこにある。それをはい分かったと頷くほど俺も純情じゃないぞ。」
「それは、彼が・・・。やめておきましょう。答えを先に知ってしまうクイズほど面白くないものはないですから。」
ここで悪戯な笑みを浮かべて言葉を止める。
俺が気になっているのを知っていてわざと止めたとしか思えない。
しかし、俺もそこまで構ってやる義理はない。
ここでの話は聞かなかったことにして生活すればいいだけの話だ。
あれはあくまでも上野の妄言に過ぎなかったのだと。
飲食店で軽い雑談をしながら小腹を満たしが、上野の言葉がずっと胸に突っかかる。
気にするなというのは流石に無理があったか。
ここで予言を始めた上野の心理と井村が記憶を取り戻す根拠。
上野の挑発通り、俺1人の力で必ず探しだしてやると決意した。
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