第090話 奴隷を扱う国 デバルツ
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朝になると騒ぎは収まっていた。
それが余計に不気味で自分達がしたことがバレたのではないかと不安になる。
この街に用は無くなったので俺達はすぐに出発する。
次の目的地はデバルツと言われる国だ。
そこにいたと思われるベルゼの跡を追う。
着々と彼の背中に追い付いているので、本人に会えるのは時間の問題だろう。
そして、聞き出すのだ。
ここに呼ばれた時の状況やこの世界での目的を。
俺達は知らないことが多すぎて知りたいことが多くなる。
その答えを持っているか別としても合うだけでも何か得られることはあるはずだ。
「お兄さん達はデバルツには何しに行くんだい?あそこは観光向けって感じじゃねーけどな。」
御者のおじさんは俺達が物珍しのか質問を投げかけてくる。
「デバルツへ行こうとする人間は少ないんですかね?結構有名な街だと聞いているんですけど。」
「デバルツっていえば金持ちの道楽のために作られたって感じのところだぜ。こんな一般の馬車乗らなくとも自分達の馬車持ってるから普段は滅多にデバルツ行きはいねぇーな。」
「噂では奴隷売買を行っているらしいですね。」
「なんだよ、奴隷が目当てか。ならよく考えて買うことだな。あの国では奴隷が認められているけど、1歩外出ればアウトだからな。」
やはり奴隷売買は事実らしい。
しかも、それは他の国では認められていないことを許可しているということか。
街の様子が奴隷で溢れかえってないことを願う。
「ほら、見えてきたよ!あれがデバルツだ!」
程なくして俺達は目的地に着いた。
ここまでたくさんの情報を提供してくれたおじさんにはチップとして多めに料金を払っておいた。
途中の情報にあったように街の様子はとにかく貧富の差が激しいようだ。
奴隷じゃなくても物乞いをするような人がいたり、それを雑にあしらうスーツを着た男性の姿があったりする。
1番最初にブラブラと歩いて宿を探しているとこの街の地図を見つけたので購入しておく。
その地図を買ってすぐに見てみると、ハイと書かれた場所とローと書かれた場所に分けられている。
それが何を示しているかなど誰に聞く訳でなくとも分かった。
地図を見ると宿屋も一瞬で見つけることが出来た。
中に入ると今までにないような内装へのこだわりなどを感じられる。
今回の宿泊分の料金を払ったが、値段も目玉が飛び出るほど高いわけでない。
「やっと休憩ですね。この後どうしましょうか。」
「今日はここに来て初日だから自由行動でいいんじゃないか?」
「俺は食事でもしながら情報収集でもする予定だ。」
「アタシはやっぱり買い物よね。ここはレベルの高い店も多そうだし期待が高まるわ。」
それぞれがやりたいことがあるようなので今日は自由行動ということになる。
俺は上野に言ったように食事ができる場所を探す。
ニペガピのように日本食を売っているところがあれば特定は簡単だけど、そこまで上手くはいかない。
仕方がないので適当に見つけた場所に入ってみることにした。
席に着くとメニューをパッと見て注文を始める。
どれも高級なメニューばかりで、中にはドラゴン肉のソテーなども存在した。
店内の様子を見ると客層も金持ちが多そうだ。
奴隷持ちの金持ちは地面に皿を置き奴隷用に作られたであろう食事を置いた。
あまりに見るに耐えない映像で、食事を手短に終わらせて店を後にした。
最後の会計の際に、店員にベルゼのことを聞くとどうやら知っているらしい。
「そんな名前の方でしたら、この店にもご来店いたしましたよ。」
「それっていつぐらいの話だ?」
「1ヶ月前くらいの話ですよ。」
かなり最近までここにいたんだ。
ベルゼとの距離もかなり近付いてきた。
店員には感謝を述べて店から出る。
ここから情報収集を本格的に初めても良いのだけど、その時間は後で設けられると思うので自分の買い物でもしよう。
本屋や魔道具屋など思いつくところには取り合えず足を運んだが、特別欲しくなるようなものはなかった。
無理に金を使う必要もないので、買い物以外のことも何かしようと思った。
そこで思いついたのが、買っておいた地図に載っていたローと書かれた場所。
隔離されているのかそこまで辿り着くにはかなりの時間が掛かった。
目の前には先程の街と同じとは思えないほど悲惨な光景が広がっている。
店というものは全く存在せず、並べられた住宅も全てがボロボロなものばかりだ。
そんな場所にきちんとした身なりの物がいけば、怪訝そうな反応をされるのもおかしくない。
中には俺の近くに来て何度もご飯を、金を、と要求してくる奴らもいた。
生活に困っているのであれば正しい選択ではあるが、それでまともに対応してくれる人間がどれだけいるか。
さらにいえばここはニペガピで借金を作ったものや他の街で食費や宿泊代などを滞納した人間が送られてくるらしい。
要因は自分にあるのだから自業自得としか思えないな。
ここの国が2つに分かれているのには理由がある。
ローと呼ばれる区域にいる人間は例外なく奴隷になる前なのである。
逃げないように監視できるような環境で生活を強いているようだ。
「嫌ッ!奴隷になるのだけは嫌なの!お願い助けて!」
地図にわざわざハイとローを分けて記載している理由がよく分かった。
立ち入った人はこのように縋られてしまうからだろう。
普通の人間なら思うところもあるかもしれないが、金持ちからしてみれば嫌悪感しかないのは言うまでもない。
「助けることは出来ない。全員を救うことも出来ないのに1人に手を差し伸べるのは偽善でしかないからな。」
その場から離れる際にお金を少しだけ落としていく。
これだけでは彼女が奴隷になることを避けられはしないだろう。
それでも残された時間だけは責めて不自由の少ない暮らしを過ごしてほしい。
言葉と行動の伴わない俺なりの正義だった。
これ以上奥に進むことも躊躇われたので元いた区域に戻ってくる。
その光景は、相変わらず金持ちの趣味の悪さが目立つ環境で数分いるだけで気分が悪くなりそうだ。
裸足に首輪を付けられている奴隷や護衛として武器を目立つように持たせている奴隷など様々。
もしも、前の世界だった俺はなんと思ったのだろうか。
明らかに異様な光景に慣れてしまった自分に恐怖を覚えつつも時間が過ぎて集合時間になるのを待った。
しかし、その待ち時間に気になる場所を見つけた。
看板には奴隷オークションと書かれていて、ここが異世界であることを強く認識させてくる。
中に入ると席が所々埋まっており、金持ちだけでなく冒険者と思われるような人間もいた。
「そこの兄ちゃん!アンタ初めてだねここに来るのは。」
「そうだ、入り口付近で周りの様子を伺っていればバレてしまうのも仕方ないか。」
「なかなか客観して物事が見れる男じゃねーか。大体はなんでとかどうしてって聞くもんだけどな。」
「それはただ思考することを破棄しているだけだろ。」
「あははは!そりゃそうだ!笑わせてもらったお礼だ。俺がここのこと色々教えてやるよ。」
「買う気はないけどのいいのか。」
「こんな中途半端なタイミングで入ってきて目の前のオークションにまだ1回も目をやってないんだ。興味だけで来たことくらい分かってるっての。」
そこまでの情報をあの一瞬で見極めていたのか。
この人が何者なのかも少し興味が湧いてきた。
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