表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犯罪者から勇者にジョブチェンジしました〜異世界を救う7人の犯罪者〜  作者: 風野唄
三章 ギャンブル国 ニペガピ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/185

第045話 汚くても勝てば良い

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

1番 90番


モニターに映し出されたのは、その2つの数字。

まさか2回戦目にして1番目に登録した奴が戦いに出るとは思ってもいなかった。


控室も誰なのかと考察をする会話で溢れかえっている。

1番目の受付といえば、このギャンブルファイトに全身全霊を賭けている強者の可能性が高い。

もしも、そうじゃなかったにしても並々ならぬ、やる気を感じる。


「我の出番か。」


声の正体は、筋肉質でパワー系に見える男。

今まで、筋トレをしていたのか汗が皮膚のいたるところから溢れている。

その熱さは、周りから水蒸気が見えるほどだ。


「もっと時間があると思っていたが、想定よりも早いな。しかし、問題はない。」


先ほどまで筋トレに使うために持っていたダンベルや重りを地面に投げ捨てる。

すると漫画のように地面がひび割れる。


俺は内心、漫画のお約束展開じゃねーか。と思ったがここは異世界。

こういうのが当たり前の世界だということを今の今まで忘れてしまっていた。

なんか少し笑ってしまいそうな展開なのが癪ではあるが、今までの常識は全てここで一新させよう。

今後、誤った知識が死を招かないためにも。


その暑苦しくも自信満々な表情からは絶対的な実力を感じる。

他の参加者も彼が通る場所を自然と開けてしまっている。

無意識か意識的なのかはわからないがそうさせてしまうほどの存在感が控室を支配している。


こだわりやプライドが高そうだし、あいつが1番の可能性が高いな。

となると気になるのはもう1人の対戦相手の方だ。

ここまであの筋肉野郎に注目をもっていかれてしまっては出てきにくいのだろう。

ちょっとの間、沈黙の時間が流れてそいつは姿を現した。


いや、自分だと気付いていなかったというのが相応しい。


「あ、俺だ!俺!いやー、何回も参加してるから自分の番号を覚えるの苦手でさ。急いでゲート向かわねーと。」


初見殺しのプハンエ。彼が自ら名乗った名前だ。

このバトルには何回も参加しているらしく自分の番号には興味がないらしい。


「あいつ勝てるのか?」「あれは秒だな。秒。」「かわいそー。」


先ほどまでの空気とは違い哀れみや侮蔑の目でプハンエを見ている。

髪は先まで整えられていたはずなのにボサボサになっていて、服装も着替えたのかお世辞にも綺麗とはいえない。

これではそんな目で見られてしまうのも仕方ないのではないだろうか。


「おい、プハンエ。なん・・・」


「シィー!俺には俺の戦い方があるんだよ。まぁ、見てなよルーキー。スッキリした初戦を見せてくれたお礼に良いもの見せてやるよ。」


俺に何も言わせる時間も与えずにゲートの方へ行ってしまった。

あそこで指摘したら不都合だったと考えるとわざとあんな格好をしていたと考えるのが普通か。

それで油断するような相手には見えないが何か他の考えがあったようにも思えない。


「始まりました。2回戦目!スタート!」


始まりの合図は流れたが2人は動く様子が見られない。

映像越しなのでなにか喋っているのだけ分かる。

少し会話をすると両者が戦いを始めたようだ。


映像もアップの映像になり会話や周囲の音も聞こえるようになってくる。


「お前が何を考えているのか理解できないが我の前では小細工は効かないぞ。」


「ま、まじかよ!でもな、俺は【アイテムボックス】の使い手!小細工には少し自信があるんだぜ!」


こんな戦闘が始まって間も無い時間帯で自らスキルを宣言する。

そして、嘘ではないと証明するためか何もないところから魔道具を出してくる。

これでは、ブラフや心理戦もあったものじゃ無い。


「俺の特注魔道具。霧起こしの貝殻だ!名前の通り濃い霧の中でまともに動けはしないだろうぜ。」


まるで、買ってもらった玩具を自慢するかのように嬉しそうな表情を浮かべている。

しかし、それでは折角有利に運べる試合展開も水の泡になってしまう。

どうなるのか分かっていて対策を立てない人間はいないからな。


プハンエが宣言した通りに辺り1面に濃い霧が広がっていく。


「ふざけているのか。我が霧程度で止めれると思ったら大間違いだ。【視野補正】」


