第064話 スッキリとしない終わり方
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控室の敵も片付いた後にオッドを探すためにカジノの中を探していると宮武が姿が先に見つかる。
宮武は俺達を見ると声を掛けてくる。
「何してるの?」
「今はお前に構っている暇はない。オッドを見かけなかったか?」
「それならもういないわよ。アタシが倒したから。」
本当に倒したというのか。いくらオッドが傷を負っていたとしても宮武1人で勝つことはできるのだろうか。
それほど強力な覚醒者のスキルを入手したのだろうか。
でなければ説明ができないことだらけだ。
「詳しいことを聞きたいが、今は他の人と合流しよう。」
「あの賭けはアタシの勝ちね。何かご褒美期待しておくわ。」
「どうしてそうなると言いたいところだが、間違いなく今回の立役者は宮武だからな。」
今は何か思いつくものがあるわけではないけれど、早いうちに用意することにしよう。
みんなと合流すると宮武はオッドを倒したことだけを説明した。
それだけを聞いても信じれられないという表情の人が大半だ。
「相手はかなり強い魔族だ。本当に勝てたとは思えないな。」
俺もそう思って先程のタイミングで真偽の審判を使ったが何も反応が無かった。
つまり、宮武の言っていることは全て真実ということになる。
「そんなに信じられないなんて酷い人達ね。」
「すまない。ちょっと現実味がなくてな。そうか、やつを倒すことができたのか。長かった長ったなぁー。」
プハンエは溢れる思いの中から出る涙を他の人には見せないようにと必死に堪える。
どれほどの思いを持って今日の戦いに参加していたのかが良くわかる瞬間だった。
過程はどうであれこの戦いが無事に終わったということは俺達がここにいる理由もなくなる。
大金も稼げたし、次の移動場所を探してもいいだろう。
だから、このカジノではやり残したことがないようにしなければならない。
「明日、ここを出発することにしよう。今日はこの後自由時間に設定するから準備をしておけ。」
「そうか。もう出発してしまうのか。本当にお前らには世話になったな。今度会った時は敵同士かもしれないがその時はよろしく頼むな。」
冗談まじりの別れの言葉を聞いてプハンエ達と分かれる。
他の人達とも軽く会話をしたがみんな良い人ばかりだった。
「宮武のことも本人から詳しく聞きたいところではあるが、もうどこかへ行ってしまったからな。」
「そうですね。3人目の覚醒者であり、僕らが苦戦した魔族を倒すほどの覚醒スキルを持った人。」
「これからアイツがどんな行動を取るか分からないが注意しておく必要があるのは確かだ。それと魔族についてもだ。今回の相手は宮武がいなければ倒すことが出来なかった。今後はそういう敵も増えてくるだろう。」
「実力の差が歴然ということか。今後は覚醒者を主体とした考えをやめて各自の強化を促すしかないだろ。」
3人での話合いはどんどんとヒートアップしていく。
そこへ近づいてくる1人の人物。
紛れも無い、今回の戦いを語る上で外せない人物だ。
「こうやっていつもコソコソと会議をしていたのね。仲間外れなんて良く無いわよ。」
「お前のことについてちょっと話していただけだ。」
「何よ、記憶を取り戻したことならこの間散々話したでしょ。それに宣言通りオッドを倒すのだって1人でやってあげたし。」
「別に文句を言っていたわけじゃないですよ。今回はかなり助けられましたが、それが気まぐれであるなら戦力に数えて良いのかが不明だと思っただけです。」
「そこは安心していいわ。別に邪魔する気もないし、いつもの通り協力くらいするわよ。」
「その言葉が聞けただけで十分だ。話は以上だから解散だ。」
長い時間、話をしていたら他の3人によく思われないだろう。
あくまでも世間話をしていたぐらいの雰囲気で解散しておくのがベストだ。
自由な時間が出来たので、俺はやり残したことを終わらせにいく。
数分して着いたのは、この間行った和食屋だった。
まだ開店している時間では無いようだけど、中には人がいるのを確認できる。
本来であるならこのまま開店の時間を待った方が良いのだろうが、そこまで気ままに待っている時間がもったいない。
扉を開けると店主が準備中のため声を掛けてくる。
「すみませんお客さん。まだ準備中なのでもう少し待ってもらってもいいですか?」
「飯を食いにきた客じゃないんだ。少し話が聞きたくてきた。」
話を聞きたいという言葉を聞いてようやくまな板から目線を俺の方へと移す。
すると俺がこの間の客だということを覚えていたらしく、声を上げる。
「おぉー!この間の気前の良いお客さんじゃないですか。話って言っていましたけど、何かあったんですか。」
「前に話していた和食を教えてくれた人のことが気になってな。もう少し詳しく情報がもらないだろうかと思って。」
「うーん。それは困りましたね。この間お話ししたことがほとんどなんでね。」
「どこへ旅立ったくらいの情報は分からないか。それぐらいなら知ってるだろ。」
「慈愛の国エデルですよ。とはいえ、半年も前の話になりますけどね。」
「その慈愛の国ってのはなんだ。」
「行き場をなくした子どもを国で無償で預かるですって。普通は奴隷にされて人生が終わるのが一般的ですからそこで拾われた子どもはラッキーでしょうね。」
「ありがとう。邪魔したから詫びにこれを受け取れ。」
ポケットマネーで1万ゴールドを手渡す。
情報屋を活用した時の相場を利用させてもらった。
それをしっかりと受け取った店主はいつでも来てくださいと言って俺を見送る。
このカジノを利用することなんて2度とないだろうと思いながらも、情報をくれた店主には感謝する。
俺が今後追うべきなのは、魔族の情報と並行して過去に召喚されたであろう日本人の話だ。
俺達は偶然勇者という名目で召喚されてしまい、大々的に魔王討伐へ駆り出された訳だがそうじゃない人間もいるらしい。
もしも、それが本当ならば日本人の協力をぜひとも求めたい。
同じ転生者ならチートな能力をもっている可能性も高いはずだからな。
この考えに全くの懸念点がない訳ではない。
俺達が名の知れた犯罪者であることだ。
いくら本人に記憶がないからといってそれは消える過去では無い。
どれほど有名なのかは知らないが顔を知られていたらまともな会話はできないと思っていいだろう。
「次の場所決まってないだろ?」
夜の食事の時に俺は切り出した。
このタイミングで言い出さなければ伝えるタイミングはないと思ったからだ。
「決まってない。それでもこの場所に滞在するデメリットが大きくなってきたと判断したから出発する。」
「ここから離れるのに反対なわけではない。むしろその逆だ。次の場所はエデルという国が良いと思う。」
「エデルですか!賛成です!そうしましょう!」
俺が口にした地名に大きな反応を見せる。
そういえば、アロットで盗賊達が捕まえていた子供達がエデルという国に送られたと言っていたな。
子供達のその後が気になっているからこそ真っ先に反応したのだろう。
「俺はそこでも構わないが理由はなんだ。」
「日本人の転生者が俺達以外にもいる。その後を追いたい。」
「なるほどな。それが本当だとするなら、いや日本食がここで広まっていた以上確信に近いな。」
その後も会議が進行していたが、エデルへ行けると知った清水はどこか上の空だ。
そして、それを心配そうに見つめる小原。
心配そうなのは小原だけではない。
エデルでは何が起こるのか。全員がその不安を感じていた。
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