第049話 革命の時間
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昨日は、無事にスキルが進化した。
そして、ついでに新スキルとして【分身】と【影操作】、【受け流し】も習った。
スキルを実践で使うことはできていないがギャンブルファイトで慣れれば良いだろう。
昨日のことを振り返っていると横にいるプハンエが話しかけてくる。
「お前、もう1人ぐらい知り合いを連れて来れないのか?」
「知り合い?なんでだ?俺みたいに指導して何かするつもりか?」
「当たらずも遠からずって感じだな。始めるんだよ。ギャンブルファイト十傑を変える革命の時間を。」
プハンエの計画は意外なものだった。
近年固定化されつつある十傑を引きづり下ろして自分に発言力を持たせる。
そして、十傑を手にいてたいということだった。
俺からすればどうでも良い話だ。
そう、どうでも良いから話に乗ってやろう。
俺達がこの国を離れた後にどうするつもりなのかは知らないが、前にこの国に長期滞在しないことは話したことがあるのでそこも含めて計画を立てているだろう。
「まぁ、心当たりは1人いる。」
「戦えれば良い。今から連れてこれるか?」
「今からってあと数時間後には受付が始まるぞ。どこにいるかもわからないし。」
俺は急かされるようにして心当たりの人物と連絡を取る。
そいつもちょうどギャンブルに飽きてきたころだったと返信が返ってきたので、会場で集合するように呼び出した。
受付時間の数分前には俺達も移動していたのだけど、良く見るとそいつは到着していたようだ。
「誘っておいて僕より遅いなんてひどいじゃなですか。霧道さん。」
「まだ集合時間じゃないんだから我慢しろ上野。」
俺が呼んだのは上野。
こいつはもう犯罪者の時の記憶を取り戻している人物ではある。
しかし、一応俺達のことを仲間だと認識しているからなのか、大城も上野もこちら側に被害が出るよな行動はしていない。
ならば、やるかやらないか別として協力を依頼するくらいは問題はないだろう。
現に、きちんと集合時間の前に来ているようだし。
それに上野を選んだのにはもう1つの理由がある。
覚醒者には、通常のスキルでは考えらないほどの威力を発生させるスキルを持っているはずだ。
もし持っているとしたら上野自身も試してみたいと思っている可能性がある。
ちょうど良い戦闘の機会を与えたら見れる場面もあるかもしれない。
「なんか面だけは良いやつだけど本当に強いのか?こいつは。」
「僕のことを言ってるんですか?褒めてもらえるなんて嬉しいですね。最近、運動不足なので戦闘の方では活躍できるかわからないけど。」
「まぁ、いいか。俺がエントリーとか教えてやるから着いてこいよ。」
3人でエントリー開始時刻と同時に受付することができた。
この間と同じ控室。
しかし、見える光景は全く違う。
後から来た方が大勢に見られているような感覚がしてアウェーに感じた。
「この間の1番ってのはプハンエだったのか。」
「他の十傑は努力しないでも勝ちがれるかもしれないが俺は違うからな。1番最初に来ればあとは入り口の方を見張っているだけで参加者の情報を集めることができる。」
「それに心理的な余裕を自分の中に持つとともに相手に心理的な不快感を与えることもできる。相手によって効果はまちまちだと思いますけど、戦略としては悪くないですね。」
「へぇー、イチノセよりも頭が切れ者だな。こいつは。」
上野は喜んでいるようだが、俺は釈然としないな。
まぁ、上野がプハンエの相手をしてくれれば俺は自由に試したいことを試せるからいいけどな。
そうこうしていると時間というのはあっという間で参加者がゾロゾロと集まりだしてくる。
時間にしたら30分もしないぐらいのタイミングで会場は人で溢れていた。
それ以降は人が増えなかったので受付は1時間もない程度で終わってしまったのだろう。
そう考えると前回俺が参加した時はかなり運が良かったかもしれない。
今回、試合が始まるまでの俺の目標は十傑の関係性を探ることだ。