霧の中でもプハンエに向かって一直線で向かっていく筋肉野郎。

その全てが数秒間に起こった出来事で俺に対処できるかと言われたら無理があるだろう。


それでも、あの時のプハンエの顔は絶対に勝てると確信している顔だった。

だから、ここから何か秘策があるのだと信じたい。


「貴様は本気も出せないままここで負けていけ。【我流拳(がりゅうけん)】」


「ちょ、ちょ、ちょっと待てよぉ!!!」


ドガッ


その音は確実に何かに当たったような鈍く響くような音。

筋肉野郎も自分の攻撃が当たった手応えを確信して霧が晴れるのを待っていた。

俺はその際にも、きっと避けていたあの音はフェイクなのだと願う。


しかし、霧が晴れそこから現れたのは口から血を吐いているプハンエの姿。

その様子から見るにあの攻撃をまともにもらってしまったのだろう。

どれほど優秀な人間だったとしてもあれを耐え切るのはさすがに無理があるだろう。


2戦目もあっという間に勝敗がついた。

そう誰もが思っていた。


「どうやらまだ立ち上がれるようだな。」


「俺は諦めが悪いのが売りなんでね。」


「その減らず口が2度と聞けないようにしてやろう。【我流拳】奥義 百斤筋(ひゃっきんきん)


筋肉が2倍の大きさに膨れ上がり攻撃力はかなり上がっているのが分かる。

先程の攻撃は霧の中でも当たっていたことを考えると、妨害の方法も考えないと同じことを繰り返すことになる。


「うわ、うわぁー!くんなくんな!」


背中を見せて筋肉野郎の攻撃から必死に逃げる。

それを見た会場は笑いに包まれている。

滑稽や無様という感想で溢れているのだろう。


しかし、これで終わるはずがないと思いたい。

俺はまだ彼の本当の戦いを見ていないような気がする。


相手の距離はもう目と鼻の先。

避けることも難しい状況になった瞬間に大声を180度変えるプハンエ。


「なぁんてな!砂呼びの笛!」


ピィーーーーー


いつの間にか咥えられていた笛からは耳障りな程に甲高い音がなっている。

そして、音がなった瞬間に相手の目を襲うようにして砂が現れる。

少しでも抵抗するかのような小細工ではあるが引き付けるタイミングは完璧だ。


「そんなクズの汚い戦法はもう効かんぞ!貴様はもっと正々堂々と戦うべきだったな。」


目には何かしらの防衛策が施されている。

必要に目を狙い過ぎたのがここで仇となったか。


攻撃を避けることもなく当てられてしまったプハンエは今度こそ動けなくなってしまう。

そう誰もが思っていたのだが、今度もまた何事もなかったように起き上がる。


どうなっているのか


それはここで映像を見ている参加者や会場で観戦している人も、ましてや対戦相手でさえ状況の理解ができていない。


「貴様は、アンデットかなにかなのか?」


「もう死体でもおかしくない人間が動くのが怖いか?」


「怖いわけではないが不気味ではあるな。」


「それじゃ、終わりにしようぜ。汚い戦法も飽きてきたし。」


そう言い残してプハンエの体は煙のようになって消えていく。

それと同時に筋肉野郎の後ろに姿を現す。


瞬間移動が使えるのか?

それとも何か仕掛けのある魔道具かもしれない。

どちらにせよまだまだ何かを隠しているのは確かだ。


よく見ると対戦相手はその場から動かなくなっているようだ。


「【認識阻害】 【痛覚遮断】 解除っと。もう出血多量て動けない時間だろうね。もう勝ちは随分と前から決まってたんだぜ。」



勝ち方はあまりにも唐突であまりにも圧倒的なものだった。


戻ってくるなりプハンエはこちらの方へ向かってくる。

宣言通りだっただろと言わんばかりの顔だ。


「どうだった俺の戦い方!何が起こったか分からなかっただろ。」


「正直なことを言うと分からなかった。でも、本当はあんな弱者のフリをしなくても勝てたのは分かる。」


「弱いフリをしたほうが相手は驕り昂るから楽で良いんだ。」


「それはお世辞にも綺麗な戦い方ではないな。」


「クククッ!確かにそうだな。でもよ、死人に口なし。生きてるやつだけが物を語れるんだぜ。」


言い残した言葉には説得力がある。

言葉だけじゃない。戦い方にも1つ1つ理に適っているものになっている。

どこまで計算された動きをしているのか。

それをここにいる間に解き明かしたい。そう思った。





ご覧いただきありがとうございました!

宜しければブックマーク、いいねお願いいたします。

毎日22時から23時半投稿予定!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