第024話 不幸中の幸い
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「大丈夫かーい!」
「一ノ瀬さーーーーん!!!」
「心配するなちょっと落下の衝撃が残っているがそこまで高さがあるわけではないみたいだ。」
「なら、ワシの【念力】で引き上げるから待っててくれー!」
「ちょっと待ってくれこの先に道が続いてるみたいだ。どうやら、ただの落とし穴じゃないぞ。」
俺は目の前の薄暗い通路を進んでいく。
道には一切の日の光も入っていないはずなのに、どこかに光源があるのか視界は完全に閉ざされた訳ではない。
この道はどこまで続くのかと思い歩くと行き止まりに立ち止まる。
今まで誰もここには立ち寄ったことがなかったのか壁には苔があったり、ひびが入ってたりするのがわかる。
しかし、これだけ立派に舗装された道に先が行き止まりで終わるのか。
俺はそう疑問に思い辺りを調べる。
「ここだけやけに苔が多いな。他の周りの壁はほとんど苔がないのに。」
何かを隠しているように生えている苔があるのに気づく。
その苔を取り除くとそこには俺には判別することの出来ない文字が書かれている。
読むことはできないがこれを解けば何かあるのは確かだ。
アイテムバッグから紙とペンを取り出す。
完全に真似するのは難しいが模倣して書いておくことにした。
これで後から調べることができるかもしれないからな。
一旦来た道を戻ってみんなと合流することにした。
落ちた挙句に勝手に1人で行動したんだ。
さぞ、心配させてしまっていることだろう。
「こっちのことは調べ終わった。悪いが引き上げてくれないか。」
井村の【念力】によって俺は元いた地上に引き上げられる。
「大丈夫だったのかい?あの穴に落ちたみたいだけど。」
「ごめんなさい!私が、私が勝手に動いたから!」
「この通り動くことに何も支障はないし、謝ることはないぞ。良いか悪いかは分からないが面白い発見もあったしな。」
先程メモした謎の文字をみんなにも共有しておく。
こっちに来たのは同じタイミングだから、この文字を見せられてもなんのことか分からないだろうけど。
「なんですか?これ?文字にも見えますけど。」
「落ちた先で見つけた。これを解けばここに隠された謎が解けるかもしないな。」
全員がその話に興味を持って耳を傾ける。
「確証がある訳ではないからここに滞在している間に解けるといいと思う程度だがな。」
「何を言ってるんだよ一ノ瀬君!これは大発見になるかもしれないんだ!時間があればじっくり調べようじゃないか!」
井村はこういった謎を調べるのが好きらしい。
良い歳なのに興奮して渡したメモを何度も見返している。
今の情報だけでは絶対に解けないだろ。
俺達はこのまま帰ることになったのだが前にマッドサーペントの牙を抜いておくことにする。
アイテムバッグにはマッドサーペントは1匹分も入らないのだが、素材の一部くらいは回収できることに今更ながら気づいたからだ。
「それにしても沼地では他の魔物を見ませんでしたね。」
「魔物同士には縄張りがあってそこ以外には迂闊に近付かないじゃないか?」
「ワシの本にはそんなこと書いてなかったけどなぁ。もしかしたら、他の要因があるかもしれないが今のワシらには関係ないだろう。」
「そうですねー。この沼地二度と来たくないですよ。トラウマになりました。」
「蛇に落とし穴。色んなひどい目にあったからな。無理ないな。」
ギルドについた俺達は、カウンターで依頼達成の報告を済ませていた。
ドゴォーーーーーン
外からけたたましい音が聞こえてくる。
何か爆発したような音にも聞こえる。
外で一体なにが起こったのか。
こんな音がしたのギルド職員や冒険者達は一切焦りの表情を見せていない。
これが当たり前だと言わんばかりだ。
「どうかなさいましたか?」
「どうもこうもさっきの音聞こえてたんだろ?」
「あの爆発音のことですか?あれは空砲ですから大丈夫ですよ。ティキア騎士団の決まりごとで毎日午後6時を伝える手段として空砲を発砲しているんですよ。」
「だから、こんなにもみんな何事も無かったような立ち振る舞いなのか。」
