第059話 カジノ戦争
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今日は昨日休みだった分、ギャンブルファイトがかなりの盛り上がりを見せることになるだろう。
そして、その盛り上がりを見せるのは観客だけの話ではない。
水面下で始まっている魔族同士の抗争も激化の一途を辿っている。
「作戦は打ち合わせの手筈通りに進めていくぞ。まずは、俺と上野が当初の予定通りにプハンエ達と合流。その後、十傑の集まりでプハンエが動く。オッドを会場に呼ぶ算段を用意しているらしい。」
「その後は、残りの4人も合流し、プハンエに加勢するようにしてオッドの討伐を狙うんですよね。」
「もしものことがあるから人数は多いに越したことはないだろ。それにもしかしたら十傑の中にもオッド側のスパイがいてもおかしくはないからな。」
作戦の概要を改めて共有しているところにプハンエが合流する。
そして、十傑になったばかりの情報屋も姿を現しているようだ。
「今日は2人の方が早いんだな。俺達が魔族だと知って警戒でもしてるのか。」
「こっちとしても早く動かないといけない理由ができたからな。計画を立ててただけだ。」
「その理由は何か聞いてもいいのか?」
「オッドに目をつけられたからな。長期滞在するのはなるべく避けたい。このカジノは魔族の巣窟だからな。」
それが理由の1つであることは確かだ。
これ以上は抗争に巻き込まれるわけにはいかない。
最低限の戦力を討ち取ることによって魔族の勢力を減らすのが目的だから、最悪逃げる選択肢を取ってもいい。
ここでそれをしないのは、7人それぞれが正義感というのを持っているからだと信じたい。
魔族相手に困っている人間がいるのは確かなはずだ。
だからこそ、魔族を減らすの人族にとっては最善の選択と思う。
「なら、利害の一致も確認したところでオッドを倒すぞ!」
「2回目だけど緊張しますね。また、クロンやペリーラ、ハクファンとかも参加してくる可能性は高いですしね。」
「それなら大丈夫よ。こっちで調整してあるから。」
情報屋がそれだけ言って控室の方へ向かっていく。
いつものように補足説明までしてほしいが控室までの通路では誰に聞かれているか分からない。
安易な発言をしないのもプロの仕事なのだろう。
控室に着くといつものような張り詰めた空気が漂っている。
とはいえ、もうこの雰囲気も慣れたもので俺は一切の緊張感がない。
始まりの時は意外にも早く訪れる。
今回の対戦表の話は全く聞いていない。
情報屋が操作できるので無難な敵に当たるのではないかと勝手に思っていた。
「まずは、俺からか。」
どうやらスタートは俺からのようなのでゲートの方へ進んでいく。
相手は誰なのか、それを少し確認するようにして歩くと見覚えのある影が横切る。
「相手はどうやら僕みたいですよ。」
何度も聞いた声。
声の主は上野だったようだ。
「どうなってるんだ。対戦表が操作できていないのか。それも逆に誰かに操作されているとしか。」
「それとも情報屋が何かを理由に裏切ったか。元々、仲間ではないのか。」
可能性を考えればキリがない。
しかし、何か不測の事態があったことは確かだ。
できることなら、どちらかが手を抜いて速攻で終わらせたいところではある。
「でも、僕はついてるなー。一ノ瀬さん、僕は手を抜くつもりはないですよ。」
「お前はそうかもしれないが俺は相手をするつもりはないぞ。」
「それは戦って本気を出させるしかないですね。僕の本気を情報として知っておくのも今後の役に立つかもしれませんよ。」
「それで乗せられて戦うと思うか。敗退したら他の人と合流して行動するから安心しろ。」
「まぁ、行きましょうか。フィールドに立てばどれほど僕が本気かわかるでしょうから。」
どうやらこれ以上は何も言わないようだ。
誰かに仕込まれた対戦表だというのにここまでワクワクしないでほしい。
ゲートを通り、始まる試合。
「始めましょうか。僕の本気を見せる時間を。」
「俺は相手をしないぞ。」
開始の合図は俺達がそんな会話をしている間に鳴り響く。
戦闘は避けられないことを一瞬にして悟らせる火魔法。
喰らえば一溜まりもないが、ここで受けたダメージは救護班が回復してくれるはずなので、大人しくここで退場するか。
俺が降参を宣言しようとした瞬間にそれを遮るかのように火魔法を飛ばしてくる。
かろうじて避けることはできたが少し間違えれば致命傷は免れなかった。
「いくら回復してくれるとはそれだけ本気の攻撃喰らったら痛いじゃすまねーぞ。」
「それが僕の狙いですからね。どうです戦う気にはなりましたか?」
そのメリットがないことを本人が1番理解しているはずなのにどうしても戦わなければ気がすまないようだ。
俺は先ほどまでそんな気は無かったが、あの一撃と上野のやる気を見てやらなければいけない気がした。
腰につけた進化刀を抜き臨戦態勢になる。
「やる気になってくれたんですね!気が済むままに戦いましょう。」
「ここまで来たらやってやるよ。【迅雷投擲】」
俺は、腰につけたポルタガを投げ込む。
上野は見たこともないであろう速さの投擲。
油断していれば対処はできないはず。
「【思い出の燈】。スキルの進化ってやつですか。本当に見ない間に強くなっていますね。しかし、覚醒者とそうでない人間の差は大きいですよ。」
防御に使ったはずの覚醒者スキルはその後俺の方へ目掛けて攻撃を仕掛ける。
まるで、スキル自体に意思を持っているかのようだ。
「反則だろうが!」
なんとか後退しながらも進化刀で受ける。
しかし、威力が強すぎてどれくらい耐えられるか。
その瞬間、急に進化刀から光が発せられる。
「まさかこのタイミングでかよ。でも、ナイスタイミングだ。」
徐々に炎の勢いが弱まっていく、それどころかこちらの力がみなぎってくるような感覚にさえなっている。
戦いの最中ではあるが鑑定を使ってみると、
名前:進化刀 三式 【黒蓮華】
説明:進化刀の3段階目の進化の姿。見た目は大きく変化したわけではないが相手の攻撃を吸収するという力が新たに加わっている。
スキル:【進化】Lv3 【頑丈】Lv3 【攻撃力上昇】Lv2 【吸収】Lv1 ???
「このタイミングで進化刀が進化するなんて運が良い人ですね。」
「俺の本当にそう思う。」
ここで上野と会話をしながらも【影操作】を使っている。
行動を不能にさえすれば試合をこれ以上激化せずに終わらせることができる。
そんな俺の狙い通りに影操作は成功に終わる。
しかし、なぜこんなにも簡単に決まってしまったのだろう。
そう思った次の時には、俺の背中は消えない炎によって燃え始めていた。
どうやって俺の背後に回ったのか。
それが分からないまま俺は倒れ込んだ。
目の前にいた上野は誰だったんだと思って前をみると、掴めたはずの上野は姿形を決している。
「いつの間にお前も【分身】を覚えたんだよ。」
「あれは便利そうだったのでプハンエから教えてもらいました。」
「俺が敗退することになったからにはお前がしっかり計画を進めていけよ。外で合図は待ってるから。」
「満足とまではいかないですが、今はこれで納得しましょう。」
結果は俺の負けか。
少しぐらいは勝つつもりでいたのだけど、上野も計り知れない成長を遂げていた。
いつも近くにいたようで他人は他人だったようだ。
今後は他の6人のことも興味を持とうと思いながら、救護班に運ばれるのだった。
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