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第073話 食を求めて

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

明日のダンジョン攻略に向けた準備。

俺は食事担当を買って出たのでそれに向けた食材の調達をしなければならない。

【料理】のスキルがあるとはいえ食材の目利きができるわけではないが、そこは【鑑定】でカバーするしかない。


俺達が止まっている宿屋から材料が売ってそうな店までは歩いて結構な時間がかかる。

武器の準備などは必要がないので俺が持っていくべきのものは少ないだろう。


ただ歩くのも勿体無いと思ってしまい、店までの道のりをダンジョンのことを考えながら歩く。


エデルで初めてのダンジョン攻略になるので他のダンジョンとの比較ができない。

昨日の話を聞いた限り数日かけて攻略するのが一般的らしいので、体力的な心配も存在する。

身体的な体力はもちろんのこと、常に敵に狙われている状況では心理的な負担も大きだろうからな。


「ダンジョン内の広さも分からないが、普段の戦闘よりも窮屈に感じるかもしれないな。」


「ワシが持っているダンジョン攻略記録によるとダンジョン内での死亡理由には、連携不足が多いと書かれているな。きっと後衛の攻撃が味方に当たってしまう事故によくあるのだろうね。」


当たり前のように俺の隣にいる井村。

そこをツッコむ気持ちにもなれないので、スルーして話を進める。


「それも初心者レベルの冒険者の話だろ。」


「そうかもね。でも、後衛の人にとってはダンジョンは立ち回りが難しい見たい。洞窟系のダンジョンだったらそこそこ動きやすさがあるだろうけど、迷宮系だと通路では狙いが定まらないからね。」


「そう考えると後衛でありながら対象を選べる井村はダンジョン攻略で重宝するだろうな。」


「任せて欲しいと言いたいところだけど、あまり戦闘は得意じゃないから怖いけどね。」


「俺達で前に出れるのが大城と俺の2人だけだ。あとは、回復、魔法、スキル、魔道具だから前に積極的に出れる人がいないからな。」


「小原ちゃんが、前に出れるスキルはもっているんだけどね。」


気配遮断。

今は情報収集でしか使っているところを見ていないが、本来であるならば近距離の戦闘でこそ輝く。

急激に相手の視線から消え、急激に現れて一撃を与える。

暗殺者のような戦闘を可能にするだろうが、それは本人に戦う意志がある場合に限った話だ。


「本人も足を引っ張るつもりはないだろうが、戦闘では活躍できないだろう。もし、戦闘に参加したとしても血が見れないから近距離は無理だろうな。」


今の自分達を戦力を冷静に分析する。

改めて考えてみると前衛が足りていないのは確かだ。

誰か補強として前衛を担ってもらうしかないだろう。


「俺としては井村が前衛に来てもらってもいいんだけどな。」


これは本心から出た言葉。

あの中で前衛を担当できそうなのは上野と井村、かろうじて宮武もできるだろうといったところか。

上野が1番身体能力で見たら適切なのだろうが、近距離を担当させると魔法が腐ってしまう。


「ご老体ってことを考慮してはくれないのかい?ワシはこう見えても歳なんだよ。」


「どう見えたって老人だろ。でも、健康体そのものだし動きもその辺の中年男性と変わらないぐらいには動けるだろう。小説家でありながらも運動をする時間を設けてたんだとしたらかなりすごいな。」


「ワシのことを褒めたって何も出ないよ。それにほら店にそろそろ着くみたいだ。ここからは別々に目的のものを買うことにしよう。」


自分の用事を思い出したのか。

いや、これ以上前衛について勧誘されるのを嫌ったのが本音だろうな。


店前は意外にも人が少ない。

数少ない食料を調達できる店だから人は朝でも多いと思ったけれど、嬉しい方に読みが外れたようだ。


「やっと来ましたね。少し先に来て待ってたんですよ!」


「清水か。奇遇ってわけでもなさそうだな。」


「あれ?意外と反応が薄いですね。」


「さっき井村と偶然会ったからな。他の誰と会っても不思議じゃない気がしてたんだ。」


「それは残念ですね。食材の目利きが難しいと思ったので私も協力しに来たんです。それにメニューもある程度考えていおいた方が良いですし。なんなら、作り置きしたのをアイテムバッグに入れておけば腐らないしいいんじゃないですか?」


その発想は俺に無かった。

ある程度作っておいて、温めるだけにしておけば調理の手間を大きく軽減できる。

時間との戦いになるダンジョン内において調理の短縮ができるのは大きいだろう。


「良いアドバイスをもらった。この後、早速実践しよう。」


「料理を完成させなくても切っておくだけで便利ですよ。」


これがスキルでは埋められない普段から料理をしている人の発想というところだろう。


とにかく食材を手に取って見てみないことにはイメージがつかないので、店の中に入ってみる。

中には元いた世界に形や匂いが似ているものもあったのでそれらは安心して食べられそうだ。

問題なのは全く分からない食材が半数以上を占めていること。

これには清水もお手上げ状態だ。


「どうしますか?適当に買うのも危険な気がしますから、分かるものでなんとかしますか?」


「そうだな。分かる食材だけでも結構な料理は出来そうだから大丈夫だろ。」


結局、似ている食材を選んだだけでも思った以上の量になった。

これだけあれば数日飢えを凌ぐのは余裕だろう。

あとは7人分の食事を用意したことがないのでどれだけ大掛かりになるのかという部分が心配だ。


宿屋に戻ると店主にお願いをして料理場を借りることができた。

元の世界では衛生的な観点から断られることも少なくないだろうが、こっちの世界は親切で助かった。


「早速【料理】スキルを試してみるか。」


「それじゃあ、まずはあれを作りましょうか。」


始まった【料理】スキルの育成は、清水の指示で順調に進んでいく。

俺は普段から包丁を触る方ではないが、いままでも使ってきたことがあるかのように手に馴染む。


これがスキルのすごいところ。

何も経験がなくてもスキルさえあれば自分の力として発揮することができる。

どういう仕組みなのか気になるが今は料理に集中しよう。


そして、いろいろな準備や調理を進めていき、気がつけば時間はかなり進んでいた。

料理をしている時は時間が気にならなかったが、今後は調理時間も把握しておく必要があるな。


「清水ありがとう。ここで作業が進んだのは助かった。今でこれだけ時間が掛かったから、ダンジョン内で料理していたらもっと苦労することになっただろうな。」


「本当ですね。いつ敵が来るか分からない状態で料理をするなんて気が気ではないないですから。」


ここで少し料理についてのアドバイスをもらい。

清水は自分の準備に戻る。

自分のことよりもこちらを優先してくれたのは本当感謝しかない。


【料理】のスキルレベルが上がってLv3になっていた。

趣味スキルではあるがいつどこで役に立つか分からないからな。

現にダンジョン内の調理担当として【料理】を持っている便利だった。


スキルはこの世界で力と直結し、自分の生命線とも言えるものだ。


全員が準備を終わらせて日が暮れていく。


どう足掻いても明日はダンジョン攻略。

油断をすれば死にいたる可能性だってある。


それでも俺達の求める秘宝のために進むしかないだろう。




ご覧いただきありがとうございました!

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毎日22時から23時半投稿予定!

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