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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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48話 超人、理を逸脱せし者②

 筋肉!これこそ力!これこそパワー!故に最強!グランガイザスは自らが最強だと確信している!その秘密は彼が持つ筋肉の聖石にある。筋肉に詳しい大久保博士はこのように述べている。


「筋肉をつけるということは、筋繊維が強く太くなることをいうんじゃよ。運動をすると筋肉が一時傷つくんじゃが、前よりもさらに強靭になって回復するのじゃ」


 大久保博士は毎日の食事のおかずをプロテインにしているほどの筋トレマニアである。頭は悪いが筋肉はいっぱいついているのでとても強そうだ。よく誤解をされるのだが、彼は博士ではない。ただの博士ひろしくんである。偏差値が2しかないのに博士かよ~とよく揶揄われたが、いじめっこを見返すために筋肉に頼った男である。


 そしてグランガイザスの筋肉はただの筋肉ではない。彼が持つ筋肉の聖石!彼が最強の聖石と信じているそれにより、その筋肉は受けたダメージに対してものすごい速さで太く再生するのだ。その筋肉に時術を合わせれば…無敵×無敵!これまでにない力が覚醒する!


 それこそ彼が先ほどから使っているオリジナル時術、タイムアルター・プラズマダッシュの術!自らの肉体に流れる時間を倍にすることで、外部の速度を疑似的に半分に減速にすることができる。世界そのものの時間に干渉するよりも低燃費・低難度・低被害だが、良いことばかりではない。肉体が倍速で動くということは、肉体にかかる負担は尋常ではない。並の肉体では負荷に耐えることはできないだろう。その負荷を極限まで軽減するのが、この筋肉の鎧である。ヒョロガリよりもマッチョの方が強い、至極当然のことだ。


「ならこうだ!」


 トッシュはグランガイザスの周囲にかける圧力を操作し重さ硬さではなく粘度を強化する。まるでマヨネーズの中にいるかのような抵抗にグランガイザスの動作がスローになる。トッシュの超重圧は圧力ではなく周囲から固めた空気の壁を押し付けるものなため、それ以上の力で押しのけられてしまうが、柔らかくすればどんなに殴ろうとも砕けない。賢い。


(しかし致命打にはならない…!術阻害と圧縮粘着空気の効果は残り3分程度!決着を急がなきゃ!)


 トッシュオリジナル八卦の烈は、その実ただの劣化八卦である。霊脈霊絡にアクセスする才能がないトッシュは自分の闘気を周囲に振り撒き混ぜ込み、闘気が混入した空間の霊気を操作できるようにしたものである。必殺の聖拳は嫌が応にも闘気を全部噴き出すため、結果ちょうどいい感じにバラマキに繋がるからシナジーはバッチシだ。しかし当然、自分の闘気が無くなれば使えなくなるし、意思の無い霊気とは違い意思を持つ他人の闘気には干渉できない。そして、圧縮粘着空気に纏わりつかれるグランガイザスを攻撃する手段も限られる。外部からの衝撃にも抵抗を持つし、攻撃したときその部分だけ圧縮粘着空気を除去するなんて器用な真似はできない。つまるところ手詰まりと言っても良い。グランガイザスは時間が経過すれば空間跳躍してしまえばいい。


(どうしよう…)


 グランガイザスのスローな攻撃を躱しながら考えるトッシュ。そしてちょうどその頃、アーウィンはマスター・不知火にとある秘密を打ち明けていた。


「不知火…生きてるか…?」

「一応生きてるぞ」

「…アイツ(トッシュ)はこのままじゃ勝てん。そして、お前の未完成のサーディオンでも勝てん」

「…アーウィン、お前何か隠してたな」

「お互い様だ。…太陰の章に未掲載の一族に伝わる口伝、それを教える。本当の天でお前が決めてくれや」

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