第039話 書類の中身は
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「やっとここに戻ってこれたか。」
他の人はまだ食事を楽しんでいる者や酔いつぶれているも者がほとんどだ。
俺は食事を抜け出しているが、他にも自分の部屋に戻る人もいるので怪しまれることはないだろう。
「部屋の中はやっぱり暗いな。それにさっき掃除したのにまだ埃っぽいな。」
この部屋はこんなにも使われていないのに、何故重要な書類をここで保管しているのだろうか。
普通ならもっと厳重な場所に保管していてもいいのに。
これが罠だったとしても、騎士団長様にはこちらの素性もバレているようだし最終手段として強奪して逃げるという選択肢が残されている。
外の通路から足音が聞こえないことを確認してから、中身に目を通す。
夕方に掃除をしていた時に見た隣国の名はニペガピというらしい。
どうやらそこでは国のほとんど賭博の施設が揃っているらしく、各国のギャンブラーが集まるらしい。
何故そこを狙うのか。
理由は簡単でそこの財源を狙っているらしい。
そこまで軍事要素が整っている訳ではないのに、今まで何度もこちらの攻めを防がれているらしい。
そこに記載されていたのはそれだけではない。
相手の情報が事細かく書かれている。
戦争に動員されていた敵の人数や部隊構成。
その中で一際目立つ情報があるのを見つけた。
「名前は書かれていないが、この人物だけ情報が詳細に書かれているのが気になる。」
スキルや被害報告、負けた騎士団兵の名前などが書いてある。
これがニペガピの核になっていると考えられる相手。
ここまでは敵国の情報で今の俺にとってはいらないと言ってもいいものだ。
「肝心のこちらの計画については少ないな。武器の総数や動員した兵の数などは書かれているが、どれも過去の対戦の記録。今の計画についてはどこだ。」
すると奥の部屋の扉が開く音が聞こえる。
誰かいる。
俺はそう思って咄嗟に机の影に隠れる。
今、誰かに見られてしまうのは得策とは言えない。
それにあまり最終手段は使いたくないので今は隠れるのベストだ。
「この部屋にもあれは無かったか。僕の予想ってこういう時に当たらないんだよね。」
部屋から出て来たのはイラ。
こんなに暗くてもその姿を見間違うことはない。
なぜなら、あれだけ今日1日中一緒に過ごしていたのだから。
「これじゃーあっちに戻っても上に怒られちゃうなー。いっそ本当にティキア騎士団として生活するべきか。」
「面白い話をしているな。混ぜてくれないか。」
体を急回転させて短刀を俺に向ける。
「君か。驚かせないでくれよ。」
俺の事情は知っているかのような言い方をするイラ。
それとも、掃除の時間に俺が書類を見ようとしているのを見て察したか。
「君が僕らの敵になる存在の勇者ってことは情報くらい来ているさ。」
「勇者?なんのことを言っているのか知らないが俺と同じでここにいるのがバレたらまずいんじゃないか?」
「僕をここから退けて奥の部屋が見たいんだろ?色々と情報を探るために。」
「分かってるなら話が早いな。」
「それならこの部屋を見るまでもなく僕が答えてあげるよ。まず、ここ最近あった火事の正体。それは1回目は僕さ。それで2回目は誰がやったかなんて知らないけど、騎士団は1・2回目どちらもお仲間のウエノを犯人だと思っているらしい。」
やはり、目撃証言からも犯人と断定されたのは上野だったか。
この話の信憑性は高いと思っていいだろう。
あいつの口から上野という名前が出るということは他でもない騎士団から名前が出たからに違いない。
それにこいつの言っていることが本当なら1回目と2回目は犯人が違うらしい。
「で、イラ。お前のことについても聞いても良いのか?」
「僕のこと?何が聞きたいの?あ、もしかして僕が普通に喋れること?それとも僕の探し物?うーん、君が何故敵かってことかな。」
「全部に決まってるだろ。」
その言葉を聞いて目の色を変えてもう1度こちらに刃を向けてくる。
俺を敵と認識している以上、その刃がこちらを襲う可能性も少なくない。
