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災厄の伝承: 第二歌『鴉瞳の英雄』第一節
嗚呼
歌い伝えよう
我らの過ち、その報いを
聞いてくれ
我らが神、アントマキウスよ
カチタータの未来の民よ
これは戒めの歌
我らの後悔の形だ
そして、連綿と続くその血と共に伝えてくれ
人は愚かで、忘れやすい
どうか、忘れないで欲しい
それこそが次なる災いを防ぐ
ある時、神は宣った
災には立ち向かわねばならぬ
逃げまどう者に、どうして救いがあろう
鴉の瞳を持つ者よ、お主が呼びかけるのだ
嗚呼そして
人々は立ち上がった
それは勇気の証
神はその勇を無碍にはせぬ
鴉の瞳よ。赤き炎の如き双眸よ
その力で我らを導き、救いたまえ
其れは鴉瞳の魔法使い
白き災はその紅蓮に焼かれ、消えた
人々の声がカチタータの山に響きわたる
凱旋だ
災厄を乗り越えた英雄が街に戻る
これは英雄の歌
讃えよう
白き災を退けた、救国の英雄を




