空のこころ
雲ひとつなく、薄い薄い青色が、上半分の一面にびっしりと広がる。
スズメが電線に、音符のように止まり、落ち着きなく羽をはためかせながら、頻りに動き回る。
轟音と共に、翼を携えた大きな機体が宙を飛び、後ろから吐き出された白くて細い線が、くっきりと跡を残す。
プチッと、空のスイッチが押されたかのように、突然現れた灰色の空からは、地面に突き刺さるような水の針が、何本も何本も降る。
この灰色と、千を超えるほどの透明な線の連なりが、ずっと続くような空模様が、変わりなく繰り広げられる。
刹那の光が走り、他に及ぶものがないほどの大きな擂り潰し音が、大地に降り注ぐ。
突然、透明な線も、光のひび割れもなくなった空は、静かな寂しさに満ちていった。