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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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34話 正義、この道の行先③

 一方、三騎士トリプルリッターの聖竜騎シャイニングブレイクことジャスティスと相対するマユは、ジャスティスに問いかける。魔王イクスの手下となり魔王グランガイザスを倒したとして、魔王イクスはどうするのか、人類の敵となった場合お前はどうするつもりなのか、と。


「そのときは私がイクスさんを止めるわ」


 イクス『さん』。その呼び方にマユは確信した。ジャスティスはイクスに感謝している。息子トッシュを救い、育て、再会のきっかけを作ってくれたことに。イクスが人類の敵となったとして、人類を見限ったジャスティスはイクスを止めるつもりなどさらさら無いに違いない、と。


「アンタの息子は魔王軍を辞めたんだけどねぇ…カーチャンはこのザマか。子離れできない母親ってのはみじめだねぇ」

「当り前じゃない!あの子と過ごす黄金のような素晴らしい時間を奪われたのよ!だからあの子が嫌がるなら力づくで連れ戻す!」

「まるで毒親だねジャスティス、ちょっと頭冷やそうか」


 その言葉と同時にマユが雷速を起動、超高速でジャスティスの懐に潜りこみ右肘を打ちこむ。ジャスティスはその速度にちょっと驚くが冷静に回避する。回避されたマユも、冷静に追撃に移る。さらに前進、体を開きながら肘を前に突き出し頂肘をジャスティスにお見舞いする。しかしこれも不発、屈んで回避されてしまう。ジャスティスはそのまま地に両手を付けてくるっと回転し、足払いでマユを転倒させようとするが、一瞬全身にビリッと電流が奔り硬直、動きが制止する。その隙を突いてマユは肘を振り下ろしながら倒れ込み、ジャスティスの頭部を狙う。


「くっ!」


 その場から転がりジャスティスはエルボードロップをギリギリで回避する。視界の回転が終わり、マユのいた方へと目を向ける。マユは雷速による超速移動でジャスティスの目前にすでに移動しており、さらに片膝を付いているジャスティスの顔面目掛けて蹴りを繰り出そうとしていたところだった。すかさずガードの姿勢を取ろうとするも、またも前進に走る電流により体が硬直、無防備な顔面にまるでサッカーボールを蹴るようにマユの脚が炸裂した。


「ぶへぇ!」


 かわいらしい少女らしからぬ悲鳴と共に、ジャスティスが後方へと蹴り飛ばされる。マユは一旦雷速を停止し、ジャスティスの動きを警戒する。体を電気信号により無理矢理動かす雷速は連続使用すると体に負担がかかるため、タイミングを見てオンオフを切り替えなければならない。サンが雷速を持続させることができない理由はこれだ。


「ふふふ、やるじゃない…いかにも後衛の補助職だった貴方もすっかり肉体派に変わったわね」

「お前はどうなんだ?…変わったのか?勇者ジャスティス」

「…変わったわよ。今の私は聖竜騎シャイニングブレイク。私は世界のことなんでどうでもいいの。ただトッシュのために生きるのよ」

「お前の選んだ道は、お前の息子の幸せには繋がらない。本気で来い、全力で止めてやる…!」

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