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怖いくらいうつくしい

 放課後になると、世界は夕暮れになる。

 だれもいなくなった教室の窓辺に寄り、裏山の輪郭や、夕空のグラデーション、雲の複雑な色彩、遠くの空にある紺色、憂鬱に横切る鳥の影絵を眺めた。

「きれいな夕焼けですね」

 知らないうちに後輩は僕のすぐ後ろまできていた。

「自然のうつくしさってずるいよね」

「そうですね」後輩は僕の横にくっつくようにして立った。「世界じゅうのすべてのひとは、この夕焼けをうつくしいと感じると思います。でもそんな、有無を言わせないうつくしさって、すこしだけ怖いですね」

「僕はこうやって後輩が隣にきてくれるときの温度、好きだな」

「明日もまた、お弁当をつくってきますよ」

「明日は僕も手伝うよ」

「じゃあ苺をいれてください」

「いいよ、重大な仕事だね」

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少女に、芸術と人生について語る小説、『さよならを云って』も連載しています。
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