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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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55話 零秒①

「ワハハハ!往けィ案内人アストレイたち!」


 グランガイザスと化したランの号令で、案内人たちがジャスティスたちに襲い掛かる!その力はかつての全盛期の力を持つジャスティスそのもの。それが3人もいるのだからたまったものでは無い。が、ジャスティスはすぐに案内人の隙を見つけた。ジャスティス本人とコピーの間にある明確な違い。それは経験。力の使い方を知るジャスティスだからこそ、案内人が力をただ振り回しているだけなのがよ~くわかる。所詮上辺だけの紛い物。ジャスティスは『本人』だからこそ、ジャスティスパワー初心者の隙がよくわかる。


「なんて思っているのか?プロトタイプ案内人アストレイ

「…!?」


 グランガイザスの声が、案内人の一人の攻撃を凌ぐジャスティスの動きを止める。案内人も空気を読んで動きが止まる。プロトタイプ。その単語が持つ不吉な意味が、ジャスティスの心を抉りぬく。今まで、もしかしたらと不安に思っていた可能性。自分は本当にジャスティスなのか、と。


「グランガイザス…いや違うな。余はバラバラになったグランガイザスの力を一つにしたグランガイザスを超えた真のグランガイザス…パーフェクトガイザスだ!」


 パーフェクトと言いつつ、骨と肝臓と膵臓と筋肉の力を失っているが、さして問題はない。ほぼパーフェクトなのだから、実質パーフェクトガイザスなのだ。


「イクス様!貴様ぁ!」


 案内人の一人と交戦するイクスシェイドが怒るが、案内人は動きが単調なイクスシェイドを蹴り飛ばす。ダメージは無いものの、地に伏せるイクスに意識が向かうため戦闘に集中できないイクスシェイドの動きなら止めることも容易である。


「さて、邪魔者をしっかり止めておきたまえよ案内人。聖女を呼ぶからな~」


 伊集院英雄、イクスシェイド、サガ、フォーゲルといった強者を案内人たちが牽制する。イクスは倒れ、ジャスティスの動きが止まっている今こそ好機!


 イクスシェイドがなんかごそごそ動いている。その動きは空術のそれに似ている。イクスシェイドは空間ジャミングを展開しているので、空術による空間転移・敵の内臓だけ空間転移・敵の内部に空間転移といった空術は使えないはずだ。


「ワッハッハ。空術じゃないんだなぁ。これは時術!時空跳躍!この場に0秒前の世界の聖女サンを呼び出すのだ!」

「なに…!?0秒前だと!そんなの屁理屈だろ!」


 空術使いイクスシェイドのブーイングを無視し、パーフェクトガイザスは術式を展開する。算数において0という数字がある。0が存在するのなら、存在すると心に強く確信しているならば、精神を力に変える術にもその確信は作用する。そして時空跳躍は、基本的に同じ場所の過去未来を行き来する術である。聖女サン、アーウィン、そしてトッシュが10数年の時を跳んだ時も、同じ場所に飛んでいた。


 が、ここで一つ疑問が生じる。トッシュは前回は同じ場所に飛んでいた。が、今回は違う場所に飛んでいる。四国大陸の北方、雪と氷に閉ざされた火の国ヴァイスランドの最奥だ。トッシュは空術を八卦の技で再現したところ、空間と時間を移動する結果となった。トッシュがそのような転移をしたことをパーフェクトガイザスに知る由もないのだが、同じ結論に至っていた。それはある意味必然。時術とは、空術を内包する力なのだから。


「0秒前の聖女サンの時空跳躍!その跳躍に空術を適量注ぐことで、この場にさぁ来ませい聖女よ!」

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