表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/185

第022話 軍事都市ティキア

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

「ここが軍事国家ティキアですか。」


俺達は今、ティキアという街に来ている。


数日前の話し合いで戦力強化の為にこの街を訪れることになった。

そして、もう1つ魔王の討伐に必要不可欠な秘宝も狙って。


「おいそこの者達。見たことない顔がぞろぞろと何をしに来た。」


どうやら歓迎ムードではないことを目の前の甲冑姿をした男が物語っている。


俺たちがどんな返事をしてもいいように腰につけた剣に手をつけているのが見える。


「俺達はただ観光をしに来ただけだ。それともこの街は観光禁止だったのか?」


大城が前に出て返事をする。

こういうタイプは子供の意見になど耳を傾けないからな。


それと同時に俺達の邪魔をする訳ではない大城に驚く。

記憶は戻っているはずならば、悪業の限りを尽くすものだとばかり思っていたのに。


「ここは観光が出来るような場所ではないぞ。まぁ、すぐに飽きるだろうな。好きにしろ。」


そういうと甲冑の男はどこかへ歩いていった。


「なんで本当のことを言わないのですか。国王の命により秘宝を探していると言えば協力してくれるかもしれないじゃないですか。」


「待て、上野。大城が誤魔化した方が正解だ。もし、秘宝がこの国王陛下を裏切ってでも守り抜く価値があったのだとすると警戒されてしまう。」


「俺が犯罪者としての記憶を蘇らせたから焦っているのか?それぐらいで曇る眼なら捨ててしまった方が良い。きっとこの先邪魔になる。」


悔しそうに手を握りしめた上野。

大城の言葉が正しければ正しいほど、上野は自分の言葉の粗に後悔することになる。


「何してるの3人とも。アタシ達は武器調達も兼ねてるのだからさっさと店を見て回るわよ。」


「本屋があるといいな。アロットでも色々と面白い本があったし。」


事情を知らない4人はいつもと違う風景に心を躍らせている。


俺も新しく来たこの街には期待している部分が多い。

今回は3日間の間で結構な金額を集めてきたので、買い物も十分楽しめそうだ。


まずは武器屋を見てみたいということになり、7人全員で武器屋へ向かう。


俺は現状2本も武器を持っているので困っている訳ではないが、新しく魔法スキルも覚えたし杖もいいかもしれない。


「いらっしゃいませ。あら、珍しいですね。旅の人ですか。」


俺らを見るなり店主はそう言った。

さっきの甲冑の男も言っていたように顔馴染みのないやつはあまり来ないのだろう。


「あのー。私の武器また見てもらっても良いですか?前の弓もまだ使えるんですけど、折角なら新調したくて。」


申し訳なさそうに俺の横に来てそうお願いをする小原。

俺的には言われたら誰でも鑑定してやるつもりだったから問題はないのに、律儀なやつだ。


小原は俺が頷くと2つの弓を持ってきた。

どうやら候補は決まっていたようだ。


2つとも鑑定して俺は良いと思う方を手渡した。


名前:蒼弓【凛海(りんかい)

説明:蒼弓シリーズの1つ。素材はどれもとある大海原でしか手に入らない物で、制作が困難。かなりしなやかでありつつ、耐久性がかなりありある程度のことでは壊れることはないらしい。噂では、1発矢を放つと海をも切り裂く威力が出るとか出ないとか。

