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復讐、始めました。  作者: 中島(大)
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95話 宝物、守護りたい人③

「きっしょいんだよテメェ!」


 ジャスティスの右!が、自分にのしかかる男の頬に炸裂!吹き飛ぶ男の挿入していた男性器が抜け、後頭部から床に堕ちる!


「グレゴリオオオオ!ぶっ殺す!…あ?」


 目覚めた場所は、あの忌まわしい勇者量産計画ラボの寝室の回転ベッドではなかった。おかしい、今グレゴリオに犯されてたような…。そこではっ、と気付いた。そこな倒れておる男は、グレゴリオではなかった。夢、だったようだ。そして、思い出す。ズオーの自爆から身を守るために全力を出し切って、そのまま意識が途絶えたことを。しかし今はそれよりも。意識のない女に不法チン入していた不届き者を成敗することが先決だ。


「誰だぁテメー?」


 その男の内側からは懐かしい闘気が感じられる。我が愛すべき息子…グレゴリオから孕まされた四つ子のものではない、愛し合って生まれた第一子トッシュの、だ。が、トッシュではない。もしトッシュだったら…だめよ親子でそんな冷静になりなさい冷静になってこのレイパーをとっちめなきゃ。


「いてて…目が覚めてようで…うげぇ」


 抉るように睨みながら、ジャスティスは男の首を掴む。


「説明しろ」

「はい…」


『説明しよう。闘気にはその持ち主の個性があり、他者の闘気は原則、自らの闘気として使うことはできないのだ。今ジャスティスに生でヤってたゼスの内側に迸るトッシュの闘気は、あくまでトッシュのものであり、それをゼスがどうこうすることはできない。他人の闘気をわが物とできるなら、他人の闘気を用いた必殺技すらも回復の素になってしまうから仕方ないのだ。


 回復の話も出たところで、ここで闘気による回復術についても必要なので説明しよう。闘気を用いた回復術にはいくつかの方法が存在している。


 トッシュのように闘気で自らの治癒力を活性化させ回復速度を極限まで上昇させる方法。即効性はあるが闘気の消耗がでかい。


 闘気を道具として操作し他者の傷を修復する方法。闘気の消耗は少ないが、時間となにより知識と技術が必要。


 闘気を他者の闘気に同調させ、同調した闘気が回復を促す方法。消耗はある程度融通が利くが、回復速度もゆっくり。


 闘気の根源たる生命エネルギーを用いて他者の傷を癒す方法。生命力をダイレクトに浴びせるため、回復速度は即効性あるものの、術者は生命力を失うため加減を誤れば死にかねない。


 他にも方法はいくつかあるが、主にこんなところである。傷つき闘気を失い、そして闘気をチャージするための材料たる生命力すらも失っていたジャスティスを救う手段は。上記のうち3番目か4番目ではあるが、ゼスは自らの闘気を使う術を持たず、当然トッシュの闘気は使えない。


 しかし、一つだけ、ゼスがジャスティスを救う方法があるのだ。それはゼスが男で、ジャスティスが女だからこそ可能な方法である。


 闘気とは生命エネルギーを練って生み出すエネルギーである。このエネルギーは不可逆ではなく、闘気を練って生命エネルギーへと還元することも可能である。繰り返しになるが、ゼスにトッシュの生命エネルギーを操作する技術は持っていないし、この宇宙海賊ネオデビルクロス本船内に闘気を操る術を教えることができる者もいない。


 が、とある手順で闘気は生命エネルギーへと戻るのだ。それは方法ではなく、作用。そうなってしまうという現象故、知識も技術も必要ない。ただその手順を踏めばいい。


 生命エネルギーとは命の素である。そして、男は己が体内に、生命の片割れを持つ。そう、キンタマの中でうようよしているそれ…つまり精子である。生命の片割れたる彼らもまた、命の素。彼ら精子は男性器に与えられた摩擦に刺激され、精子は闘気を取り込む。命の素たる精子の中では、闘気もまた命の素たる生命エネルギーへと戻り、男性器から射精された彼らは、母胎の中で生命エネルギーを放ちながら、受精へと旅立つのだ。


 つまり!生命エネルギーを持つ精子を中に射精されればされるほど、母体は生命力を取り戻す!


 房

 中

 術

 !


 これこそ究極の医、性の医術!性と生命は密接に関係しているのだ。否、そのものである!』


「そうかそうか、じゃあ今の一発で勘弁してやるわ」

「あ、ありがとうございましゅ…」


 ゼスの首から手を放し、ジャスティスは状況を整理する。


「はぁぁぁぁぁぁ…全部思い出したよ最ィィ悪。忘れてた方がマシだったってーのクソが」


 グレゴリオに何度も何度も何度も犯され。そして子を産まされ。その後もゴム有で何度も犯され。最後に一人、子を産まされ。そして保存のため時の牢獄に封印された。再利用する時まで母体の若さを保つために。つまり、今のジャスティスにとって、グレゴリオとの記憶は昔の記憶ではなく、割と最近の記憶である。こんな記憶保持してたら自殺しかねないから忘れる処理もされていたのかもしれない。


 故に今のジャスティスはやさぐれ度合がマシマシである。


「おい、服」

「どうぞ」


 ゼスが後ろを向きながら服を寄越してくる。いそいそと服を着て、ジャスティスは今思ったことを実行するにはまだ体力が全然足りないことも理解し、さらにゼスに要求する。


「とりあえず何か食いモン。とりまハンバーグ」

「かしこまり!」

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