勇者side1
どうも。ちょっとブックマークが増えていました。ありがとうございます。嬉しいです!!
あとタイトルちょっと変えてみました。こっちの方か親しみやすいかも?評判が悪ければまた考えます。
そして今日は別視点となります。こういった別視点はまぁまぁな頻度で混ぜていこうと思っています。
僕は勇者だ。
そのような、言ったら鼻で笑われるようなモノに僕はなってしまったらしい。この異世界で。
僕は地球では別段特別な人間じゃない。寧ろ普通だと言っていいだろう。
そう、あの日も普通に友達と遊んでいたんだっけか……。
っと、危ない危ない。長い回想は嫌われがちだからね。止めておこう。
とにかく、地球で普通に生きていたら突然この異世界に召喚されてしまったんだ。
途中で滅茶苦茶綺麗な女神様にも頑張るように頼まれたし、こんなにも周りにも期待されているみたいだから頑張るしかないよね。
「勇者殿。勇者殿には魔王を倒して欲しいのです」
王様は僕のことを勇者と言う。いや、王様だけじゃない、僕の世話をすると言っているメイドさんも、すれ違う兵士さんも、小さな子どもまでもがそう言う。
何度僕が名前――モトアキ――と呼んでくれと言っても勇者様と言うんだ。ちょっと他人行儀で悲しいけれど、仕方ないよね。
……で、話は戻すけど、王様が言ったことに僕はイエスと言うしかなかった。だって頼れるものは自分しかいないんだよ?逆らったら次の日には土の中に違いない。
「おぉ、さすが勇者様!」
「何がさすが勇者様!」だよ!白々しい。目の奥が抱腹絶倒のギャグを見た後ぐらい笑ってるよ。まったく、とんでもない狸だ。
王様に魔王討伐を頼まれて承諾したその日夜、僕は暗殺されかけた。
ビビった。マジでビビった。ブルブルのほわんほわんのギュルンギュルンだ。
王様は(一応)味方になったわけだし、勇者になった僕を害そうとする人なんていないと思っていた。ある意味安心していたんだ。
……気付いたら僕の目の前に小さな男の子が居たんだ。何処から侵入したのか分からない。
それどころか居ることに違和感を感じないぐらい当然のようにそこに立っていて、こちらを見てからその手をこちらに突き出したんだ。
カキンッ!!
その手と僕の身体がぶつかる直前、その手がナニカに弾かれた。そしてその時、僕は初めて自分が殺されかけたことを自覚したんだ……!!
「……!?まさかこれはラ・フルールのバリアですか……!」
その少年が言うラ・フルール。何処かで聞いたことがある気がするけれど……思い出せない。
その少年はその後、諦めて消える様に去っていった。
……夢じゃないよね?いやまぁ、確かめる方法は無いんだけども。
……ヤバいなぁ。僕、この世界で生きていける気がしないなぁ。危険すぎるよ。
一日目で死にそうになるなんてハードモード確定なのかもしれない。……ぴえん。
☆☆☆☆☆
「こちらがステータスです」
次の日。暗殺されかけたことを王様に伝えると、暗殺者にも勝てるよう、早く強くなることをオススメされた。
……いや、警備は強くならないのかよ!!
と思ったが、どうやら今の時点でもかなりの警備状態らしく、これ以上厳しくするのは難しいらしい。
……まぁ、ないものねだりをしても仕方ない。侍女さんに言われているステータスとやらを見てみるとしようかな。……ますますゲームっぽい世界だね。
モトアキ(勇者)
レベル15
……え?これだけ?
「はい。勇者様。こちらがステータスです。レベルが上がれば上がるほど、存在としての格が上昇し、強くなります」
うーわ。これは手抜きですね。メイドさんの雰囲気的にも騙そうという感じもないし。神様、明らかに作ってる最中に面倒くさくなったに違いないよ。
ちなみにこのレベル15っていうのは強いのかな?
「一般市民の平均レベルが10であることを考えると、常人よりは強いですね」
……うーん、雑魚!!普通チート級の能力とかでウハウハの異世界ライフ何じゃないの?泣きたくなっちゃった。
一般市民より少し強い程度の僕に魔王を倒せと?
「ちなみに王は申しておりませんでしたが、魔王は全部で七体居ます」
七体!?魔王が!?……こんなの契約違反じゃないか!後出しで情報を出すなんて狡い!……ちくしょう。
……仕方ない。ここは日本じゃないもの。覚悟が足りなかったのかもしれない。これからもとんでもない理不尽が僕には降り注ぐんだろうな。
……不憫さと悲しさ部門でチャンピオンに成れそうだよ。
「魔王は全部で七体。憤怒、傲慢、強欲、暴食、色欲、嫉妬、そして不殺です」
え!?まさに地球で有名だった七つの大罪じゃないか!!……って、ん?不殺?怠惰じゃなくて?
ありがとうございました。
多分次も勇者君視点だと思います。




