第054話 勇者としての活動
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プハンエとの会議も無事に終わり、他の5人と集合することになった。
集合場所に向かう最中もプハンエが魔族を殺すと持ちかけてきた時の顔が鮮明に思い返せる。
何があったのかは語らなかったものの心情は全て顔に出ていた。
憎悪と復讐心
それだけで今までのプハンエの行動を片付けることができる。
意味も論理も捨て去って5年後に魔族を殺せると信じている。
復讐相手の約束を律儀に信じて、5年も待つなんて正気の沙汰と思えないがそれ以外に接触する手段がないほど表には姿を出さないのだろう。
「って今日の食事する店、ここじゃないよな。」
「どうやらここで間違いないみたいですよ。ガラスの奥から僕達を見つけた清水さんが来てますし。」
お店には、和食屋と書かれた看板が出ている。
普通に考えれば疑問に思うことばかりなのだけど、普通に食事をしようという感覚になるのは俺と他の人との認識のズレなのだろうか。
「ちょっと!遅いですよ2人ともどこ行ってたんですか。今日の収支の報告も兼ねた食事会にぴったりの場所を私が見つけていおいたんですから!」
どうやら見つけたのは、清水のようだ。
確かに異世界に来てから和食には巡り合う機会はない。
逆を言えば、この異世界に日本の文化というのはないということを裏付けている。
「この看板を見た時に清水は何も思わなかったのか。」
「思いました!思いました!まさに運命だってね。和食なんてこっちに来てから全然食べれてないんですから、ワクワクしてきちゃいますよね。」
「一ノ瀬さん。ここは言いたいこと我慢するしかないですよ。だってあんなに笑顔なのに止められるわけないでしょ。」
俺達を先導するように前を歩く清水の後ろで俺に小声で話しかける。
別に怪しいからと言ってここをやめろと言いたい訳ではない。
もしも、本当に和食が食べれるならラッキーだからな。
店に入るとカウンターとテーブル席が用意されていてテーブル席には丁寧に畳まで敷いてある。
店員の様子も念のため確認しておいたが普通の異世界人に見えた。
姿を変えるスキルがあるのかもしれないが、わざわざ和食というこの世界にはない文化をだしておいてそれは可能性が低いだろう。
「何も言わせないわよ。アタシらだってバカじゃないけど諦めたんだから。」
「危険性がないことは俺らが保証する。先に毒味をしたが今のところ何も問題はなかったからな。」
「お酒もおいしいよ。ほら、座らないか。」
とりあえず、他の人の様子を見る限り危険性はないらしい。
注文には、天ぷらや鍋、刺身などを囲んでいるようだ。
さらには日本酒にお酒のあてまで頼んでいる。
やはり、故郷の味は安心するのだろう。
他の人の表情は緩み切っているのがわかる。
俺の料理から漂う懐かしい匂いに釣られて座ることにした。
大抵のことでは食欲には抗えないのが生きていくうえで避けられないルールだからな。
「メニュー表を俺にも取ってくれ。自分で食べる物を注文したい派なんだ。」
「こだわり強いんですね。てか、なんやかんや楽しんでませんか?」
「ここまで来れば割り切るのが吉と判断したんだ。それに問題はなさそうだしな。」
渡されたメニュー表には結構な種類が書かれている。
この量を知っているとしたら確実に日本人が教え込んだに間違いない。
「なんで、料理が全部高いんだよ。1つ3000ゴールドぐらいするぞ。」
「高級料理だと思えばそのくらいするわよ。それに今日はお金の心配しなくてもいいわよ。」
「何言ってるんだよ500万ゴールド貯めるためには節約が大切だろ。別に特別な日でもないのに豪遊なんて。」
「大勝ちしたのよ今日。アタシが1000万で、清水が200万。余裕で目標金額まで貯まったから明日出発しろと言われればすぐにでも出れるわ。」
これは予想外の結果だ。
まだ、ここに来てから3日しかいない。当分は大丈夫と考えていた俺にとっては痛い誤算だ。
まぐれでも勝つのは難しいと考えて平均的に収支を計算し滞在日数を算出したのが間違いだった。
魔族のことはまだ知っている人間が俺と上野の2人だけ。
何かと変な理由をつけてここに滞在することもできるが何も知らない側からすればメリットは少ない。
「今から話すことは重要だ。今後の俺達の行動に関わってくるから聞き逃さずに聞いてほしい。」
ここからは話さないと言うわけにはいかない。
遅かれ早かれ魔族という存在には気付くことになるだろう。
それなら、今不信感を覚えられるよりは真実を話す方が良い。
「それなら私の出番ね。この念話のイヤリングを使いましょう。」
人数分の魔道具を取り出して、重要な会議をより円滑に進める。
どこからともなく魔導具を取り出す作業は国民的なアニメを連想させる。
「俺は。俺達はここにまだ滞在する必要がある。」
「それはなぜだと聞いていいのか。」
「ここには恐らく魔王に関係している魔族がいるからだ。魔族は俺達と同様に魔王を倒す3つの秘宝を探している。俺はティキアで1度秘宝を狙っている魔族と接触した。」
「ワシもティキアの時は街の人と交流をしてみたけどそれらしき情報は一切なかったよ。それにもしも本当に魔族がいたとして探し出して何をするんだい。」
「情報を聞き出すだけでも私達に利益があるんじゃないでしょうか。私達、魔王討伐を目標にしてはいますけど情報を何もありませんから。」
意外な人物からの援護に驚いたが、間髪入れずに説得しよう。
「補足すると魔族間でも抗争が発生していると考えている。その隙をついて俺らにアドバンテージを作る。」
これはリリスという十傑からの情報を元にした推察だ。
しかし、あのタイミングで俺に嘘の情報を教えてくる必要性もない。
恐らく対立しているのは、プハンエの情報と合わせるとオッドという魔族だと思ってまず間違いない。
「状況は理解したわ。たぶんだけど、2人は既に動いているのよね。なら、私達も私達に動いてみることにする。いいでしょ?」
「なんか話が難しくて分からなかったけど、魔族を探すってことはわかりました。」
「清水は絶対に誰かとペアで動いてくれ。」
「魔族と接触するということは、危険が伴うからな。気を引き締めてくれよ。」
今日の会議は、今後の活動に大きな影響を与える大事な時間になった。
俺達の運命に大きく関わることになる魔族という存在。
それを共有できたのは進歩したといえるだろう。
「よし!そうと決まれば今日は飲んで食べて楽しみましょう!」
清水はこの料理を楽しみたくて仕方なかったのだろう。
既に口にはいっぱいの食べものが詰められている。
その姿を見て思い出したので、とあることについて忘れていることを思い出したので、カウンターの方へ行って最初の方の疑問を問いかけることにした。
「これ美味いな。どこで料理を習ったんだ?」
「それは嬉しいですね。最初は売れてなかった居酒屋だったんですけど、旅人の人に教えてもらったんですよね。そしたら大繁盛。あの人には感謝しかないですよ。名前は確か、ベルゼさん。今はどこいるのか分からないですけどね。」
日本人だ。旅人を名乗っている日本人がこの世界にいる。
これが偽名だったとしても日本人以外ありえない。
召喚の儀式を行えるのであれば誰でも異世界の住民を呼ぶことができるのか。
そうであるならば世界の秩序は簡単に崩れてしまう。
何が条件があるとするならばそれも知りたい。
もしかすれば俺達の帰る方法が探れるかもしれない。
今日はとりあえず故郷の味を楽しんだ。
いつもと変わらないただの食事のはずなのに心が温まるのは俺に人間の心があるからだと思いたい。
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