95話 宝物、守護りたい人②
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ギシ…ギシ…
軋むベッドの上で絡む二人の体。拘束され、組み敷かれる女。乱暴に、欲望のままに腰を打ち付ける男。
「はぁ!はぁ!…ううっ…!」
男の呻きと共に、動きが止まり、しばらくして、また腰が動く。女は、ただ男から目を逸らす。そんな女が、男は憎らしく、愛おしかった。
ジャスティス。魔王を滅ぼした勇者。一目見たときから可愛いと思っていた。魔王を滅ぼすために旅立つ少女を、支えてあげたくて、男も共に旅に出た。守護ると誓ったそんな少女が、自分よりも強く、周囲から期待をされている状況が歯がゆかったが、それでもよかった。守護るのもまた強さ。男は自分がメイン盾と自負していた。事実、自分がいなければジャスティスが危なかった場面も少なく無かった。みんなが理解してくれなくても、ジャスティスだけがわかってくれるなら、それでよかった。
のに。
ジャスティスは、恋に落ちた。
男と唇を重ねるジャスティスを、見てしまった。
ジャスティスに守護られなければ、すぐに死んでしまう、戦う力を持たない、ただの町人。
結局、顔か。
夜の帳の中に、ジャスティスは男と一緒に消えて。
翌日の早朝、こそこそと少女は帰ってきた。
いや、もう彼女は、女だった。
最早自分のものになりえない、守護りたいと思った少女。
最早自分のものにしても、少女の花は既に散っていて。
だから、あの誘いに乗った。
彼女の初めては全て、奪われたあとで。
いや、一つだけ、まだ残っていた。
「無理矢理されるのは初めてだろ…!ずっとこうしたかった…!お前に俺の子供を産ませてやるからなぁ…俺が一番多くお前に子供を産ませるんだ…俺が一番お前とセックスするんだ…」
ジャスティスには、この吐露する気持ち悪ぅい気持ちが、心底気持ち悪い、と思われただろう。そう考えると、股座の分身が熱を持ち、硬くなった。恋人とのセックスはすぐに飽きて、1年でセックスレスになってしまったが、片思いの思い人を無理矢理蹂躙するのは全然飽きない。
ジャスティスの子供を産ませるための種馬としての人生。毎年出産させてやると期待していたが、残念ながら計画の進行上認められなかった。それでも4人、産ませた。人為的に分割された四つ子だけど、この人数はそうそう越えられないだろう。この勇者量産計画ラボから脱出することができないジャスティスが、自分の意思で男に股を開くことはないわけだし。四つ子を産ませて以降も、毎日のように体を重ねた。0.02mmの薄い膜で遮られたセックスは、交配と呼べるものではないが、それでもジャスティスの中を自分の色に耕す充実感。
そして、男の耳にに嬉しい知らせが届いた。四つ子出産から4年後のことだった。
「一人、孕ませるように」
やった。計画のことはよくわからんが、男は自分の子種をまた遠慮なくジャスティスの中に放精できると思うと、初めて犯したときと同等の硬度を取り戻した。
「ぶへへ…今日は中出しだぁ…覚悟しろよジャスティスぅ…」
男の名はグレゴリオ。勇者と共に魔王を討ち亡ぼした、ジャスティスの友。
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