「もう1度聞くよ。何が聞きたいの。」
その言葉は先ほどまでとは違う低くて冷たい声。
聞いた人は体を萎縮させるだろう。
それでも俺は答える。
「全部だ。」
「ククク。面白いね。全部とはいないけど僕の探し物だけ教えてあげる。もし、見つけらた渡して欲しいからね。探し物は、真偽の審判。この街では秘宝と呼ばれるお宝さ。」
探しているのが、真偽の審判だと。
レインの持っていた物が、勇者討伐に必要な秘宝の1つだったのか。
それをこいつも狙っている。
「君、知ってるね。」
俺の思考を完全に読み切ったイラが俺に攻撃を仕掛ける。
「お前ら、ここで何をしている!」
見張りの兵士が巡回に来たらしく、攻撃の手が緩められる。
ランタンでこちらを照らすと詰め寄ってくる兵士。
「ここで昼の掃除の時間に落とし物をしてしまい、2人で探していました。」
「そうか。しかし、勝手に部屋の出入りをするな。許可をもらってからにするように。」
「かしこまりました。」
「それで探し物を見つかったのか。」
「はい。なので、直ちにこの場から移動します。」
俺はイラの手を引っ張って部屋を出た。
少し怪しんでいて上にも報告が行くかもしれないが、それだけで済んで良かった。
「これは貸しにしとくけど、返したら必ず吐かせに来るね。」
「イラ。お前は一体何者なんだ。」
「君がこの領域に入るにはまだ早い。もう少し強くなってから来るといい。」
謎を多く残したまま俺の方から去っていく。
勇者の敵となる存在とは一体どんな奴らなのか。
そして、何故真偽の審判を狙っているのだろうか。
残る疑問はまだまだあるが分からないことが多すぎる。
考えても無駄ならば深く考えるのはやめておこう。
「いたいたいた!!!!見つけるのに苦労したわ!」
また騒がしいのが1人。
これは深く考えなくても大丈夫な人間。
きっと俺を探していたのに深刻な理由はなにのだろう。
「あ!な!た!ねー!私が下心のある団員達に囲まれている間に随分と仲が良さそうに騎士団長様とお話ししていたじゃない!許せない。」
「それを言うためだけにわざわざ俺を探しに来たのか?」
「そうよ!私にとっては大問題だもの。」
さっきまでシリアスな展開だったのにこいつが来たことによって一気にギャグテイストになるな。
後、騎士団長とは俺から話かけた訳ではないからどうしようもないのだがな。
「それで、どうしろと言うんだ。ここで喧嘩でもしてスッキリするか。」
「それがいいわね。表でなさいよ。スキルありの全力勝負してもらうわ。」
「処分を受けたら困るのはお前だぞ。それに喧嘩で優劣をつけた所で俺がいなくなる訳じゃない。」
「騎士団側からの処分は甘んじて受けるわ。それでもあなたと勝負がしたい。私が勝ったらこの騎士団から立ち去りなさい。」
「へぇー。随分と勝手な願いごとだな。俺が勝ったらなにか良い特典でもあるのか。」
「なんでもって言うのは便利な言葉じゃないぞ。俺が死ねと言ったら死ぬのか。」
「ここで決着がつかないのなら死ぬのと同じよ。それに負けること、考えてないから。」
目には一切の迷いがない。
いずれ決着をつけると決めていたような目だ。
残りの2日間でずっと勝負を挑まれるよりも今この場で決める方がいいようだ。
「いいぞ。今すぐにでも始めるか?」
「上等じゃない。私はいつでも準備ができているわよ。」
外に出て俺達は準備を始める。
試験の時には使っていなかった武器を彼女も使うらしい。
「試験の時は本気じゃなかったのか。」
「当たり前じゃない。あんなの相手に本気なんか出さないわよ。でも、あんたは特別。殺す勢いでやるわ。」
俺は事前に【鑑定】をかけておくことにした。
本気の勝負なのだから情報を知るのも大切だ。
名前:リィウル・ハウステル
称号:誇り高き騎士の卵
スキル:【身体強化】Lv3 【剣術】Lv4 【風魔法】Lv4 【魔法剣術】Lv1 【不屈の精神】Lv1
見たこともないスキルが2つもある。
風魔法も見たことはないが予想はつきそうだ。
全体的に高レベル。
きつい戦いになりそうだ。
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