第082話 最下層へ
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11階層は全員が予想していた通りに魔物が強くなっているのを感じる。
1匹を倒すのにも苦労するが、その間に他の魔物が来ることもあるので永遠に戦っているような感覚に陥る。
その反面、最下層までの道のりが着実に近づいているということも頭で意識しているので自然と進む足は止まらない。
「こんなに強い敵なのに不思議と負ける気がしないですね。」
「慢心するな。その気の緩みが命取りになるぞ。」
「これは慢心なんかじゃないわよ。確実に実力がついてきているわ。個人間でその成長には差があるかもしれないけれどね。」
このダンジョンで獲れたものは確かに多い。
ダンジョン内で落ちていたもので装備を整えたり、スキルを身につけたり。
そして、最も重要なのは少ない戦闘経験を養えたことである。
ここまでで戦闘はあったが、ここまで数日間に及ぶことはなかった。
常に頭には戦うということがあり、不測の事態に備える。
この緊張感が大きな糧になるだろう。
「このスケルトンナイトから骨が落ちたみたいですけど、なんかの素材になりますかね。」
「その可愛い赤ちゃんにあげたらどうだい?」
井村の言っている可愛い赤ちゃんというのは、俺の肩に乗っている孵化した魔物のこと。
起きて朝食でも食べようとしたところに、宮武に呼び止められて行ってみたら孵化していたようだ。
俺は魔物なら刷り込みとかの関係上、宮武を親だと思い込むと思ったのだが俺を見るなり真っ先に飛びついて来た。
他のメンバーには色々といじられたが、命を粗末に扱う訳にもいかないので育てる羽目になった。
見た目は子犬みたいなので将来的には番犬ぐらいの役目は果たしてもらいたいものだ。
餌は肉ばかりを食べて他のものに手をつけない。
逆に肉であればなんでも食してくれるので用意するのには苦労しないけどな。
「ほれ、肉じゃないけど犬だから好きかもな。」
試しに近づけてみると意外にも噛んでいる。
しかし、食べられるものではないと分かるとすぐに興味を失ったようだ。
「本当に可愛いですね。名前とかつけないんですか?」
俺にはネーミングセンスなどないので聞かれるまで避けて来たが、流石に名前がないのは不便だろう。
「清水がつけてあげてもいいんだぞ。」
「じゃあ、ワタとか!白くてふわふわしてるし。」
「流石に俺がワタって呼ぶのは絶えられないな。」
命名権を清水に譲ってみたが安直な答えが返ってきたので、やんわりと拒否しておいた。
別に焦って決めることでもないかと思ったので、そのまま見つけた次の階層へ行こうかと思ったが意外にも小原が提案してくる。
「ヴァイスっていうのはどうでしょう。ドイツ語で白って意味ですよ。」
「へー、なんか意味は見たままだけどカッコいい感じには聞こえるか。それにしてもドイツ語とかよく知ってたな。」
「私もペットを飼った時のためにいろんな候補を考えてたことがあったんです。」
ちょっと恥ずかしそうに語る小原。
俺には、まともな候補を上げることもできないのでこれを採用することにしよう。
「その生き物のことは後で詳しく話を聞くから今は次の階層へ移動するぞ。」
「意外にも大城の触りたかったのかしら。今度お願いでもしてみたらどう?触らせてくれるかもよ。」
「俺は動物が好きじゃないから遠慮しておく。」
この人はヴァイスの見た目には騙せれずにいつもの調子のようだ。
まさか、聞こえる範囲でそんなことを堂々と宣言するとは思ってもいなかった。
今後は大城の近くに行かせないように注意しておこう。
次の12階層は階層全体の効果なのかスキルの発動が制限されていた。
しかし、上野、宮武、大城の覚醒スキルは封印されていなかったのでやっとの思いで攻略することが出来た。
他の人はそのスキルの異様に薄々は気付いていたのか、終始不思議そうにしていた。
「3人がどういう理由か分からないけど、使えるスキルがあってよかったよ。」
普通であるなら褒め言葉にしか聞こえない。
でも、井村に限ってはありえないが皮肉が入っているようにも感じる。
「これはどうやって入手するかは言えない特殊なスキルですからね。」
「仲間でもあり、他人でもあるってことだよ。ごめんね、変に気を遣わせてしまって。」
「大丈夫ですよ。スキルについて知ることは戦力に直結するので重要なことですから。」
その話をしている間にも次の13階層に進む。
10階層を降りたあたりから、各階層ごとに特殊な仕掛けがある。
この13階層にも恐らく何か特徴があるに違いない。
「見た目では、上の階層とそう変わらないが一応【罠察知】使うか。安全性は保証されているほうが良いからな。」
大城はその言葉を発したと同時に【罠察知】を使用していた。
見た目でも分からないほどの罠が多数あると予想してたのだが、結果はどうも違ったらしい。
「となると、強い敵がいる可能性がありますね。」
「今までだってそうだっただろ。」
「それよりも下へ続く階段がないことのほうが気になるわ。」
宮武の言った通り、探索してから時間が結構経つが何も階段らしきものが見当たらない。
これが13階層。
何かをしないとこの階層よりも下へはいけないということだ。
「それなら理由はこれじゃないですかね。」
砂埃を被った壁を手で払う。
すると、壁には謎の暗号が示されている。
数字の羅列ばかりで何を伝えたいのか分からない。
しかし、日本にいた頃の知識でこれが解けるとは思えない。
俺達は最初からここで立ち止まるしかない運命だったのか。
「分かりましたので、行きますか。」
上野は答えが分かったらしく、どこかへ足を進めている。
答えを道中で解説していたが、専門的な用語が多すぎて半分以上は何を言っているのか不明だった。
着いた場所は1番最初の12階から13階に降りた場所。
こんなところに階段はなかったはずだ。
上野は地面を3回ノックしてその後、何かの呪文を唱えている。
俺はこんなことで開くのかと半信半疑だったが、本当に地面から扉が出現する。
「ほら、行きましょうよ。」
「このダンジョンって、上野がいないと詰む仕組みになっているのか?」
「僕はちょーっとだけ頭が良いだけですよ。」
どこがちょっとだけなんだよ。
これ以上の頭脳の持ち主は、この異世界を探したってそうそう現れないだろうな。
そんなことを考えているともう14階層までやってきた。
ここは何もない広場。
その先に15階層へ続く階段があることも確認できる。
「一見簡単そうに見えますが、どうやら厄介なことになりそうですよ。」
「前から魔物が出現。数が尋常じゃないから気をつけろ。」
上野と大城が見たのは大量の魔物。
しかも、ゴブリン程度の魔物ではない。
このダンジョンの下階層でしか見れないようなものばかり。
「最後の最後でこんなサプライズかよ。」
勝てない敵ではない。
時間と体力を使って1匹。また、1匹と倒していく。
この決着が着いたのは2時間も後のことだった。
「少し休憩をしましょう。この後は目標の最下層ですし、敵の強さは計り知れないですから。」
この先の戦いに備えて、全員が休息を取っている。
ダンジョン攻略もすぐそこだ。
果たして全員が生きて帰ることはできるだろうか。
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