表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐、始めました。  作者: 中島(大)
86/236

53話 流麗、花鳥風月②

 スバっと斬り裂かれた傷から噴き出す鮮血!勝負あり!剣士としてトッシュは敗北!


「見事…!剣士として…俺の敗北!」


 アッシュにとってトッシュという人間は別に憎い相手ではない。命まで取る必要はあるのだろうか…。しかし彼には理由があった。なまじ実力が伯仲していたが故に、その首を斬らねばならない。新陰流本家にしか使ってはならないはずの極伝、花鳥風月。それを秘匿するために。見た者は生かしてはならない。来たるべき決戦に備えて。一族の悲願のために。剣士としての単なる勝利だけに満足するわけにはいかないのだ!


「その命もらい受ける!御免…!?」


 そのまま首を抉ろうと剣を構えるアッシュだったが…違和感!おかしい、血が少ない。内臓まで達するその斬撃、出血は止まらず辺り一面赤黒くなるはず…。だが、まるで280mペットボトルの中身を全部零したよりも明らかに少ない血液量!


「だが、ここからは俺の全てで勝負する!」


 ここから先は剣士ではなく、拳も闘気も八卦も解禁した本当のトッシュが相手だ!トッシュは斬られた瞬間、暗黒真拳・集気法で傷をすぐさま塞ぐ。あまりにも重症だったため闘気はやはり空っぽだが、剣縛りから解禁された現状、剣士トッシュよりも22%増しの性能スペックだ!


「なに!」


 突然のトッシュの復調にアッシュは動きに混乱が生じる。その隙を狙ってトッシュが繰り出すのは暗黒真拳対地の拳!メテオボンバー!飛び上がり、重力を友達にし下界の敵に右拳を振り落とす!しかしその大きなモーションに、アッシュは後れを取り戻し見事右へ回避する。が、トッシュもわかっていた。あえて、自分の左に逃げられるよう、やや右よりに拳を狙っていた。このメテオボンバーは囮。左側のアッシュへ向かって、左手の魔剣ブラックソード・ゼロを突き出す!


 ガシィ!しかしアッシュも裏暗黒新陰流の達人!極伝・無刀取り、弐の巻・白刃取りでブラックソード・ゼロを止める!いかに無手が強かろうと、剣道三倍段!剣の持つ攻撃力には叶わない!本命は剣に違いないとアッシュは読んでいた。崩れた体勢から放たれる剣ならば、無刀取りの中でも難度の高い白刃取りも容易!


(…!?)


 …裏をかいたつもりのアッシュだったが、ブラックソード・ゼロもまた、トッシュの囮だった。裏の裏は表。トッシュの本当の狙いは…拳!白刃取りをされた瞬間、トッシュはブラックソード・ゼロから手を離す。今のトッシュの体勢…左手を開き前に突き出し敵をロックオン。右手は腰だめに。腰は落とし、肩幅程度に開いた両脚。右拳に力を込め(闘気ではない。闘気はまだ空のまま。しかし絶対勝つという気合が入った拳には自然と力が込もる。それは時に、闘気をも超える力となる!)、放て!必殺の拳!


(もはや回避はできん!耐えろォ!)


 トッシュの左手の位置から、狙いをボディと察したアッシュはムキムキと腹筋に力を入れる。アッシュ自慢の7つに割れた腹筋で勝負する様はまるで故事成語の矛盾の如く!


「マグナムブロオオオアアアアア!」


 白刃取り後の硬直。無防備なアッシュの腹部にドゴンと決まる最強トッシュ()!衝撃に真っ向から挑む無敵アッシュ腹筋((盾))

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