第057話 知らぬ間の騒ぎ
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酒場に行っている間に他の人も動いているだろう。
こっちは魔族の人数を把握した程度だが、他の人は魔族と安に接触したりしていないだろうか。
そうなれば、こちらの行動も筒抜け。最悪の場合、交戦になることも考えられる。
一応、4人で動いているようなので大事になる心配はないだろう。
そう考えていたのも束の間。
1本の連絡が俺の元へ届く。
「どうした。何かあったのか。」
『あのー。そっちに井村さんと宮武さんはいますか?』
電話の声は清水のようだ。
話の内容を聞く限り井村と宮武の2人が突如として姿を消したらしい。
団体行動をするべきだとあれほど言っておいたのに初日からこうなってしまうとは。
「とりあえず、こっちには2人とも来ていない。いつ頃消えたのか思い出してその近辺を探してくれ。」
『了解です。1階のフロアはこっちで探しておきますので、2階の方はお任せしても良いですか?』
「分かった。それともしかしたら魔族と何かあった可能性も考えられる。危険と判断した場合は真っ先に連絡をしてくれ。」
とりあえず冷静に指示を出して探し出すこと集中しよう。
2人も消えたのは、普通に考えて何かあるとしか思えない。
前回も怪しい動きをしていた井村と人一倍感情的になりやすい宮武が消えたのも気がかりだ。
ティキアの街で記憶を取り戻した上野は記憶を取り戻した直後も普通に俺達と同じように生活を続けていた。
記憶を取り戻すのが一瞬なのか徐々になのかは分からないが、2人のどちらかが断片的にでも記憶を取り戻した可能性は高い。
「上野、大城、聞いてくれ。井村と宮武が逸れたらしい。もしかすると魔族と接触したかもしれない。」
「それか何か記憶を取り戻しつつあるのか。」
「あぁ、俺もそれの可能性はあると思う。俺が記憶を取り戻した時も1人になりたい時間があったからな。」
「結論を出すのは早いだろ。まずは、探し出すのが先だろ。」
俺達は急いで2階を探索することにした。
2階には誰もいないだろうと思っていたが、商業施設の本屋内で井村を見つけた。
「ここで何をしている。他の人で逸れた人間を探していたんだぞ。」
「思い出したんだよ。そう言えば、そう言えばそうだった。」
思い出したと言う言葉に俺達は敏感に反応する。
ここまでオープンに覚醒をカミングアウトすることがあるだろうか。
別にないとまでは言わないが賢い人間であるならこの場でバラすメリットが少ないことを理解しているはずだ。
「何を思い出したんだ。」
ここは慎重に話しかける。
井村は少し黙って俺達の方を向く。
そして、口を開く訳ではなく黙って自分の手に持っている本を見せつけるのだった。
「ここの本屋でこの本を売っているのを思い出したんだよ。これって結構な手掛かりになるんじゃないかと思って、みんなには悪いけど売り切れる前に急いで買いに来たんだ。」
本のタイトルは【魔族の種類と敵対関係のまとめ】と書いてある。作者は、ベルゼ。
なぜ、この作者は魔族の情報を知っていたのか。そして、この本がわざわざ本屋に置いていたのはなぜなのか。
普通であるならば、オッドかその手下が見つけて処分していてもおかしくないはず。
そこまで手が回っていないと言われればそれまでだけど、何か誰かの手引きを受けているような気がする。
「それはかなりの情報になりますよ。でも、何か言ってから行かないと混乱を巻き起こしますよ。」
「最近、力に慣れていない気がしていてもたってもいられなくなったんだよ。これほど歳が離れている子に怒られてしまった。」
「まぁ、結果としてその本は俺達に欲している情報の手助けになるからな。大事にはなっていないんだから連絡すればいい。で、あとはもう1人の行方不明を探し出すのみだけど。」
大城がすかさず清水と連絡を取り始める。
2階にはいなかったことからも1階にいることはほぼ確実だ。
「こっちは本屋で井村を見つけた。情報の手掛かりを思い出しての咄嗟の行動らしい。そっちは宮武を見つけたか。」
『1階!1階です!急いで上に上がって来てください。』
