第091話 オークションデイ
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出てくる奴隷は男が多かった。
そして、そのほとんどが戦闘用という名目で売買されている。
「ここで売られる戦闘用の奴隷はもちろん名目上だけだ。まともに戦いを経験したことはないな。」
俺に説明をしてくれることになった男は、フウライと名乗った。
自ら解説を名乗っただけあって知識は豊富のようだ。
直接この目で確かめなくとも毎日ここへ通っているのが分かるな。
ただ、優しくしてくる相手こそ注意しろと今までの経験で覚えた。
何か裏があるのではないかと思いながらも素直に疑問をぶつける。
「そんな奴をオークションに出して売れるのか?」
「良い質問だ。お前の考え通り、よっぽどな金持ちか素人しか買っていなかないな。」
「売れ残ったら無惨な末路が待っているとかじゃないよな。」
「あははは!そんな金になるものを捨てる馬鹿はいないだろ。貸出として使われるのさ。奴隷になった方がマシか、貸出として生きるのがマシかはなってみるまで分からないだろうな。」
どちらにせよ生き地獄のような生活が待っているのは間違いない。
それに、戦闘用ということはその分死ぬリスクも高い。
雑な扱いを受けて、疲れ果てた戦闘の中で死んでいくのはあまりに悲しい末路だ。
「ほら、次は女の奴隷だ。見てろ、変態共の争いが見れるぞ。」
次に出てきたのは、フウライの言った通り女性の奴隷だ。
男性と違い身につけている服はやけに面積が小さく、身なりは意外にも綺麗に整えられている。
ローの区域で見た女性とは大違いだ。
これも奴隷を売るための策の1つなのだろう。
ここにいる金持ちは男性が多いからなのか、先程の戦闘用奴隷の時と違い次々と落札の札が上がる。
中には500万ゴールドを提示する物まで現れた。
「あれは情報持ちじゃないな。なんたって今日の目玉はあんなのじゃないからな。」
「情報持ちっていうのは事前に情報を仕入れている奴らがいるのか?」
「そうそう、俺みたいにちょっとコネがあると情報なんてすぐに回ってくんだよ。でも、目玉の奴隷はあんな額じゃ収まらないから勝負にすらならなかったと思うけどな。」
オークションはどんどんと進んでいくが、男で買われるのが全体の4割。女性でも、6割程度だ。
もっと激しい落札の勝負が見れると思っていたがどうやら違ったようだ。
少し残念そうにしているのを見て、俺が何を思っているのかを察したのか言葉を掛けてくる。
「もっと白熱した競合いが見れると思ってたんだろ?普段ならこんな日は当たり前にあるぜ。でも、今日は最後まで残されたとっておきがある。だから、売れ行きが悪いってのもあるんだ。」
大物が奴隷として入った場合はこうやって最後まで出さないで客を居座らせる手法を用いているのだろう。
その中で妥協できる奴隷があれば売れ残りを防げるだろうしな。
単純でありながらよく考えられてるよなと感心しながら、勿体ぶっている目玉の奴隷とやらを待った。
「さぁー!お待たせしました。最後までお付き合いいただきありがとうございます!ラストは本日1番人気があるであろう奴隷!エルフ族の女奴隷です!」
エルフ。ファンタジー系では必ずと言って良いほどの種族で、俺でも知っているぐらいだ。
ここの世界でも存在していたのか。
「その顔は初めて見るって顔だな。俺も奴隷としてしかお目に掛かれない種族だからな。種族全員の顔が整っていると言われ、人間の子を身籠れば子供も美男美女に生まれるので人気。戦闘を行わせれば、魔術や弓術の実力が人間では到達出来ない領域にまでなるから人気。そうじゃなくても、出会うことすら困難だからコレクションとしても人気。最後に相応しいってわけだ。」
説明させただけでも、圧倒的に人間の奴隷より優れているのが分かる。
エルフを狙った誘拐組織がいても可笑しな話ではない。
現にオークションに出されているエルフはどうやって連れてこられたのだろう。
人間とは違い借金などの理由はないはずだ。
そんな考えを張り巡らせていると競合いはスタートしている。
「1000万ゴールド!」
最初の金額からかなりの高額になっている。
それも今まではどの奴隷にも興味を示していなかった人だ。
他の人もそう言う人が多いだろう。
数分もしないうちに金額は5000万ゴールドまで釣り上げられる。
ここで全く参加する意思がないと思っていたフウライが競合いに参加し始めた。
「1億。」
たった一言だけだが、会場は騒然としている。
俺の方を向いてこれで本気の奴かどうか篩に掛けるんだよと言っていた。
確かに先程までは至る所から上がっていた声はフウライを含めた3箇所に絞られる。
「まーた、あの2人かよ。今日は忙しいと思ったんだけどついてないな。」
「有名な奴なのか?ここの街を拠点にしているA級の冒険者とここの街のギルドマスターだな。ギルドってのは儲かるからな。あの2人とはまともに勝負できないぜ。」
A級の冒険者に会うのはアロット以来か。
それにギルドマスターも参加しているとはな。
ここの街を拠点にしているということは奴隷制度を支持しているということか。
あまり碌な奴ではなさそうだが、それは俺達が元いた世界の価値観であってこちらとは違うのかもしれない。
「見てろよイチノセ。あれが金持ちの殴り合いだ。」
どんどんヒートアップして釣り上げられる金額。
それに伴って口論も激しさを増していく。
「おいおい、ギルマスであるグランガさんがここで油売ってて良いのかよ?3億1000万。」
「エイジオ。君の方こそ、私が頼んだ依頼はどうした最低でも10日は掛かるはずだが。3億4000万。」
「この為にわざと依頼を頼みやがって、5日でクリアしてやったての。4億。」
「む、そうか。あの依頼を5日でか。仕方ない、今回ばかりはその働きに免じて譲ってやろう。」
決着はエイジオと呼ばれたA級冒険者の勝ちだったようだ。
「普段から目玉の奴隷はあの2人が独占か?」
「まさか、そんなことしたらここの商売が続かないだろー。あの2人は、かなり落札する奴隷は選別してここに来るんだ。今日みたいな日はなかなかないから立ち会えたのはラッキーだと思うぜ。」
最後にエルフに視線をやると目が合ってしまう。
その目は生きることを諦めた奴の目。
これから先の扱いは良くなることの方が少ないだろう。
「おーい。フウライじゃねーか。」
「やべっ、見つかった逃げるぞ。」
「どこへ逃げるつもりだ?ソロA級冒険者、紫電のフウライ。」
どうやらこの2人とは知り合いだったようだ。
しかも、ソロでA級冒険者になったということはありえないほどの実力者であることは言うまでもない。
そこまで実力者がわざわざこんな場所で素人への解説係をやっているとは思えない。
何か裏があるのではないかと勘繰ってしまう。
「君がエイジオにエルフの奴隷の情報を流したみたいだな。」
「本当に調子のいい奴だぜ、俺にはギルマスには内緒にしてあるとか言った癖に。で、その隣の奴はなんだ?」
「あぁ、知り合いみたいなもんだ。」
「腰に付けてるの進化刀か。また、面白そうな奴を見つけたな。」
「イチノセ、こいつらに絡まれたら長いから今日は解散ということで。何かあったら俺はここにいるからな。」
解放された後、今日見た光景がフラッシュバックする。
この街は闇が公になっている。
それに疑問を感じなくなってしまった価値観が少し恐い。
これ以上は考えるの止めるようにして、集合場所へと戻った。
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