第035話 今日からティキア騎士団
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俺は今、霧がまだ立ちこめる早朝に起きないといけないという苦行を強いられている。
「まさか、こんなに騎士団の入団試験が早いとはな。はぁーあっ。」
睡眠時間を考えれば先ほどから欠伸が止まらないのにも納得できる。
いくら潜入捜査の為とはいえ、今後はこのようなことがないと願いたいな。
事前に調べた本拠地の前には既に人が何人か集まっているのが見える。
もう集合していることからもやる気が違うことがわかるな。
ここにいる全員が合格をもらえるなら、みんなで手を繋いで和気藹々とするのも悪くないだろう。
しかし、誰も言葉を発することなく、相手のレベルを見極める様子かしてそうはいかないな。
ギィーーーーー!バタンッ
正門が開く音が静かな朝に響いている。
今の時間起きているのが、ここだけだと言うことをより強く印象付ける。
「誇り高きティキア騎士団を望む者は集まっているようだな。」
全員がバラバラに立ったり、座ったりと位置取っていたのにも関わらず、姿を現した騎士兵を見るなり1列に隊列を組み敬礼のポーズをとっている。
俺も郷に入っては郷に従えという言葉もあるので見よう見真似で敬礼をしてみる。
「番号ッ! 1 !」
と先頭が勢い良く号令をかけ始める。
俺も自分の番号をあらかじめ計算しておき声をお腹から出す。
そして、最後の団員希望者が締めくくる。
「以上、希望者10名。本日は、よろしくお願い致します。」
その言葉の後に続けて礼をする。
前もって打ち合わせをしていなかったこともあり少しバラバラの印象も受けるが、そこは許容の範囲なのだろう。
「今月の希望者も中々の出来具合じゃないか。付いてこい。入団試験の内容ぐらいは知っているだろ?」
俺は軽く情報を集めたが肝心の入団試験のことは調べていない。
変に探りを入れて詳しいと怪しまれると考えたからだが、どうやら知らない者はいないらしい。
逆に知らない方が怪しまれてしまいそうなので、隠し通せるといいのだけど。
連れてこられたのは、団員が大勢配置されている広場。
そして、真ん中にステージのような物があるのが見える。
なるほど。現団員から見られながらの対戦しなければいけないのか。
合否は言うまでもなく勝敗に左右されるだろう。
誰か声を発したのかはわからないが当然の疑問が投げられた。
「質問をお許しください。我々は、男性7名女性3名です。男女で分けるには、上手くいきません。」
「男女で分ける?それは何故だ。女だから男に負けることがある。それが許されていいと思うか?」
試験を仕切っている団員は、女性陣の方を向いて問いただす。
その言葉には強い気迫を感じる。
性別に身体的特徴の差は関係ないだろという意味を含んでいるのは言うまでもないが、男女関係なく騎士団を志す者は敵を選ぶなという意味もあるだろう。
「いえ、関係はありません。」
女性参加者もそう短く答えるのが精一杯なのだろう。
「ならば、誰でも良いフィールドに上がれスキル無しの決闘だ。最初のやつらは特に厳しい目で見れるぞ。ここにいる全団員からな。」
その言葉を聞いて、希望者は足をすくませてその場から動けなくなる。
これだけプレッシャーを与えて、誰でもいいはないだろう。
まぁ、俺は仮に落とされても他の方法で情報を集めればいいと楽観的に考えているので、そのままフィールドにあがる。
「・・・ほう。最初に上がったのはアイツか。」
確かに最初の人物は注目を集める。
その後、続けて上がってくる様子はない。
全員が譲りあっているようだけど、それがマイナス評価に繋がると考えないのか。
時間だけが過ぎていく。
朝早くに起こされて、一生働くわけでもない入団試験にここまで無駄な時間を使わされることに徐々に苛立ちがこもってくる。
俺は1度奥の方まで歩いたのにわざわざ引き返して入団者達に一言だけ言葉を掛ける。
「早く上がってこいよ腰抜け共が。」
そして、また奥の方へ歩いていく。
戻る途中で見守っている団員からは爆笑の声が聞こえる。
