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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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24話 兄弟、血よりも濃い魂の絆①

サブタイトル変えました

「やいやいテメエの上司が言ってたのは二日後だろうが!テメエ馬鹿か!?頭に脳ミソじゃなくてカニカマでも入ってんのか!?」


 突然の不意打ちにさしものゼファーも怒りを隠せない。


「フハハ!どうだ怖かろう!あと二日生きていけると思った命が今潰えるのだからな!」

「なにおう!テメエなんか怖かねぇ!死ぬのはテメエだぶっころしてやる!」


 いつもの余裕がないからか、ゼファーの言葉に年相応の幼さを感じるジャスティス。彼女にはこの少年を産んだのが自分だと口で説明されても全く実感が沸かない。グレゴリオ(臭い)に犯され孕まされたという事実は本当に不愉快なのでその記憶が無いことは良いことなのかもしれない。実感の無い四つ子の息子たちには憎悪を抱かずに済んでいる。…仮に記憶を取り戻した時、自分はアカネのようにこの四つ子を愛することになるのだろうか?


「面白い!2対1か!サンマだな!」

「…?」

(麻雀かよ…ゼファーは麻雀知らないのね、なんだかんだで子供ね)


 麻雀を知らないというか、世間一般の常識すらこの四つ子は知らないのだが。


「なんのことかわからんがこの女は何もしないぞ。俺はお前の上司をやっつける男、手下如き歯牙にもかけないわ!」

「言うじゃねぇか、じゃあやってみな!」


 ゼファーもこう言っていることだし力を見せてもらうことにしよう、とジャスティスはセコンドに徹する。もしかしたらいいアドバイスができるかもしれない。フォーゲル戦に役立つなにかが見つかるかもしれない。


 ゼファーは懐から取り出した二本の短刀を構える。フォーゲル戦ではその辺の市販の剣を使ったが、今回のゼファーは本気のようだ。この双刀はゼファーの愛刀、その名をタイガーとライオンと言う。


「烈風脚!」


 ゼファーの烈風の如き足運び!いつもはこれで後ろに回り込むのだが、今回は足を止めず一気に通り過ぎる。すれ違い様に一撃斬りつける。先ほどの意趣返しのつもりだろうか。そしてさきほどのゼファーと同じようにアレックスは躱して見せる。


(よけるか…!トッシュが三騎士トリプルリッターは軍団長に匹敵する強さと言っていたが嘘じゃないようだな!)


 ザザザ…!とブレーキを掛けながら振り返るゼファーは、目の前からアレックスが消えていることに気付く。奴の肩書は天竜騎。空か!


 振り上げると上空に高く飛び上がるアレックスの姿。その背には先ほどは見えなかった翼。竜の羽とはまた違う、風切り羽に覆われたふわふわの翼。アレックスは魔族ホークマン


「シャアア!」


 上空から一直線に降って来るアレックスの手に握られているのは小ぶりの、片手で持てるハンマーである。剣で受けると折れるかもしれない。すかさずゼファーは双刀ライオンとタイガーを手放し、アレックスの襟と袖を掴む。


「!?」


 そのままゼファーは反転、アレックスの腕を絡み取り、自らの足でアレックスの足を払い…投げた!


 ズドン!と地面に背中から叩きつけられたアレックス。彼は受け身を取ることもできなかったが、地面に生い茂る草と、自らの背中から生やした羽のおかげで致命傷は避けることができた。背中の羽の骨は折れてしまったため飛べなくなってしまったが。ハンマーでゼファーの骨を折るつもりが、逆に自らの羽を折られてしまったアレックスは、この子供を甘く見ていたことを反省する。


「ぐぐぐ…なんだ今の技は…」


 よろよろと立ち上がりながら、アレックスは強敵と判断したゼファーを睨みつける。


(今の投げは…!)


 ジャスティスもその投げ技を見たことはなかった。知識としては知っていたが、幻とまで謳われたその技、実戦で実践するのは並の技量ではできない。ゼファーは残心を取りながら、その名を口にする。


「山嵐」


 ゼファーのドヤった顔に二人はちょっとイラっとした。

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