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災厄の伝承: 第三歌『鴉瞳の英雄』第一節
嗚呼
歌い伝えよう
我らの過ち、その報いを
聞いてくれ
我らが神、アントマキウスよ
カチタータの未来の民よ
これは戒めの歌
我らの後悔の形だ
そして、連綿と続くその血と共に伝えてくれ
人は愚かで、忘れやすい
どうか、忘れないで欲しい
それこそが次なる災いを防ぐ
ある時、神は宣った
災は未だ止まることは知らぬ
驕れる者は驟雨に打たれ、凍えるが
驕らずとも空に雲はかかるものだ
嗚呼それは
人々の希望をかき消した
英雄は打ちひしがれる
黒き野に立つ救国の英雄は、神を呪う
神よ。それがあなたの答えなら
私はせめて、
この身を以て残りの民を救いましょう
黒き災は白き呪いに飲まれ、焼け跡の大穴に落ちていく
嘆きの悲鳴が黒野に連鎖する
災よ
闇のうちに眠りたまえ
そして我らは自戒するのだ
もう二度と
災が目覚めぬよう




