第065話 慈愛の国エデル
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目的の国であるエデル。
国はニペガピ同様に国土が大きいわけではないが他国に及ぼす影響は絶大のようだ。
門の外からでも見える大きな教会が国のシンボルになっているのだろう。
そして、門を越えると中には子供や老人がここの人口のほとんどを占めているように思える。
行き場を無くした人間は最後の頼りとしてここに行き着くのかもしれない。
それを受け入れる心の広さというのがこの国の特徴ということだろう。
「ここがエデル。あの子達もこのどこかにいるのでしょうか。」
清水は再開の可能性を感じて待ちきれないと行った感じだ。
目的は違うが、わざわざそれを言って止めてしまう必要性もないだろう。
しばらくの間は別行動にして用事が済んだらまた協力してもらえばいいだろう。
「俺達も最初は教会の方へ行こうと思う。その後は清水が好きなように行動していい。ただし、誰と一緒にだけどな。」
大城からの提案は自由に行動していい代わりに誰かと行動するというものだった。
1人で行動して問題が発生した場合の対処が遅れてしまうからだろう。
パーティのことを考えた優秀な判断とも思える提案。
しかし、それが俺の心を不安にさせる。
覚醒者である人間は3人とも協力者としてサポートしてくれると言い、真偽の審判がそれを証明してくれた。
けれど、いくら秘宝とは言えど完璧ではないことを知っている。
本当のことは言っているがそれ以外にも目的がある場合などでも反応してしまうだろう。
あの3人の中に別の目的を隠している人間がいる。
いや、俺が疑いの目で見ているからそう感じているだけなのかも知れない。
もう1つの懸念点は、1つの場所で1人が記憶を取り戻していること。
もし、エデルでも記憶を取り戻すことになるのだとしたら彼女だということも今回はわかってしまう。
願わくばこの予想は当たらないでほしい。
「ここが教会ですか。な、なんか怖くなってきました。私、浄化とかされないですよね。」
「何言ってるのよ。アンタ人間でしょ。ほら、入りなさい。」
少し教会の規模に驚いて扉の前で動揺している小原。
それを見てすかさず背中を押しながら一緒に入る宮武。
俺達もその後を追う様にして入っていく。
ザワザワ
教会とはもっと静かな場所かと思ったが俺たちが入った瞬間にざわつき始める。
アポもとっていない人間が複数人でいきなり教会に入ってきたらざわついても可笑しく無い。
それどころかそれが正常な反応とまで言える。
「コラ、静かにしないか。きっと旅人の方だろう。私が対応するから下がっていないさい。」
「賢者様!わざわざ賢者様がそのようなことをしなくてもよいのです!」
大城よりも老けていて井村よりは若いであろう男が俺達の前に来る。
周りから賢者と呼ばれている彼はこの国ではかなりの権力者であることが窺える。
「私は、キッツ・ジャステンと申します。何か御用ですか?ここには孤児院や教会ぐらいしかない小さな国ですが。」
「この国には人を探しにきました。情報を聞くなら1番大きな教会へ向かうのが手っ取り早いと思いまして。」
「ほほう。君はかなり幼いながらに知性を感じます。いずれ、私を越える存在になるかもしれませんな。それはさておき人探しと言いましたね。どのような人を探しているのですか。」
「賢者様!もう十分ですよ。いきなり来た彼らに丁寧な対応をしたほうです。これ以上何か恵んであげる必要はどこにも。」
何か情報がもらえるかもしれないというタイミングでさっき止めようとしていた人がまた邪魔をする。
賢者という位の高い人間に必要以上の仕事をさせたくはないのだろう。
「スタル。この国は他国からなんと呼ばれている?」
「慈愛の国です。」
「それはなぜだ。」
「来るもの全てに恵みを与え、去るもの全てに餞別を送るからです。」
「ならば、どうしてこの者達の手助けをしない理由があるか。」
「ならば、せめて私が!私が対応します。」
「そうか。ならば、近くて祈りの続きをさせていただこう。くれぐれも無礼な態度を取るなよ。どんな相手であってもだ。」
その言葉を聞いて、 苦虫を噛み潰したような表情でこちらを向く。
流石の賢者様の言葉とあっては逆らうことはできないだろう。
それに声をあげればすぐに聞こえてしまうような場所に賢者はいるようだから下手なことはしてこないだろう。
「それでどのような御用件でしょうか。」
「すみません、忙しい時に。」
「これが仕事みたいな部分もありますのでお気になさらずに。人探しと言っていましたね。よっぽど有名な方でなければ申し訳ございませんが、出せる情報も少ないかと思います。」
対応は先程聞こえてきた会話と全く違い会話が対応は親切だ。
しかし、言葉の節々に面倒という感情が伝わってくる。
ここは対応してくれるだけありがたいと思っておこう。
「ベルゼという人を探している。ニペガピでここに来たという情報を得たんだ。」
「・・・ベルゼ。」
一瞬、スタルは賢者の方を見る。
少し躊躇をしたが言葉を続ける。
「ベルゼという男は確かにこの国に訪れました。そして、数日もしない間に出ていきました。数人の子供を誘拐して。」
誘拐だと。
俺達と同じようにこの世界に召喚されたベルゼと名乗る日本人は、犯罪者だったということか。
どこかでふとした瞬間に記憶を取り戻して悪行の限りを尽くしているのだとすれば、俺は何を追いかけていたのだろう。
「ここを4ヶ月ほど前にいなくなって、その後でデバルツという兄弟国で姿を現したと言っていました。」
4ヶ月ほど前にいなくなって他の国に行ったとするならすぐに後を追えば追いつく可能性だってあるだろう。
しかし、清水がいる以上この国をすぐに動くというのは不可能そうだ。
せっかくの日本人の情報もいいことだけじゃなく、悪評まで聞くことになるとは。
何も情報がないよりはいいだろうと思うことにした。
「あれほどのことをしたというのに、あいつはこの国の秘宝である精霊の鏡までも奪おうと。」
「精霊の鏡?もしかして、あの女神様が抱えている鏡ですか?」
「あれはもちろん偽物ですがね。あれの本物を盗もうとまでしたのです。この国の誰もがその事実を知っています。まだ、この国にいるつもりであるならベルゼの名前を出すのは控えた方がいいかと。」
名前:精霊の鏡 レプリカ
説明:本物の精霊の鏡を限りなく再現されている偽物。国の人でもこれが本物だと思っている人が1割いるらしい。
スキル:【罠:アラーム】LvMAX
本当に偽物のようだ。
しかも、まんまと本物だと思って盗もうとした人間をアラームで知らせるようになっている。
偽物でもこれほどの仕掛けが施されているのだとすれば、本物には相当な価値があるのだろう。
もしも、それが魔王を討伐するのに必要な1つであるならば、ここに滞在する理由ができたということだ。
この国の人間には悪いが恐らく話合いで俺達がもらえるほどのものではない。
最終的には奪い取る形になる可能性だって考慮しておこう。
バァーーン!!!
勢いよく開く扉。
明らかに態度の悪そうな3人の男が中に入ってくる。
腰には武器をつけていることから冒険者の可能性が高いな。
関わりたくないので俺達はスタルと賢者様にお礼を言って足早に外へ出る。
何かしたわけでもないのにすれ違っただけで舌打ちをされたが2度と出会うことがないと思いたい。
この後は、恒例の街を散策時間になった。
少しでも国の特徴を知れるといいのだけどな。
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