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犯罪者から勇者にジョブチェンジしました〜異世界を救う7人の犯罪者〜  作者: 風野唄
二章 軍事都市 ティキア

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第037話 初仕事

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

「こいお前らの初の仕事をくれてやる。」


渡されたのはモップとバケツ、それにブラシや雑巾などの掃除道具一式だ。

まだ、どんな内容の仕事なのか口にされたわけではないのに理解できてしまう。


いくら潜入中とは言え、こんなことを大人しくやらないといけないのかと気持ちが落ちてしまう。

しかし、ここは任せたぜとその場を離れる騎士団員が見える。


これは好奇とも捉えることができる。

自由に動ける時間は比較的短いだろうから、この時間は貴重だ。


新人に任せるような場所に重要なことがあるとは思えないがそれでも調べる価値はあるだろう。


真っ先にモップを選んで地面を擦り始めた。

見渡す限り埃が舞っていて、もう長い時間使われていなかったことがわかる。


ここに俺の求めている情報がないことは一瞬でわかる。


「あなた掃除くらいしっかりしたらどうなの。」


「あなたじゃない。ノセだ。俺はこの掃除に希望を掛けていたけど、今この瞬間に終わった。」


明らかにやる気をなくした俺を見て、またあの女が俺に詰め寄ってくる。

どうやら、本当に俺が好きではないようだ。

しかし、いきなりの仕事がこんなことなのには彼女も不満が隠せないようだ。


「あ、私はリィウル。リィウル・ハウステルよ。でも、ノセはこんな掃除が好きだったのね。」


「・・・リィウルは、ここのことに詳しいのか。」


「当たり前よ。私は、ここの騎士団のことを聞かれて答えられないことはないわ。」


どうやらこいつは情報をかなり持っていそうだ。

幸いなことに状況はどうあれこいつから話しかけてくれるので、引き出しやすそうだ。


「なんでも?それは嘘だろ。あの説明中に団長が遮った話が何かわかるのか?」


「あぁ、あれはね・・・」


「話している暇があったら手を動かしてくれよ。トップ組。」


1番肝心なところで邪魔が入る。

ここで不用意にあのことを聞き出そうとすれば必死に情報を集めようとするのがバレバレだ。

こいつのせいでチャンスを失った。名前くらいは覚えておこう。


「で、お前は?」


「俺なんて眼中にないってか?・・・なーんて冗談だっての冗談。俺は、マルス。」


「マルスの言っていたトップ組ってのは何よ?」


「男の同期でトップのノセと女トップのリィウル。その2人を合わせてトップ組だ。」


なんとも安直なネーミングだ。

それにここにいる奴らとは手合わせした覚えはない。

つまり、俺がトップかどうかは分からない問題だ。


「んでさ!気になるんだよ。何かしてたのか2人とも。あんな実力簡単には身に付かないぞ。」


俺と違った方で情報を集めるのに必死のようだ。

だけど、俺もリィウルの生い立ちを気になる。

俺の本来の目的とは離れてしまうが、あの怪力はスキルでしかありえないはずだ。


「あんなの力を少し込めただけじゃない。家の兄弟喧嘩の方がもっと酷かったわよ。」


あの勢いで起きる兄弟喧嘩を想定して身震いを起こす。

絶対に喧嘩売ったら殺されることになるな。


「へ、へぇー。特に何もやっていないってことね。んで!ノセは?」


「俺が仮に何かやっていたとして、ここでそれを言うと思うか?試験内容やその時の団員の盛り上がり方を見ただろ?あれは、団員同士の勝負事が日常茶飯事ってことを暗に示している。つまり、俺達が仲間かライバルかまだ分からないってことだ。簡単に情報を出すやつは自信がある奴かただ馬鹿な奴のどちらかだな。」