「えぇ。ここでは日常茶飯事ですからね。ここに滞在する時は覚えておいた方がいいですよ。」
そのことを他の3人にも話しておく。
何があったのか分からないという顔をしているからな。
今日の依頼で集まったゴールドは12000ゴールドと牙の2000ゴールド合わせて14000。
1人辺り2000ゴールドと結構な稼ぎになったのではないだろうか。
牙が1本100ゴールドだということに驚いた。
この街にはどうやら鍛冶屋というものがあるらしく、魔物の素材は良い値段でギルドが回収することが多いのだとか。
その鍛冶屋には興味があるが大人しく、他の3人を待っていることにしよう。
宿屋で待つことにした俺達はもう慣れてしまった道順をゆっくりと歩いていく。
「この街には騎士団があるんですね。最初に会った男の人も騎士団ですかね?」
「多分、そうじゃないか。あんな重い甲冑を街中で着て歩いてるなんて大変そうだけどな。」
「それよりもあの空砲音だよ。もうワシも若くないから心臓に悪くて仕方ない。」
この街では知らないことが多すぎる。
今度休日をもらえたら調べることにしよう。
しばらく宿屋のフリースペースで雑談をしていると誰かがこっちに近づいてくる。
やっと他の3人が戻ってきたのかと思ったら甲冑を着た男達が数人俺達を取り囲む。
「貴様らがアロットの国王が召喚した勇者達だな。」
「だったらどうする。わざわざ甲冑まで着込んで喧嘩でもしに来たのか?」
「これが威圧的に感じたのならすまない。こちらとしては、どんな顔なのかと一目見ておきたいと思ってな。」
「一ノ瀬さん。この人達普通に私達を見に来ただけですよ。さっきのちょっと失礼かも。」
言葉を真に受けて、俺の発言が失礼だと慌てている清水。
確かに失礼なのを認めるが、それは両者共にそうだろう。
「こちらもすまなかった。こっちの街には来たばかりで、常に警戒心を持っておかないとと思ってな。」
「それは良い心掛けだ。私たちはもう退散しよう。」
本当に俺達の顔を覚えに来ただけらしく、そのまま宿屋を出ようとする。
最後に扉を開けて店を出ようと瞬間にこちらを向き直す騎士団の男。
「それとこの街ではくれぐれも怪しい行動はしないでいただきたい。例えば、魔王討伐に必要だとかいう理由でこの街に伝わる秘宝を持っていこうとするとか。まぁ、怪しい行動だと思えば街中に配置された騎士団に厳しい目に合わされるかもしないけど。」
これは脅しも兼ねた牽制。
俺らが秘宝を探しているのも知っているということか。
あえて、厳しい目と濁してはいるものの武力で押さえつけようとしているのは間違いない。
「できるのかよ。」
俺はあえて挑発で返す。
どれだけ心が揺れ動くかで相手の強さが少しは理解できる。
「あぁ、いとも簡単に。」
距離が離れていたというのに一瞬で距離を詰めて腰の刀を抜いている。
何が起こったのかさえ分からぬままに。
相手の方が実力が上なのは確からしい。
感情1つ変えずにただ自分の強さを見せ、その場から立ち去っていく。
それといえ違いに3人が帰ってくる。
顔色を見る限り、そっちも大変そうだったらしい。
「こっちの成果は薄いですよ。こっちが秘宝について聞き取りしていると必ず騎士団のやつらが絡んでくるんです。」
「他の一般市民が見てる手前、派手な暴力こそ無かったがな。」
「アタシは街の相場などがゆっくり知れて満足だけどね。」
3人はあまり上手く活動出来なかったらしい。
俺は3人に2000ゴールドずつ渡して今日の報告をした。
「なら、その祠に秘宝がある可能性が高いのではないか?」
「いや、それは断定できない。もし、あそこに秘宝があるならそれを知った騎士団が取られること懸念して見張りの1人くらい警備させていそうだ。それにこの文字が読めない限り下手に行動するのは控えたい。」
「そうだな。俺達の行動を監視しているようだから、なるべく邪魔はされたくない。」
この文字を解き明かした先にどんな事が待っているのか。
何も分からないまま、会議を終えた。
明日もきっと何かあるかもしれないと思い、他のことを一切せずに眠りにつく。
秘宝争奪戦
これで勝つのはどこの誰なのか考えながら。
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