前回の最後を見た感じミストローダーとクロンの間には派閥のようなものを感じだ。
十傑を討ち取るなら相手のことを知ることが大切だ。
まず最初に見つけたのはミストローダー。
その隣にはドウイウとサガがいるのを見つける。
大きく派閥として協力しているかは不明だが、関係性を持っているのは確かだな。
次に見つけたのは参加者が周りに全く寄り着いていないクロン、ペリーラ、ハクファンの3人だ。
元々この3人は明らかに仲が良さそうだったので協力関係以上の何かがあるのは確かだな。
次を探そうと思ったが大きな声でクロンに呼ばれる。
「おい!プハンエの腰巾着をしてないでいいのかよルーキー。」
「口が悪いですわ。あの方は腰巾着さんではなくて、えっとぉーー。」
「ハグゥッ!アグアグッ!フィチノフェ!」
「そうそうフィチノフェさんですよ。」
「一ノ瀬だ。いついなくなるか分からない奴の名前を覚えるのは苦手らしいな。仲良く話をしたいような雰囲気でもないようだから戻るぞ。」
こんな乱暴な奴と無駄に時間を使いたくないのでさっさとこの場から離れようと試みるが、クロンが近くの壁を殴る音でそれも叶わない。
会場にいる全員がこちらを見たが音を出した犯人がクロンだと分かるとさっと見ていないフリをする。
「まぁ待てやルーキー!俺と談笑をしようぜー。」
「そんな感じは全くしないけどな。」
「お前、随分とプハンエに良いように使われているようだけど、あいつを信用しない方がいいぜ。あいつの二つ名は攻撃手段に限ったことじゃないぜ。いつか自分の首を絞める前にこっちにこねぇーか。」
「あいにく、俺はあんたにナイフを投げちまった。俺と一緒にいると傷が疼いてしまんじゃないか?」
「これぐらいなんてことはねぇーよ。なんでも欲しいものくれてやる。言ってみろよ。」
欲しいものをなんでもか。そう言われると欲が出てしまうな。
それにこの男は大抵の物ならすぐさま用意するほどの力があるだろう。
でも、俺はこの男の下にもプハンエの下にも興味がない。
ここにいる間に実力を強化させる。目標はただそれだけ。
「あんたを倒せるほどの力が欲しいと言ったらきちんとくれるのか?」
「目標にされるってのは悪くない気分だな。でもよ、逆らう相手を間違えない方がいいぜ。死にたくなかったらよ。」
攻撃を仕掛けてきそうになる数秒前に対戦相手を知らせる音と番号を表示するモニターの光。
なんとかこの場での争いごとは避けれそうだ。
中断されたことに苛立ちを覚える前に逃げ出して、2人との合流に向かう。
モニターの番号を確認できていなかったが、どうやら上野が初戦に選ばれたらしい。
「そういえば十傑を変えるってのは倒して十傑の座から下すということだよな。どうやって対戦するつもりなんだ。ランダムだから当たる確率なんて相当低いぞ。」
「この時点で俺達の計画は順調に進んでいることを知らせている。そうだろファントム。」
『えぇ。対戦相手はこっちで操作してたから感謝して』
この声。俺は1度だけ聞いたことがある。
ポーカーの時にイカサマのやりすぎを警告してきた声と同じだ。
『こうやって声を聞かせるのは2回目だね。イチノセ。』
「結局また顔を見せてくれないんだな。情報屋。」
『ミステリアスな女の方が魅力的だもの。って私が情報屋ということ話したのかプハンエ。』
「いや、直接話してはいないさ。会話にはヒントを出しておいたけど、まさか当てるなんてな。」
「情報屋が協力者なのは分かったけど感じんな方法は。」
『まぁ、見てなよ。』
モニターに映し出されているのは、上野。そしてもう1人は、ペリーラ。
こんな偶然が起こるえるのか。
いや、必然だとしたら情報屋の力でこの対戦カードになったということだ。
新戦力の情報屋という存在と実力に驚きがあるものの、今は上野がどれほどの実力を覚醒後に身につけたも気になる。
この国ではお金を稼ぐだけになるかと思っていたが面白いことになりそうだ。
流れる映像では既に戦いが始まっている。
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