表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ポチと

ポチと③(鏡の中のポチ)

作者: まえとら

娘が玄関にある姿見の鏡の中を見て動きをとめていた。

「何してるの?」

「今、ポチが横切ったの」

「何言ってるのポチはもういないのよ」

私は玄関を見渡したが私と娘以外何もいない。

「見てみてよ」

「まったく何を寝ぼけて・・・」

(犬が鏡の中を横切った。ポチ?そんなばかな)

私は振り返り玄関をもう一度見渡した。やはり何もいない。とするとポチ鏡の中にいるのだ。


夫はカヌーで旅に出ている。


私は鏡の中のポチに呼びかけた。

「ポチ。おいで!」

鏡の中のポチがこちらに気付いて駈けてくる。すると鏡の中からポチが飛び出した。

「よーしよしよし。ポチ」

私と娘の目から涙がこぼれた。

(この鏡を割って鏡の中に帰れなくしてしまえばポチはずっとここにいるんじゃない?)

「ワン!」

一声吠えるとポチは鏡の中へ駈けこんだ。

私がふりおろしたケトルによって鏡は割れ、床に破片が散らばった。

ポチの姿はなくなっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