第074話 初のダンジョン攻略へ
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「相手は知能が低い魔物だからといって油断をしないように。階層が進めば敵の強さもその分強くなっていくからな。」
「何かあったらすぐに報告するのが1番ですね。特に体力の消耗が激しいと予想される一ノ瀬さんと大城さんは序盤は後ろで控えておくといいかもしれませんね。」
「後ろの方からも指示は逐一飛ばすから安心してくれ。」
「これって意外と久しぶりの7人全員の戦闘なんじゃないですか?」
「だからこそ、油断のないように気をつけろよ。一瞬の判断が命取りになる可能性だってあるからな。」
再三に渡る注意喚起を終わらせたのちにダンジョンの入り口にまで到達する。
明らかに人の手ではない何かを感じさせる作りの横に似付かない人工的な門が1つ。
「ここは立ち入り禁止の区域だぞ。教会からの申請がないなら無断で入れないからな。」
「これのことを言っているんだろ。ほら。」
大城が荷物の中から許可証を見せる。
もちろんこれは本物ではない。
かなり精巧に作られた偽物である。
どこで本物を見たのかは疑問であるがこれを用意してくれたのは大きな功績と言えるだろう。
「そうか教会からの遣いだったか。通れ。安全は保証できないがこの間教会から派遣された1人の女は何事もなかったような顔で攻略していたし、問題ないだろ。」
あの賢者と一緒にいたやつが最下層まで精霊の鏡を運んだのか。
俺達が7人で攻略しようとしているダンジョンを1人で。
魔族の可能性が色濃くなっている。
普通の人間ではないことは確かだろう。
中に入ると外とは全く違う空気感。
日差しが俺達の肌を焼くように暑かった外とは違い、中は肌を冷たい風が襲う。
寒暖差に体調が悪くならないか心配になるが、清水の回復魔法で環境変化耐性を付与してもらっている。
味方の補助を考えると清水の右に出る者はいないのでやはりパーティにとっては必要不可欠な存在だ。
「いきなり敵が来たみたいだ。」
羽の生えた小さなウサギのようだ。
見た目が愛玩動物のようにも思えるが、見えないようになっている口の中に鋭い牙を隠し持っているようだ。
「【火魔法】”ファイア”」
相手を試す意味合いでも軽く魔法を使う上野。
しかし、ウサギは避けるでもなく向かってくる勢いのまま炎に包まれていく。
最序盤に出てくる敵である分、強さもあまり強くはないのだろうか。
落ちている死体はなぜかダンジョンの外と違い形が残らない。
まるで魂が天に昇るように消えていき角を落としていく。
落ちた角が戦利品ということなのだろう。
名前:ラピッドラビットの角
説明:翼を持ったことによって素早い走りを可能にした魔物の角。知能は全く高くないため敵を見つけると相手の方へ目掛けて一直線で走る魔物のため、その角を粉末状にして漢方のように飲むと素早さが上昇するといわれている。
スキル:なし
「ダンジョンの序盤には相応しい敵でしたね。」
「物足りなさそうだな。」
「序盤から飛ばしてはいけないことぐらい分かってますけど、このぐらいを数時間保って攻略するのもそれはそれで疲れますよ。」
言い分として分からなくもないがそれは文句を言っても仕方がないこと。
まだ、序盤も序盤の1階層。
これが10階になってくると敵の強さは別格になるはず。
そう考えると序盤は体力の温存を最優先に考えたいのは上野も理解しているところだ。
俺と大城が戦闘に立ちつつ前を歩いていると急激に魔物ではない攻撃に襲われる。
「弓矢が壁から飛んできたぞ!トラップもあるようだから気をつけろ!」
後衛に注意を促してから飛んできた矢の対処に入ろうとする。
しかし、その矢は空中に止まって動かない。
「まだ前衛が体力を使うことはないよ。ワシのスキルで対処できるからね。」
念力によって勢いを失いその場に落ちる矢。
初めて経験したトラップはかなり簡易的な作りになっている。
しかし、罠を察知できない俺達にとってはその1つ1つが致命傷だ。
「最初の問題点はトラップだったか。今のはそれほど脅威では無かったけど、下に進めば何が起こるか分からないな。」
「定番だったらモンスターハウスとかに飛ばされたりとかね。」
井村が何か聞き馴染みのない単語を言っている。
元々持っていた知識のようなので、ゲームなどでは一般的な単語なのだろう。
「それはどういうトラップなんだ?」
「あ、モンスターハウスは魔物とかが大勢集められた狭い部屋に飛ばされて強制的に戦いになるトラップのことだね。このダンジョンにあるかは分からないけど、もしものことを考えると何か対策はしていた方がいいよ。」
「元々、広いダンジョン内において逸れてしまう可能性は十分考慮してある。秘密の会話する時に使った念話のイヤリング。あれを改良した物を用意してもらった。」
どこにそんな技能をもった人間がいたんだと聞きたいが今はやめておこう。
性能としては範囲を最大限に引き上げて位置情報まで分かるようになっている。
これを持っていれば迷子になることもないし、あったとしてもすぐに見つけることができるはずだ。
その後もトラップや魔物に十分気を付けながら階段を目指す。
気力はかなり使うが1階であることもあってなのか難易度としてはゴブリンを倒した時と同じぐらいだ。
「なんかめっちゃ疲れました。程よく気を抜く方法も覚えていくべきですね。」
「そうだね。戦闘では全く役に立たなかった私でも疲労感があるもん。」
全員がここまで疲れを見せるのは誤算だろう。
この先を進めばより心的負担は大きくなる。
その前にこの環境に慣れておく必要があるな。
2階層も1階層と同様に獣系の魔物が多く、戦闘の際には苦にならずに済んだ。
問題の罠も2階層には見当たらなかった。
代わりに下に続く階段の隣に宝箱が1つ。
明らかに怪しさを感じるとは思ったが、俺が注意喚起する前には宮武が宝箱に手を伸ばしている。
俺は咄嗟に伸ばした腕につかみかかる。
何か叫んで注意しながらでも良かったがそれよりも体が反応してしまった。
「ちょっと一ノ瀬!何してんのよ、痛かったじゃない!」
「あれを見てもまだ同じことが言えるのかよ。」
俺が指で指し示した方には宝箱に見える魔物ミミックがそこに姿を現す。
宮武自身も俺に指摘されるまでは気付いてもいないかったようだ。
「何よこれ。かなり気持ち悪いわ。」
「腕が喰われなくて良かったな。」
「本当に感謝するわ。急に暴力的になったのかと思ったから声を荒げてしまったの。」
「気にするな。あれが魔物だと気付く人は少ないだろう。初見で殺されて終わりだ。」
擬態しているのが宝箱であるならなおさらである。
罠があって常にそれを1つ1つ致命傷になる一撃を放つから厄介だ。
今までの緩み切った雰囲気が一変して、真剣な眼差しに変わる。
そして、その勢いのまま3階層の攻略も済ませてしまった。
「時間で考えるなら、思ってた以上に早く3階層到達できたな。」
「この分早めに食事とかになりませんか?」
「それもそうだな。ここでかなりの疲れをリセットする必要があるだろう。」
ゴソゴソと完成させた料理をアイテムバッグから取り出す。
昼飯は食べやすいようにと思いサンドイッチを選択したが、これが正解だった。
俺は束の間の休息を楽しみながら料理の感想を聞いていた。
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