スキル:【頑丈】Lv2 【身体強化】Lv1


値段は5000ゴールドと今までのものと比べるとかなり高くなるがこれにはスキルが2つも付いているし、1つは【身体強化】なので女性には嬉しいだろう。


それと今の弓とシリーズ物になっているのも勧めた理由だ。


「私は、見た目ぐらいしか判断基準がないので助かりました!ありがとございます!」


会計の方に進んでいく、小原。


俺も自分の買い物に集中することにした。


ここにある武器はどれも値段が張る分良い物を取り揃えてあるが、俺には進化刀があるし、もう1つも使い道は投擲武器なので買い替えるまででもないな。


店主がこっちの方を先ほどからチラチラと見ている気がする。


いや、正確にはこの進化刀を。


俺と目が合った店主は気まずそうに話しかけてくる。


「あははは。すみませんねー私、武器のことに目がなくて。」


「この進化刀のことを知っているのか?」


「知ってるもなにも進化刀は武器屋を開く人間なら誰しもが知っているものですよ。最初はなんの変哲もない武器ですが、絶対に売り場に出すということはしませんね。」


「なら、進化刀と知らずに200ゴールドで売るというのは?」


「絶対にありえません。なんなら、武器屋を経営するのに必要な免許を取得する際の筆記試験でも問題に出ますし。」


それならあの店主もそれを知らなかったわ訳がないか。

いや、年齢的にボケて覚えていなかったのかもしれないな。


これは良い買い物をしたかもしれない。


「折角、進化刀があるならこれも一緒に買っていかれませんか?」


店主は1度裏の方へ行って戻ってくる。

何を持ってくるかと思えば、手に持っているのはただの鞘だった。


名前:黒龍(こくりゅう)我解(がかい)

説明:とある進化刀と一緒に使われていた鞘。しかし、現在は刀はどこかへいってしまい鞘だけが残っている。色は全ての光を飲み込むような漆黒で、重さはまるで感じられない。進化刀とセットで使うことで成長スピードを早める。

スキル:【進化刀専用:成長促進】Lv1 【軽量化】Lv3


これがあれば進化刀を早く成長させることが出来る。


俺は迷わずに購入することを決めた。


「12000ゴールドになります!」


まさか、こんなに値段がするなんて思いもしなかった。

しかし、背に腹はかえられない。俺の主力武器の強化に繋がるんだから良しとしよう。


全員がそれぞれ武器を選び終えると、店を出ることにした。


他にも見てみたいものが多いが1番は部屋を確保することができるかどうか怪しいからな。


今までは快適な暮らしは王宮でしていたが今は違う。全て自分達で生活のことまで考えなければならない。


「ここが宿か。随分と人が多いな。」


「いらっしゃい!ここは宿屋”銀の花”よ。7人で泊まりかい?」


「そうですが、部屋は空いてますか?」


「大きい部屋はあまり利用客がいないから2部屋空いてるよ。男女で別れて使うと良いんじゃないかな。」


「料金はいくらになりますか?」


「1週間で1部屋1万ゴールドよ。小部屋だともっと安いんだけど、その人数ならこっちが安いって割り切りったほうがいいね。」


どれだけ滞在することになるか分からないが、みんなで割ればそこまでの金額にはならないだろう。


それにここの街では冒険者が少ないのでギルドの報酬が美味しいとアロットの酒場で聞いたことがある。


準備をする中で金策は重要だ。


たっぷりと稼がせてもらうことにしよう。


荷物を下ろすと一旦1つの部屋に集まり会議をすることになる。

明日以降の動きはしっかり決めて行動したい。


「俺は依頼よりも秘宝の情報と街の散策に時間をかけた方が良いと思う。」


大城が提案をした。ここに来た目的は秘宝だが、それがあること以外の情報は持ち合わせていない。

なので、いつかはしないといけないことだと思う。


「俺は依頼が優先だと思う。ここで色々と動くにしても金が絶対的に必要だ。あっても困るものでないなら稼げる時に稼いだ方が良い。」


ここに来るまでに多くの金を使った。

金欠で生活するのも精一杯ですという状況になったら笑い話にもならない。


「それなら、2つのチームになって動きましょう。2人の言い分はどちらも重要なことですから。」


「それもそうだな。俺は異論なしだ。」


「俺もそれで良い。ただ、依頼側を4人にしてくれ。戦力は少しでもあった方がいいからな。」


俺がリーダーの依頼チームと大城がリーダーの情報収集チームに分かれることになった。


みんなの意見を聞いてまとめた結果、大城の方に宮武と上野が行くことになった。

宮武は戦闘よりも情報集めの方が向いているだろうし、上野は大城を監視しておきたかったのだろうな。


「それじゃあ、明日は今日決まった通りにお願いします。」


そうして、ティキアに来てから1日目の生活はゆっくりと終わりへ向かっていく。


ここでの目標を達成するまでにどんな出来事があるのか。

不安の中に好奇心を混じった感情を抱いて俺は眠りについた。


ご覧いただきありがとうございました!

宜しければブックマーク、いいねお願いいたします。

毎日22時から23時半投稿予定!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