「つれねーこというなよ。仲良くしていこうぜ!」


「ウチもノセくんの意見に賛成かなー。」


こいつはもう1人の女性合格者。


その戦闘では、派手な動きは一切見せなかった。

何方かと言えば、無駄の無い最適解のような動き。


こう言う奴が爪を隠している。


「ウチは、アイリ。アイリ・ハナーエル。秘密多き少女ってところかな。」


「アイリちゃんって言うのか!かわいいな!ミステリアスな女も好きだぜ。あ、そうだ。君もついでに自己紹介したらどうだ?」


「・・・。」


「無視かよ。」


その言葉を聞いて慌てて手と首を横に振る男。

どうやら話すのが苦手なのか、それとも喋れないのかの理由があるのだろう。


この世界で通じるのか分からないが手話で会話を試みる。


『僕は、イラ・マーテル。幼い頃に悪い魔女に会って喋れなくなる呪いにかけられたんだ。でも、まさか手話が使える子がいるなんでびっくりだよ。』


『俺は意外と多芸なんだ。他のやつには教えてないから秘密だ。』


『もちろんだよ。何せ、僕も文字通り口が堅いからね。』


コミュニケーションを取る方法が限られているだけで、喋るのは好きだったのかもしれない。

イルの名前を他の人に教えたところで俺は手を動かし続ける。


「手話が使えるなんて多彩だなノセ!」


「たまたま仕事で使うことがあったからな。その時に覚えたんだ。」


「つくづく謎の多いやつに思えてきた。てか、もうこんな掃除とか続けてられないぜ。もっと華のある仕事して女からもモテモテかと思っていたのにこりゃないよな。」


こいつの目的は、女にモテることか。

確かに街の様子からしても騎士団員になることはかなりのステータスになりそうだ。


「口じゃなくて手を動かして欲しなさい。もう結構は範囲を私がやってるんだけど。」


「やるねーリィウル。ウチも張り切ってやっちゃおー。」


「じゃあ、俺もー。」


みんなが掃除に集中し始めた。

これは俺にとってチャンスかもしれない。

些細な情報も取りこぼさないように探索をしよう。


掃除をして10分が経過した時、俺は端の机に本が大量に積まれているのを見つけた。

外の表紙には、ティキア騎士団活動録と書かれている。


ここは一見汚く見えるが、過去の情報などを管理しているのか?

そうだとすると奥にある鍵の掛かっている部屋にも何か隠していることがありそうだ。


その1冊に手を伸ばそうとした瞬間に何者かが俺の腕を掴んだ。


バッと振り向くとそこにいたのはイラ。


言葉を無かったが、何が言いたいのかはわかる。

しかし、俺はこれを見ないというわけにはいかない。


1ページ目から書かれていることはすごかった。

ここに書かれているのは隣国に攻め入る計画とそれに必要な準備を事細かく書かれている。


俺が暗記するためにじっくり読もうとした瞬間に扉の開く音が聞こえて慌てて本を閉じ何事の無かったかのように掃除を再開した。


「どうだ掃除の方は。」


「結構進んでいます。しかし、換気をしないと舞っている埃の方は。」


「分かったそれはこちらで対処しておこう。それでは今日はここまでにしよう。最後に訓練のメニューを渡す。これをクリアした者から食堂に来るように。」


渡された紙にはランニングや筋トレのメニューが書かれていた。

掃除をした後にこれをさせられるのは、面倒だとも思ったが口答えはできない。


この場から離れて最初のグラウンドに移動させられる。


その際に俺はしっかりと掃除をした場所を覚えておく。

必ず、この3日間のどこかでまたあの場所へいこう。


そのまま有無を言わさずに特訓が始まった。


ランニング15キロから始まる。

初日からこのハードなメニューをこなさなければならないのは体力的にも精神的にも追い詰められるだろう。


これが出来なければ騎士団ではやっていけないという1つの試験のようなもの。

その証拠に先ほどから見張りの人がいれタイムを確認している。


トップを俺とリィウルが走っている。他の3人はほぼ横並びといった感じか。


そして、全メニューが終わる頃俺たちはかなり体力を消耗し、地面に倒れ込んでいた。


「今から食事だ。少し休憩したら食堂に移動するように。」


それだけ言い残して監視役もどこかへ行ってしまった。


「お、終わったー。」


「男の癖にだらしないわね。ほら、立ちなさい。」


「リィウル。あんた良い女だぜ。」


変なことを口走ったのでマルスの手を握っていたリィウルの手は離された。

案外、あの2人は良いコンビになりそうだ。


みんなが呼吸を整えたのを確認して食堂に向かった。

どんな食事を摂っているのか少し楽しみだ。

ご覧いただきありがとうございました!

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毎日22時から23時半投稿予定!

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