第066話 子供の笑顔
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清水は教会を出ると真っ先に自由時間を提案してきた。
毎回、これぐらいのタイミングで自由時間を設定していたので妥当な提案だ。
逆にここまで自分の気持ちをこらえていた清水に感心するぐらいだ。
「それなら絶対に1人にならないように行動するように。」
「そうね。じゃあ、上野と大城は借りていくわ。」
「行こう、小原ちゃん!あの子達元気にしてるかな。」
それぞれバラバラになって散っていく。
取り残されたのは、俺と井村。
別に気まずいペアという訳ではないが何かと一緒に行動する機会は少ないのが事実だ。
「みんな元気だね。もうどこかへ行っちゃった。一ノ瀬くんも付いていかなくて良かったの?」
「俺はこの1番の収穫があったからな。この後はゆっくり観光気分でいるつもりだ。それに複数人で動くのがルールだろ?」
「それもそうだ。ワシはここら辺で書店を探すつもりだけど、それでもいいか無い?」
「全く問題ない。ついでだから戦闘に関する本を数冊買うか。」
2人で書店を目指してぶらつくことになる。
話は今までの旅の振り返りをするぐらいだったが、意外にも自分の知らない情報があって面白い。
俺は正直ティキアの街で井村が覚醒者だと思っていた。
しかし、上野が覚醒者だったことからその可能性が限りなく低くなった。
街を少し歩いて回ったがあまり商業が栄えている印象が無い。
どちらかと言えば住宅が軒を連ねている。
そして、隣人との交流も深いらしく、家の前で談笑をしている様子をよく見かける。
この近くでは飲食店すら見つけることができそうにないので、仕方なくそこらにいる人に話しけけることにした。
「すみませんちょっとお時間よろしいですか。書店を探しているのですが、この辺にお店は全くないんでしょうか?」
人前ではしっかりと腰が低くなる井村。その辺が教養を感じる。
俺だって働いていた経験ぐらいあるが敬語をわざわざ使おうなんて気にはならなかったしな。
「お店は結構歩くわよ。何せ中心部での商業は禁止されているからね。」
「それは何か理由があるのか?」
「商業施設が栄えてしまうと欲が生まれてしまうから危険ということでなるべく外壁に近い部分にしかないのよ。これもパルーシア教の教えだから仕方ないけどね。」
パルーシア。もしかすると教会に祀られていた女神のことを言っているのだろう。
「パルーシアというのは教会に置いてあった像の女神様のことを言っているのか?」
「あら!教会に行ったのなら話が早いわ。そうよ教会にいるのが平等の女神パルーシア様よ。そして、その神託を授かっているのが賢者様っていうことね。」
この国を象徴するような女神と賢者。
女神を崇拝するこの国において神託という言葉が持つ効力はかなりあるだろう。
それを授かる賢者という存在はかなりの信頼を得ているということだ。
「彼はなぜ賢者と呼ばれているのですか?教会であるなら神父とかが一般的かと思ったのですが。」
「ここだけの話賢者様はね、死んだ人を蘇らせることができるのよ。そんなことは回復魔法ですらできないこと。つまり、あの方は神から死者を蘇らせるほどの知識を得た賢者様というこなのよ!」
死者を蘇らせる力。
それがスキルであることはほとんど間違いないのだろうけど回復魔法ではありないらしい。
そうだとするならば、あの賢者は魔族と接触した経験がありユニークスキルを手に入れたというこちか。
親切に教えてくれた主婦に感謝を述べてその場から離れ外側を目指して歩き始める。
「あの話、一ノ瀬君はどう思う?」
あの話が指すのは、流れ的に死者を蘇らせるという賢者の話。
「魔族と会って何かしらの方法でユニークスキルというのを手にいれるというのをニペガピで聞いた。それが本当であるなら恐らく賢者は魔族と会ったことがある。それが人を救うために仕方なくという場合もある。が、それとは異なる理由だった場合、この国が抱える闇は深いだろうな。」
「それはちょっと恐ろしい考察だね。しかも全くワシとは違う考察で面白いよ。」
「全く違うということは何か心当たりがあるってことか?」
「そうだよ。それもワシだけが知っている情報なんかじゃない。」
「俺も知っているということか。」
「転生者。ここに送られてきた転生者という可能性があるんじゃないかな。ステータスを確認した時に???のスキルがあったでしょ?あれってライトノベルで定番の転生者特典のチートスキルなんじゃないかと思って。」
井村はそういったライトノベルの知識も深いようだ。
記憶を取り戻した人間のみが使える強力なスキルとまでは当てられなかったようだが、ほぼ正解まで近づいている。
「でも、顔が明らかに日本人の顔じゃなかっただろ。」
「転生者は日本人だけっていうのは、この間の飲食店がたまたま日本食を出していたからそうミスリードをしただけで、本当は海外の人もいる可能性だって十分にありえるよ。」
「言葉をなぜ聞き取れたんだ。と言いたいけど、転生した時に俺達も違和感なく言葉を理解することができた。つまり、転生したら言語が統一されている可能性もあるということか。」
それならば、魔族とも接触していない可能性が高い。
しかし、それならば井村には理解できないであろう謎が生まれる。
俺達は犯罪の記憶をトリガーにしてスキルを手にいれることができる。
もしも、それとは違うことがきっかけでスキルが目覚めるのだとするならば、なぜ俺達だけ条件が違うのだろうか。
それとも、彼もまた。
「そうこうしてたら端までついたみたいだよ。結構歩いたし疲れただろうからご飯でも先に食べる?」
「書店に行ってからでもいいじゃ無いか?」
「そうかい?それならお言葉に甘えさせてもらおう。」
三度の飯よりも本が好きな井村にとっては書店を探すのを優先したいだろう。
書店は直ぐに見つかり1時間ほど店の中の本を見た。
そういえば、この間買った本はすでに読み終わってしまったから買い足しておこうと思い俺も本を買っておいた。
【読書】というスキルがあるのでより深く内容を考察できるし、読むスピードも早くなるので便利だ。
この国では時間を持て余すことがあるかもしれないから、【料理】のスキルを本格的に上げるために料理本とあまり実用性に優れていない魔法についてより詳しく勉強するために魔力に関する本を購入した。
「ワシ意外にも本に感心を持っている人間がいて本当に嬉しいよ。」
ランチを提供している飲食店を見つけたのでそこで食事をしている。
本は月に1冊読む程度だが、それでも深刻な活字離れの現代においては珍しい部類なのだろう。
「それでどんな本を買ったんだ?」
「この世界でも意外とフィクションの小説というのが多くてね。それを集めているんだ。」
その後も本について熱く語っていた。
正直、本については共感できなかったが何か熱中できるものがあるというのは羨ましくも感じた。
そうしていると清水と小原の2人と合流する。
もう子供達とは会ってきたのだろうか。
「あ、ここにいたんですね2人とも。」
「今、本屋へ行ってきた帰りで食事を。あれ?清水さん元気ないですね。子供達とは会えなかったんですか?」
「いやいや、会えましたよ。子供達が元気すぎて疲れちゃいまして。私も体力つけないとなって思いましたよ。あははは・・・ふーっ。」
表情でも大げさに疲れたという感じに見せる。
果たしてそれが本心なのか。
悪いがこの国では、清水のことは注意深く監視させてもらうぞ。
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