それだけ伝えると電話は切れてしまった。
あの切羽詰まった様子は只事ではない。
ここで連絡を聞いていた誰もがそう思った。
「早く上に急ぎましょう。何かあったことは確かですから。」
この場から移動しようとした瞬間に、周りが騒がしいくなっていたことに気付く。
「おい!1階ですげぇーことやってるらしいぜ!見に行こう!」
「まじかよ!面白そうじゃねーか。」
「見ろよ、ここの区域の管理者達も1階に騒動員だぜ。絶対に何かあるな。」
民衆の話は全て1階で起こっていることについて話いる。
さっきの連絡での清水の焦った様子。
「無関係だと思うか?」
「いや、ありえないだろうな。間違いなく騒ぎに渦中に宮武はいるぞ。」
「急ぎましょう。女性3人だけ上に取り残しているのは心配です。」
「ワシは状況がさっぱりだけど、とりあえず1階だね。」
全員で直行するとそこは大勢の観衆で溢れている。
大きな声で歓声を上げるものや拍手をしていて何が起こっているのかが把握できない。
しかし、確実にこの先で何か重大なことが待っているのは確かだ。
人混みの中を掻き分けて騒ぎの中心まで移動する。
あまりにも多すぎる人の波が終えた先には、ルーレットが行われている。
そして、それを行なっているのはカジノの従業員と宮武がいる。
「おい!どういうことか説明してもらおうか。」
大城がこの騒ぎの原因が何か説明してもらおうと宮武の肩を叩く。
それに反応した宮武はゆっくりとこちらを向いて、話を始める。
「血が騒いだのよ。この国にある金を根こそぎ奪い取れってね。」
その言葉通り、テーブルには今までで見たことのない量のチップが乗せられている。
パッと計算しただけでも1億ゴールド。それぐらいは優に超えているだろう。
ルーレットはディーラーが玉の番号を操作できるのでプレイヤーはかなり不利なはずだ。
それにこの世界には魔導具というなんでもありな物まで存在する。
一体、どれほどの運が宮武に味方しているのだろうか。
そんな関心をしてしまっている間にどんどん観客が増えている。
これ以上、注目を浴びてしまえば遅かれ早かれオッドがやってくるだろう。
そうなる前にここから退却したい。
「おいおい、今度はカジノで大暴れってか。面白いことしてくれるじゃねーか。」
しかし、その願いとは裏腹にこの騒ぎを聞きつけて到着してしまったオッド。
勇者である俺達が騒ぎを起こしているとしって黙っていられるほど温厚なやつではないようだ。
既に臨戦態勢になって近づいてくるのが見える。
さっきはリリスの力によって助けられたが2度も同じ手が通じるような相手ではない。
「あら、別に問題がある訳じゃないでしょ?」
「イカサマされて堂々と帰す訳にはいかないな。俺にもメンツってのがあるんだ。」
「イカサマなんてしてないわよ。試してみる。」
「試す?どうやってだ。」
「コイントス。あなたが用意したコイントスであなたが指定した面が出ればあなたの勝ち。それ以外なら私の負け簡単でしょ。」
「こっちが用意していいなら今度は俺がイカサマし放題だな。」
それについては何も言わない宮武。
したければ好きにすれば良いというのが言葉にせずとも伝わる。
言葉のない宮武を横目にオッドはコインを用意させる。
「お前の挑戦乗った。表だ。俺は表を宣言する。裏が出たら今回は見逃してやるぜ。」
そして、勢いよくコインを弾く。
空中で何度も回り続けて表か裏かどちらが出るのか予想できない。
数秒の間で地面に落ちてコインは跳ねる。
跳ねた瞬間に宮武が動く。
どこからともなく大量のコインを持ち出した床にばら撒く。
最初に投げたコインと一緒になってしまい、どれが本物かなど見分けがつかなくなってしまう。
宮武は大量のコインの中から1枚裏になっているコインを拾い上げて、
「コインは裏ね。じゃあ失礼するわ。」
「おもしれーことやってくれるじゃねーか。次会ったときはよろしくな、良い女は嫌いじゃないぜ。」
そういうと約束した通りにオッドはこの場を離れていく。
やけに聞き分けがいいの不信感を覚えながらも終息したこの騒ぎに安堵するのだった。
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