俺の煽りはどうやら面白かったらしい。
そんなどうでもいいことを考えているとやっと1人がフィールドに上がる。
表情は怒り。
そんなことは少し距離が空いていてはっきりとは確認できなくてもわかる。
「ちょっと生意気で最初にフィールドに上がったからといって調子に乗るなよ。」
「その生意気なやつが煽るまでフィールドに上がってこなかっただろ。ってそんな無駄話を試験中にするのは良くないな。実力は戦いの中で。そうだろ。」
「望むところだ。」
「じゃあ、両者、構え。」
その掛け声と共に腰に付けていた剣を抜き取る男。
見た目からして結構派手な武器だが、実用性はいかほどに。
「はじめ!」
その合図と共に俺の方へ近づいて来る。
その勢いはすぐにでも俺の首を討ち取ろうとしているのが伝わる。
「あんまり俺を甘く見るなよ!!!クソ野郎がぁーーー!!」
敵に大きな声を上げながら近付き攻撃。
既に姿を見られている場合は、気合いを入れたり、威嚇する意味合いで効果があると思う。
「能無しの獣だな。これは。」
団員の方からそんな言葉が漏れる。
相手は俺の首だけを見ていて他が疎かだ。
狙うなら一撃で仕留めようとせずに、足などの機動力を奪うべきだったな。
俺は相手の注意が届いてない足下を蹴りで払う。
本来であれば武器を取り出して攻撃すればいいのだが、相手が考えなしで行動し隙を与えてしまっていたとアピールするにはこれが良いと思った。
「お前、俺に止めを刺さなかったこと後悔させてやる!!!」
そのことを理解した本人は顔を真っ赤にさせて声を荒げる。
しかし、冷静さを失えば失うほど戦闘で隙が出るのは言うまでもない。
「落ち着けよ。俺に勝ちたいなら深呼吸がおすすめだ。」
そんな言葉も耳には入っていないようだ。
いや、入っていたからこそ止まれないのか。
今度は心臓に向かって攻撃を入れたらしい。
それが決まれば即時勝利で試験終了だからな。
決まれば良いけどな。
「さっきから動きが少な過ぎて簡単に当たるぞ!」
「見える隙を疑うことも駆け引きの1つだ。お前向いてないよ、戦うの。」
相手が前に出した剣をギリギリまで身体に引きつける。
そうして、もう後戻りできなくなった段階で身体を少しだけずらす。
攻撃こそ俺を掠るようにして当たるが致命傷でなければ問題ない。
顔面に向けて1発今度は黒鉄では無く、俺の自身の拳で。
その方がスッキリして気持ちがいいからな。
モロにパンチを喰らった男は地面に倒れてぴくりとも動かなくなった。
「勝者は、合格とする。医療班は2人を回復しろ。」
そういうと2人の女性団員が姿を現して、俺らに無言で【回復魔法】を使った後に戻っていった。
「次に挑みたい者は前に出ろ。」
終わった後は興味を失ったかのように、次の人の品定めを始めた。
俺の横には負けたアイツが並んでいるが、他の人の決闘そっちのけで俺のことを睨んでくるのでやめてほしい。
気まずいので、とりあえず戦いを眺めていると何人か動きの良い人物を見つけた。
1人はよく質問をしていた男。
彼はかなりのインファイターで懐に潜り込んだら相手の時間を一切与えることなく勝ち切った。
もう1人は女。
相手がかなりの巨体の男だったにも関わらず、軽々と持ち上げて吹き飛ばした。
全員がスキルの可能性を疑ったが、試験官がいうには違うらしいのでセーフらしい。
あれがスキル無しならあまり近付きたくないな。
なんかの拍子に腕をもがれそうだ。
「本日の試験は以上とする。合格者5名は残るように。他の者は帰っていいぞ。」
そう言うと少し躊躇いを見せた不合格者は俺たちを一瞬見て門をくぐっていった。
この試験に何回も参加できるものかは知らないが、この経験が糧になることを願うばかりだ。
残った5人は、俺と注目した2人。そして、女性1人に男1人。
ここまでの潜入は上手くいった。
変装も怪しまれることは無かったので、計画に支障は無さそうだ。
試験官に連れられた会議室のような場所に俺たちは連れて行かれた。
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